40代後半以降の女性たちが決まって口にするのが、「何を着ればいいのかわからない。どこで洋服を買えばいいのかわからない……」という悩み。
肌や体形が急激に変化してくる年齢を迎え、誰もが共通に感じていることのようです。
フジテレビのアナウンサーを経て、現在はフランス人の夫と3人の子どもたちとともに、パリで暮らす中村江里子さん。
昔からセンスのよさには定評があり、年齢も今年で54歳。これは的確なアドバイスをもらえそう! ということで、中村さんのパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』の最新号から、インタビューの一部を特別にお届けます。
「私は何を着ればいいのか……」大人世代の女性に共通する悩み
──太れないのが悩みという中村さん。変わらずスリムですし、お肌はツヤツヤピカピカ。体形の悩みなどなさそうですが。
中村江里子(以下・中村):えーっ! そんなことないですよ。いろいろ変化しています!
重力の法則には逆らえないので体のいろいろな部分が下がってきていますし、シミやシワだってありますし、白髪も子どもたちに厳しく指摘されるようになりました(笑)
──日本では中村さんの世代の女性たちの共通の悩みとして、「何を着ればいいのか、急にわからなくなった」ということがあります。何かアドバイスがあれば……。
中村:私自身の経験で考えてみると、やはり若い頃のようなパンとはじけるようなパワーがなくなってきて、50代はいい意味で枯れてきている年齢だと思います。
でも、だからこそ、逆に楽しめる色や柄も増えてきたような気がしています。
──具体的には?
中村:20代、30代で着ると、派手に見えたり、下手をすると、けばけばしくなってしまうかなという鮮やかな原色や柄物。
でも、この年齢ならば、逆に顔色がパッと明るくなって若返る気がします。私は40代になってから赤やピンクを着るようになり、最近ではさらにヴィヴィドな黄色や緑、ブルーがクローゼットに増殖しています(笑)。
自分に足りなくなってきたものを身に着けるもので補っているのでしょうか(笑)。また、体力や気力にも変化を感じる年代ですが、色物や柄を身に着けるとパワーをもらえる気がします。
新しい靴が1足あれば、見慣れた服も新しい表情を見せる
──でも、家や家族に必要なものもありますし、なかなか自分の洋服だけを新調するというのは難しい気が……。処分するのはもったいないという洋服もありますし。
中村:わかります! 私も、毎シーズン新調しているわけではありませんし、10年、20年、それ以上と大切に着続けている服もたくさんありますから。
そんなときは靴を1足、新しくしてみるのはどうでしょう。私は靴を新調すれば、見慣れた服もまた新鮮に見えると思っています。
おしゃれというと洋服に目がいきがちですが、じつは面積は小さいのですが、靴の存在は大きいと感じています。

中村さんのおしゃれな「ペタンコ靴」の秘密

──ブログやインスタで拝見する写真でも、かわいいバレリン(ペタンコ靴)を履いた中村さんの姿が気になります。
中村:ありがとうございます! じつは夫はできれば私にはヒールを履いてほしいようですが、子どもたちが小さかったときや私の日中のあわただしさを見ていて、エレガントに履けるバレリンをいっしょに捜してくれるように……。
少しずつ私のバレリンコレクションも増えてきたと思います(笑)。

クモの刺しゅうやネコの顔やしっぽを表現したデザインのもの、イニシャル入りなど、楽しいもの、キュートなものも靴なら幼くなりませんし、逆に大人のかわいさ、こなれた着こなしのポイントにもなる気がします。
長年好きで続けているコーディネートも、これらの靴でまた違う雰囲気になります。

変化に抗うのではなく、受け入れて
生きているかぎり、誰でもみんな平等に年を重ねていきます。
取材の中で、中村さんは「変化に抗うのではなく、受け入れて、それをどう楽しむか」とおっしゃっていました。心に残る言葉です。
<撮影/武田正彦 文/女子SPA!編集部>
中村江里子
本名:エリコ・バルト/1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にバルト氏(化粧品会社経営)と結婚、パリに暮らす。現在は3児の母で、パリと東京を往復しながら各メディアで活躍中。ライフスタイルブック「セゾン・ド・エリコ」シリーズ、近著『パリのおうち時間』 Instagram:eriko.nakamuraofficial、オンラインショップ「中村江里子セレクション Avenue du KIKI」
(エディタ(Editor):dutyadmin)



