誰でも必ず、うまくなる。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
先日、レストランで子どもと一緒に食事をしていたときに、隣のテーブルの方に突然話しかけられました。それは、「お子さんのナイフとフォークの使い方がとっても上手ですけど、どうやって教えたのですか?」というご質問でした。
「子どもの食べ方が汚くてついつい怒ってしまう」「お箸の持ち方がずっとヘン」などなど……そんなお悩みを持っている人は少なくないはずです。
私は、小学2年生のわんぱく男児を育てる母親。息子は生まれつきの左利きで、いろいろと苦労が多かったものの、お箸やナイフとフォークの使いこなしに関してはおほめいただくことが多いのです。
上手になった秘訣は決して難しくありませんが、“あるポイント”にありました。今回は子どもの食べ方・作法を無理なくマスターするコツについてご紹介していくことにしましょう。
結論から申し上げると、私が心得として意識したことはたった一つ。「上手に食べられるようになりたい!」という子ども本人のやる気を引き出すことです。
食事マナーや食べ方をしつけとして施したことは一度もありません。子どもが成長したときに、どんな場でも誰とでも食事を楽しめるようになってほしいという願いはあったので、そのために子ども本人の力をどう磨いていくかを考えていました。
そしてある日、お箸の持ち方やフォーク、スプーンの持ち方を練習しているときに、ふと気がついたのです。それは、フォーク、スプーン、ナイフを使うことは、砂場遊びでスコップやクマデを使って遊ぶことの延長なのではないということ。
毎日のように真剣に遊んでいる姿を見て、私は息子に提案をしてみたのです。「砂場遊びが上手なんだから、お箸もフォークも得意になりそうだな! やってみる?」。
そのときの息子のやる気にみなぎった表情は、今でも鮮明に覚えています。
やる気スイッチが入ったところで、次は何をすればいいかという話に移りましょう。
これをやるべき的な課題は何もありませんが、“やると逆効果なこと”を確認していきたいと思います。
まず、お箸やカトラリーを最初から使いこなせる子どもはいません。子どもたちにとっては「手」を使って遊ぶ、創作することが日常で、自然な動きとして「手」で食べようとする場面に出くわすでしょう。
そのときに、「手はダメ! やめなさい!」と厳しくしかりつけるのは控えたいところ。最近のフレンチ専門店では手で食べるようなメニューも出てきていますし、ハンバーガーのように手で食べることに本能的なおいしさを感じることもあります。
「手で食べる=お行儀が悪い」というレッテルを貼る前に「その食べ物はなんだろうね? おいしそうだね!どうやって食べる?」と一緒に考えるスタンスをとってみるのはいかがでしょうか。
そしてもう一つは、うまくできなくても絶対にけなさないこと。食事を楽しむ姿勢を見守っていきましょう。
これは勉強でも同じで、「むやみに劣等感を植え付けないこと」が大きな成長をとげる秘訣です。大切なのは、子ども自身が「上手に使えるようになりたい」という精神が宿ることです。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
先日、レストランで子どもと一緒に食事をしていたときに、隣のテーブルの方に突然話しかけられました。それは、「お子さんのナイフとフォークの使い方がとっても上手ですけど、どうやって教えたのですか?」というご質問でした。
「子どもの食べ方が汚くてついつい怒ってしまう」「お箸の持ち方がずっとヘン」などなど……そんなお悩みを持っている人は少なくないはずです。
私は、小学2年生のわんぱく男児を育てる母親。息子は生まれつきの左利きで、いろいろと苦労が多かったものの、お箸やナイフとフォークの使いこなしに関してはおほめいただくことが多いのです。
上手になった秘訣は決して難しくありませんが、“あるポイント”にありました。今回は子どもの食べ方・作法を無理なくマスターするコツについてご紹介していくことにしましょう。
子どもの砂場遊びが、自信のきっかけに
結論から申し上げると、私が心得として意識したことはたった一つ。「上手に食べられるようになりたい!」という子ども本人のやる気を引き出すことです。
食事マナーや食べ方をしつけとして施したことは一度もありません。子どもが成長したときに、どんな場でも誰とでも食事を楽しめるようになってほしいという願いはあったので、そのために子ども本人の力をどう磨いていくかを考えていました。
そしてある日、お箸の持ち方やフォーク、スプーンの持ち方を練習しているときに、ふと気がついたのです。それは、フォーク、スプーン、ナイフを使うことは、砂場遊びでスコップやクマデを使って遊ぶことの延長なのではないということ。
毎日のように真剣に遊んでいる姿を見て、私は息子に提案をしてみたのです。「砂場遊びが上手なんだから、お箸もフォークも得意になりそうだな! やってみる?」。
そのときの息子のやる気にみなぎった表情は、今でも鮮明に覚えています。
やらないように意識したことは、2つだけ
やる気スイッチが入ったところで、次は何をすればいいかという話に移りましょう。
これをやるべき的な課題は何もありませんが、“やると逆効果なこと”を確認していきたいと思います。
まず、お箸やカトラリーを最初から使いこなせる子どもはいません。子どもたちにとっては「手」を使って遊ぶ、創作することが日常で、自然な動きとして「手」で食べようとする場面に出くわすでしょう。
そのときに、「手はダメ! やめなさい!」と厳しくしかりつけるのは控えたいところ。最近のフレンチ専門店では手で食べるようなメニューも出てきていますし、ハンバーガーのように手で食べることに本能的なおいしさを感じることもあります。
「手で食べる=お行儀が悪い」というレッテルを貼る前に「その食べ物はなんだろうね? おいしそうだね!どうやって食べる?」と一緒に考えるスタンスをとってみるのはいかがでしょうか。
そしてもう一つは、うまくできなくても絶対にけなさないこと。食事を楽しむ姿勢を見守っていきましょう。
これは勉強でも同じで、「むやみに劣等感を植え付けないこと」が大きな成長をとげる秘訣です。大切なのは、子ども自身が「上手に使えるようになりたい」という精神が宿ることです。
練習に執着するより、効果的なこととは?
最後に、私が多くの子どもを見てきて確信をした“効果的な上達方法”をちょっぴりご紹介します。
お箸やフォークの練習ばかりに執着してしまうと、子どもは窮屈に感じるときがやってきます。その理由は、親が期待する成長スピードと子どもの上達スピードにはギャップがあるからです。
そこでオススメしたいのは「できるようになるまで何度も繰り返しやりなさい!」と言うよりも、お家で料理の手伝いをしてもらうことです。
つまり、食材に接する機会を増やし、食べ物を扱うことに慣れていくというもの。ごはんをよそう、ゴマすりをする、ジャガイモをつぶす、副菜を和えるなど、年齢や成長に合わせてさまざまなことがお願いできると思います。
そこで我が家では、子どもが使いやすいように工夫された子ども専用のキッチン用品を揃えています。どんなに高級なものをそろえても、塾や習い事をするよりも経費はかかりませんから、信頼感のあるメーカー製のものや口コミ評価の高いものを選ぶ方が賢明です。
ここまでは、実際の練習までの心得を中心にお話してきました。後編では実践編として「みるみる上達!箸やカトラリーの練習方法の極意」をお届けしたいと思います。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)






