
新潟県津南町と長野県栄村にまたがる秘境、秋山郷にある、廃校になった校舎を改築した『かたくりの宿』を紹介します。

冬には積雪が4mを超えることもあり、基本的には冬季休業となります。年によって違いはありますが11月末から4月くらいまでは営業していないそうなので、興味があるひとはお早めに!
小学校をリノベーション!
1992年に閉校となった小学校を宿泊施設としてリノベーションし、1993年にオープンした「かたくりの宿」。
開校は明治17(1884)年で、現在の校舎が建てられたのは昭和7年(1932年)なのだそう。
学校だった頃の面影があちらこちらに残る宿。1階ロビーには机や靴箱などがあり懐かしい気持ちになります。
壁には、大地の芸術祭で原倫太郎さんが手がけた「マタギ文化」展示の名残があり、この地域に残るマタギに言い伝えられる言葉が描かれています。
大地の芸術祭は世界最大規模の国際芸術祭で、新潟県越後妻有地域の約762平方キロメートルの広大な土地を美術館に見立て、地域再生を目指すアートプロジェクトのこと。
取材時には、ロビー奥の体育館で 原倫太郎+原游さんの作品『妻有双六』が開催されていました。
これは、 学校に残されていたものを使いながら みんなで遊べる体験型の作品。ビジターは300円の料金が必要ですが、宿泊客は無料です。
教室がほっこり落ち着く和室に!
教室のあった場所を改築した客室は全部で7つ。ゆったりとくつろげる和室になっています。
写真は1年6組。14畳あり、最大4名まで利用可能なお部屋です。他にもう一つ同様のお部屋があり、それ以外に8,75畳(最大3名)のお部屋が2室、10畳(最大4名)のお部屋が3室あります。
客室には湯沸かしポットや持ち込み用冷蔵庫、テレビ、テレビ、エアコン、暖房器具、懐中電灯、卓上鏡、お茶セット、羽毛布団、ドライヤー、タオル、浴衣、丹前などが完備。無料Wi-Fiもあり、サクサク繋がります。
廊下には人体模型もありますよ!
校長室が温泉に!
お手洗いとお風呂は共用で、なんと、元校長室だったところがお風呂になっています!
使われているお湯は源泉掛け流しの結東温泉。国内でわずか4%と言われる希少な泉質の「芒硝泉(ぼうしょうせん)」のお湯で、冷え性や美肌にも効果的なのだそう。日帰り入浴もできます。
脱衣所には、無印の化粧水や乳液もありました。
お風呂に備え付けのシャンプー類は、無添加のボディソープやpaxのシャンプー&リンス、カウブランドのメイク落としと洗顔料。オリーブ由来の『pax Olie(パックスオリー)』は 100%自然由来成分にこだわった石けんシャンプー。お肌にも環境にも優しいアイテムが揃っています。
食堂では旬の味覚と地酒もいただける!
宿泊プランには「1泊2食付」「1泊朝食付」「素泊まり」があり、夕食や朝食は1階奥にある食堂で提供されます。
素泊まりの場合は、車で2,30分くらいのところにある地元スーパーなどで買って持ち込むのがオススメ。宿にはお酒が持ち込めないので、お酒を楽しみたい場合は、ぜひ食堂で地元のお酒などを頼んでみてくださいね。
縄文時代から人々が住み続けている津南町では、山菜やきのこ、美味しい米や野菜が育つそう。写真は私が訪れた際の夕食のお品書き。
地元でとれた食材を使ったこだわりのメニューは、どれもとっても体に良さそうで美味しそう! 夕食開始時刻は18:00、18:30から選べて、朝食は7:30、8:00から選べます。
朝の時間帯には、ロビーでコーヒーの無料サービスもありました。
かたくりの宿で提供されるのは、宿から10分ほど歩いたところに広がる 「石垣田」という棚田でつくられたお米。
日本の原風景のような大自然が胸の奥にじんわりと染み込んできます。空気も美味しいので、ぜひ、お散歩してみてくださいね!
かたくりの宿のグラウンドでは、自分でテントを張って泊まったり、設置してあるグランピングでの宿泊も可能です。1人1500円で、温泉・食事は別料金。宿内のトイレやWi-Fiは無料で利用できます。
歩いて10分くらいのところには、オダギリジョーさん主演の映画『ゆれる』の舞台となった「見倉橋」もあります。新潟の橋50選に選定されている、今では珍しくなった木製の吊り橋から見る中津川渓谷は絶景です。
ぜひ、この秋のお出かけの候補にしてみてくださいね!
★『秋山郷結東温泉 かたくりの宿』(あきやまごうとうけつおんせん かたくりのやど)
【住所】新潟県中魚沼郡津南町結東子450−1
テント:1,500 円〜 、宿泊:6,400 円〜
(文/fumumu編集部・日向琴子)