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乳がん手術前夜「やっぱり取らなきゃダメ?」動揺する私に医師がした“神対応” | ビュー

時刻(time):2023-10-13 16:51源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
2016年のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。 【過去記事】⇒ 連載「乳がんドタバタ体験記」記事一覧を見る がん患者さんでごったがえす病院 ※イメージです(以下、同じ) 浅い眠りで迎えた入院当日。

 2016年のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。

【過去記事】⇒連載「乳がんドタバタ体験記」記事一覧を見る






がん患者さんでごったがえす病院


病院イメージ

※イメージです(以下、同じ)

 浅い眠りで迎えた入院当日。

 夫は会社に行ってから午後に病院に来てくれるとのことで、お世話になるがん専門病院にはひとりで向かいました。

 相変わらず病院はがんの患者さんでごった返しています。ここにいる人はみんながんの治療をしているのだから、わたしも大丈夫だ! と気合を入れて入院手続きに向かいました。






オバケが怖いわたしは相部屋でラッキー!


 常に満床状態の病院なので、基本的に病室は相部屋で、部屋によって多少の追加料金がかかるようでした。

 ほかの患者さんは「個室がいい!」と言っている人もいたけれど、公立の病院なので、個室自体が少なく、それがわたしにとってはラッキーでした。

 なぜなら……わたしは霊感ゼロですが、とにかくオバケが怖いのです。

 旅行先でもホテルの部屋で一人で寝るのも苦手なのに、病院で個室なんて絶対に無理! ちょっとした音でも想像力を膨らませて怖がってしまうので、とにかく「絶対に相部屋希望!」だったので、“願ったり叶ったり”。

 通されたのは2人部屋。隣は大腸がんで人工肛門をつけたばかりの高齢の女性でした。トイレの介助も必須とのことで、場所はナースセンターの真ん前。

 消灯後でも明るい蛍光灯がついていて、いつでも人の気配がするため、怖がりのわたしには超ラッキーなロケーション。













全身麻酔で寝不足解消?


入院で足が冷えるので買ったナマケモノ靴下

入院で足が冷えるので買ったナマケモノ靴下

 入院手続きを終えて病室に入ると、手術の説明、入院計画の話など、次から次へといろんな担当者が来て息つく暇もない!

 しかもわたしの手術は、翌日の午後だと聞いていたのですが、なんと朝一番に変更になったとのこと。朝9時の手術なので「体温チェックなどは6時半ごろ来ますね」と看護師さん。

 もともと朝がめちゃくちゃ弱いわたし。入院前日あまり眠れなかったこともあり「ゲッ、早起き嫌だな……」と内心ゲンナリ。

 ですが、よく考えたら手術に入ると全身麻酔で強制的に爆睡するので、寝不足なんて関係ないか、と思いなおしました。

 術後もまる一日、ベッドに横になっている予定なので、寝たければいくらでも寝られるか~と、寝るのが大好きなわたしは気楽に考えていました(結局、術後は手術跡などあちこちが痛すぎて眠るどころではなかったですが)。






手持ちの薬を回収? 聞いてないよー


 さらに、入院期間中は徹底した管理をするため「手持ちの薬は全部預かりますので出してください」と言われました。

 わたしは準備が良いほうで、出先で調子が悪くなったりしたときのために、けっこうな種類の薬を少しずつ持ち歩いていました。

 頭痛薬、胃薬、吐き気止めにアレルギー性鼻炎の薬、いつもらったか分からない下痢止め、治ってもそのまま入れっぱなしなので、かなりの種類の薬がポーチにぶち込まれていました。それを病院側が種類別に袋に分けて預かるとのこと。

 そんなこと事前に聞いていなかったので、めちゃくちゃ慌てたわたし。メイク用具と一緒に放り込んでいて、当然入院中に飲む気はなかったのですが、普段のノリで持ってきてしまっていたのです。













汚すぎるポーチをひっくり返すことに


入院 病院 点滴 ポーチの中が汚すぎるので見せるのも恥ずかしくて、なんとか見せずに済まないかと思い「飲みませんからそのまま持っていてはいけませんか?」と聞いても、それはできないとのこと。

 種類別に分けていただくのが申し訳ないくらいあれこれ入っているので、ポーチごと預けますと言っても、それは病院の規則でダメと……。

 こんなことなら家に置いて来ればよかった、と後悔するも後の祭り。その場で汚いポーチの中身を全部出し「これは〇〇の薬で……下痢したときに飲みました」などとひとつひとつ説明し、その都度小袋に仕分けて行きます。

 説明が終わったときには小袋の山。もう飲まないだろう薬もすべて仕分けられ、なんだか申し訳ない気持ちになりました。

 そしてその薬はすべて病院に預け、退院時に返してくれるとのこと。かなり昔に入れたまま放置していた薬とか、返してもらわなくてもいいんだけどな……と思いながらぐったりしてました。あちらも相当ぐったりしたと思いますが…。






おっぱいは内臓ではないので意外と元気


 そんなこんなで、聞いてないよ! なことが起こりつつ、あっと言う間に夕食の時間がやってきました。

 乳がんの手術の場合、内臓ではないので、食事も前日の夜まで取ってOKとのこと。術後もまる一日経過すれば、通常の食事になるとのことでした。

 自分の身体についてあまり深く考えたことはなかったですが、おっぱいは肋骨の外にあって、乳がんの手術は、胃腸など内臓には影響がないため、食事などの不便がないというのが意外にラクだった部分です。

 なんとなく手術というと、前日から絶食とか、術後もしばらくは食事制限があるイメージだったわたし。息子を出産するときに帝王切開だったので、術後1週間、まともな食事が食べられず、おも湯生活も経験していました。

 だから今回も……と覚悟していたのですが、そういうことが一切ないと聞いてちょっと嬉しかったです。














手術前夜、いよいよ緊張してきた…


マジック
 いかにもヘルシーな病院食を食べ、病院から見える夜景を眺めたりと入院初日を楽しんでいましたが、明日執刀する担当医、S先生から処置室に来るように呼ばれました。

 明日の執刀に備え、ガイド線のようなしるしを胸につけておく、ということで、ペンで何やら線をひかれます。なにか身体に描く専用のペンがあると思いきや、普通の極太油性ペンでサラサラとわたしの胸に線を引いていきます。

 ここをこういうふうに切り取るのか……と思うと、いよいよ自分の胸がなくなる実感が迫ってきました。乳がんの悪いところを残さず取っちまいな! と全摘覚悟を決めたのに、いざなくなると思うと、急に寂しさと不安が襲ってきます。





「やっぱり全摘しなくちゃいけないですよね」


 そして思わず主治医の先生に「いまさらですけど、やっぱり絶対全摘しなくちゃいけないですよね?」と念押しをしてしまいました。今さらですよね。

 もうすべてがその方向に向かって動いているのに、聞かずにはいられませんでした。

 きっと、変なヤツだと思われているだろうなと思い「もう覚悟しているつもりだったのに、いよいよとなると名残惜しくなってしまって……すみません」と言うと、S先生は優しく「そりゃ、自分の胸がなくなるんだから、いろいろ考えちゃいますよね」と神対応で答えてくれて感激しました。

 手術前日の夜に変なことを聞いても優しく受け止めてくれるS先生に担当してもらえるなんて、なんだかすごく幸せ者だなぁと、ほっこりした気持ちで病室に戻りました。




















手術前夜、やっぱり眠れない夜


 今日から10日間会えない息子にも電話をすると、「ご飯たべて、ゲームしてるー」とケロッとした声。明日は電話できないからね、と伝えると「頑張ってね」と可愛い声で言ってくれました。

 そろそろ消灯時間。ですが、明日のために早く寝よう寝ようと思っても、ソワソワして落ち着きません。

 消灯は9時でしたが、9時を過ぎても真っ暗にはならず、静かにしていれば起きててOKとのことで、しばらくは持参したDVDプレーヤーにイヤホンを差し映画を見ていました。それでもなかなか眠くなりません。

 看護師さんが、眠れなければ睡眠剤を持ってきますよと言ってくれて、睡眠剤をもらうことにしました。

 飲んだら少しは眠れたような気はしますが、ナースセンターの目の前で明るく、さらに隣のベッドの女性は人工肛門をつけたばかりで、夜中でもトイレのたびに看護師さんが介助に来るため、そのたびに起きてしまい、結局ほとんど眠れずに過ごしました。

 どんなに寝不足でも、全身麻酔の爆睡で巻き返せるからまぁいいや、と謎の諦めで迎えた早朝。

 さて、いよいよ手術当日です。

【過去記事】⇒連載「乳がんドタバタ体験記」記事一覧を見る

<文/塩辛いか乃 監修/石田二郎(医療法人永仁会 Seeds Clinic 新宿三丁目)>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako




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