恋人間で気になるポイントとして話題になる「お金の価値観」。将来を見据えた交際だとなおさら、羽振りが良すぎても将来が心配になったり、逆に度を超えた節約もマイナスに捉えられることも。
東京都在住の美奈さん(仮名・30歳)は、2年前に同じ会社の他部署勤務の彼(30歳)とこっそりお付き合いをしていたそう。誠実な人だと感じて交際するも、次第に大きな違和感を抱くようになったとか……。
デートでの割り勘は1円単位で……
「私と彼は会社の同期で、いわゆる社内恋愛です。付き合い始めはコロナ渦だったためお家デートが多く、デート中は私が家でご飯を作って一緒に食べていました。
だんだんと外食ができる環境になり、彼と外でデートすることが増えたことで違和感を抱くようになっていきました」
そう語ってくれた美奈さんは、おっとりしていてやや控えめな性格。「彼は私とは真逆で行動力があり、物事をはっきり言う性格だったため、そこに惹かれた」と話してくれました。
「彼は自身を倹約家だとよく言っていて、『美奈との将来のためにしっかりお金を貯めたいから』と、デート代は最初から決まってきっちり割り勘でした。
お互いのお給料も同じくらいなので割り勘は問題なかったのですが、1円単位で割り勘をしたがることに不満があり、『毎回交互に払わない?』と私から提案してみるとすぐに了承してもらえたんです」
割り勘はよくても、毎回会計前にテーブルでお金を出したり、「〇〇円ある?」などのやり取りが恥ずかしかったという美奈さん。将来を考えるなら持ちつ持たれつといったように臨機応変にお会計をする形が理想だったそうです。
もしかして、搾取されてる……?

「交互に払うことになってから、彼が払うと言ってくれたお店では、私が1000円程のメニューを注文しようとすると、少し安めのものを指して『こっちにしなよ』と言うようになりました。
逆に私が支払う店では、明らかにここぞとばかりにたくさん食べて、飲み物もお替りしたりと、気付けば私が出す金額が彼が支払った店の金額を毎回大幅に上回っている感じがして、モヤモヤしていました」
「店の中で一番高いメニューは罪悪感があって食べられない」とも言ってた彼ですが、美奈さんが払う外食では「今日は贅沢にこれ食べちゃおうかな~」と高いものを注文することもあったそうです。
「本当に食べたいのなら良いのですが、デートを重ねるたびにその違和感が大きくなり『彼は得がしたいのかな?』と思うようになりました」
プレゼントした財布を売られてしまったことも
違和感はありつつも、確信があるわけでなく「まあいいか」と気にしないようにしてデートを楽しんできたという美奈さん。ひっかかる部分はありつつも、自身で提案したことだからとこのときは流せていたと言っていました。
「彼の誕生日に欲しいと言っていた財布をプレゼントしたこともあったんですが、彼がその財布をまったく使っていなくて問いただしたこともありました。そのときは、『本当はもっと欲しいものがあって、その資金にしようと売ってしまった』と言われ、かなりショックを受けました」
さすがの美奈さんも彼のこの行動には別れもよぎったといいます。
「このときは彼がすごく謝ってくれたこともあり、交際は続けることにしました」
このあたりから彼に対して、明確な不信感を抱くようになったという美奈さん。「もし時間が戻せるならば、この時に戻ってきっぱりお別れしておけばよかったと言います。
同部署勤務になって見えた彼の一面

「交際半年を迎えたあたりに、彼が私の居る部署に異動してきました。
会社の人が差し入れや旅行に行ったお土産を『みなさんで食べてください!』と持ってきてくださることが度々あるのですが、彼がそのお土産を1人でバクバク食べていたり、いくつも持ち帰ったりしているのを見てドン引きしてしまいました」
ほかにも、こんなことがあったとか。
「上司とランチに行ったとき、上司が奢ってくれるのをいいことに、一番高いものを毎回躊躇なく注文したり、飲み会では『今日は〇〇さんの奢りっすか? ごちそうさまでーす!』としつこく絡んだり、異動してきたばかりで関係性もできていないのにあまりの図々しさに幻滅しました」
美奈さんは、彼と1対1では見えていなかった会社の人との関わり方を見たことで、彼に対して完全に幻滅してしまいました。次第に社内でも彼の悪い噂を耳にすることも増え、別れを決意したそうです。
「『ああいうのは失礼だからやめたほうがいい』と、何度か指摘したこともありました。しかし、彼からの返答は『なんで? 得じゃない?』でした。この言葉で今までの彼の行動が伏線回収となり、あぁやっぱり得したいだけの人だったんだなと感じました」
自称倹約家な彼は、ただのドケチな人だったということが分かってしまったというわけですね。
周りの人のお金で得をしたい一心で行動すれば、信頼を失い、もっと大きな損になって自分に返ってくるということを、彼との付き合いを通して実感したそうです。
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<文/鈴木風香>
鈴木風香
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama
(エディタ(Editor):dutyadmin)
