新米をおいしく炊こう。

こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
さて、食欲の秋が到来しています。秋と言えば、秋刀魚、りんご、栗など旬の食材がたくさんありますが、やっぱり外せないのが「お米」ではないでしょうか。
今年も「新米」の季節がやってきました! 新米とは、収穫された年の12月31日までに精米・袋詰めをされた期間限定のお米。まさに今の時期がおいしく楽しめるチャンスなのです。2023年のお米の出来は、全国的に気温が高く生育が早かったことから、平年並み以上とのことなので、おいしく炊いて味わいたいところですよね。
新米の新常識をプロに聞いた
でも、「新米ってどう炊くの?」「土鍋がおいしいのはわかっているけど、炊飯器はだめ?」「品種がたくさんあってよくわからない!」など疑問もたくさんわいてきます。うーん、意外と知らないコツがありそうです。
そこで今回は、「新米の新常識」をテーマに、炊飯器で新米を炊く際に意外とやってしまいがちなNG例をご紹介。
誰でも失敗せずにおいしく炊ける新米の扱い方について、昭和6年創業の老舗米屋「株式会社スズノブ」西島豊造さんと、今年創立100周年を迎えた「タイガー魔法瓶株式会社」の広報担当・林優紀さんに聞きました。
NG例①お米をしっかり研ぐ
⇒表面の汚れだけを落とすだけでOK! 研ぎ過ぎや金属ザルは米が割れる原因に
まずは、新米だけに限らないお米の新常識から。
「最近は精米機の精度が上がっているため、米をしっかり研ぐ必要はありません。表面の汚れだけを落とす感覚で!」と、西島さん。
しっかり研いでしまうことで米粒が割れてしまい、粘りと柔らかさだけが強くなって味は落ちてしまうそう。
特に新米の表面は柔らかいため、金属製のザルを使ったり、時間をかけて研がないように気をつけましょう。
NG例②炊飯前にしっかり浸水させる
⇒炊飯器で炊く場合、浸水時間はプログラムに入っているので不要!
お米の外袋裏に記載されていることが多いのが、「浸水してください」という説明書き。新米は米表面が柔らかく水分を吸収しやすいため、浸水時間を長くとる必要はありません。
しかも一般的な炊飯器の自動炊飯プログラムには、4つ(吸水→昇温→炊きあげ→蒸らす)が含まれていますから、炊飯ボタンを押す前の浸水は不要なのです。
NG例③水少なめで炊く
⇒現代のお米は、新米も古米も水分量は15%程度。水が少な過ぎると、がっかりすることも。
「新米は水分を多く含んでいるから水は少なめに……」と考えている人は少なくないでしょう。
実はコレ、ちょっと昔の話らしく、現代のお米は“新米も古米も水分量は15%程度”と決められて出荷されているそうです。
西島さんいわく、「新米だからと、炊く時の水加減を控えたりしないで、まずは目盛りに合わせて炊くようにしましょう」とのこと。
私が実際に検証してみたところ、「目盛りよりやや少なめ=1合(180ml)につき10ml少なくする」と、1粒ずつほぐれるような炊き上がりになりました。
NG例④お米を常温保存する
⇒お米は生鮮食品なので、冷蔵庫保存が基本

もっともやってしまいがちなのがコレ。台所や納戸に常温保存している人は少なくないでしょう。
米はそもそも生鮮食品であるため、冷蔵庫での保管が基本なのです(常温での保存は2週間が最長と考えるべき)。
チャック付き保存袋に1回ごとに小分けして、空気を抜いた状態で、野菜室に敷き詰めておくのが理想です。
たまに見かけるペットボトルでの保管は、空気に触れてしまうことや、出す時に米粒が割れてしまうため推奨しないとのこと。
それでは最後に、新米をおいしく炊く、おいしく食べるにこだわった場合の工夫ポイントや炊飯器選びについて、2つご紹介したいと思います。
①かために炊きたい場合は、「早炊きモード」で炊く
早炊きモードは、ごはんを炊く前の浸水時間と、炊き上がった後の蒸らし時間が短くなるので、ややかための食感に仕上がる傾向にあります。
実はこの炊き方は新米には相性が良く、新米には早炊きモードを推奨しているプロ料理人も多く存在するんですよ。
最新の炊飯器では、アプリと連携させることで新米専用のメニューで炊飯できる機種もあるので、チェックしてみるといいかもしれません。
②味や香りの強いおかずとは合わせない
新米ならではの魅力は、みずみずしさと繊細な香り。つまり味つけや香りの強いおかずと合わせてしまうと、台無しになってしまいます。
オススメは、昔ながらの朝ごはんのおかず。焼き魚、納豆、味噌汁などと一緒に食べると、新米の良さがわかりやすいそう。
③火力の強い炊飯器を選ぶ。銘柄炊きも便利
炊飯器はどれも同じと思っていると、損をしてしまうかもしれません。お米は高温で炊くほどα化して甘くなり、土鍋や炭など内なべの素材によっては、遠赤効果がふっくらした炊き上がりになります。
つまり、火力の強い機種を選ぶことがおいしい炊飯には重要。
また、米の銘柄によって炊き分ける機能が搭載された炊飯器も登場していますから、お米のおいしさにこだわる人や、そろそろ炊飯器を買い替えようと考えている方にはオススメの視点です。
<取材・文/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)







