2022年12~2023年2月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「婚活」ジャンルの人気記事です。(初公開日は12月31日 記事は取材時の状況)
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恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきた筆者ですが、かつては髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の「もったいないところ」をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
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「33歳男性が軽自動車ってダサくないですか?」
ここ数年でオンラインの相談も増え、今は相談者の半分以上は首都圏以外の方です。今回ご紹介する舞さん(仮名/32歳・実家暮らし・事務職)も、茨城県在住。

写真はイメージです(以下同じ)
しかし、コロナ禍で友達と会う機会も減り、マッチングアプリを使って恋活をはじめ2年経過。その中で、歳を重ねるほどに会える男性の質が下がってきていると感じたらしく、「これ以上の長期化は避けたい」と私のところへ相談に来たのでした。
男性も女性も“いい人”はどんどん結婚していきます。質が下がるとは具体的にどういうことなのか聞いてみました。
「会っている人が2人いるんです。一人は普通の人ですが会う日がなかなか決まりません。他の女性とも会っているのかなって感じます。もう一人とは、この前一緒に大洗(おおあらい※太平洋に面した茨城県のエリア)に行ったんです。それで車を出してくれたんですが、ムーブだったんです」
ん? ムーブって車種でしたよね?
「それが何か問題ですか?」
「33歳男性なのに軽自動車ですよ。ダサくないですか? 軽自動車でもジムニーとかならアウトドア好きなのかなって思いますけど」
軽自動車の助手席に乗るのが「恥ずかしい」
別に、価値観は人それぞれです。軽自動車をダサいと思うのだって自由。舞さんが特別、車が好きでこだわりがあり、同じように車の趣味がある人と付き合いたいのなら、車好きに絞って相手探しをするのもありです。
でも聞けば、車が特別に好きなわけではないそうです。しかも舞さん自身もかわいいという理由で、ラパンという軽自動車に乗っています。
「20代の時に付き合っていた彼氏の車はプリウスでした。東京の人は分からないかもしれませんが、ムーブってコスパがいいから選ぶイメージがあって、中高年が運転する車って感じです」
「乗っている車の値段が下がると、男性の質も下がるということですか? 車をコスパで選ぶことのどこに問題があるのでしょうか? 堅実な男性ではないのですか?」
「そういうつもりはないんですけど、茨城は東京と違ってデートスポットも限られているんです。イオンモールとか道の駅とか。だから、デート中に知り合いに会う可能性も高いんです。
ムーブの助手席に乗っているのを、友達に見られたら恥ずかしい」
当たり前のように語る舞さんに、私は質問してみました。
「もし、舞さんがイオンでお友達が彼氏と軽自動車で来ているのを見たらどう思うんですか?」
「別に私は友達の彼氏の車はなんでも気にしません。でも、軽自動車だからって気にする人もいるのかなぁぐらいです」
舞さんは友達目線を気にしているけれど、そもそも直接友達から何か言われたことがあるわけではないそう。
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「男なのに軽自動車はダサい」という価値観の方が古風
読者の中には舞さんが見栄っ張りで、男性は自分を輝かせるアクセサリーのようなものと思っている女性だと感じる方もいるかもしれません。ですが実際の舞さんは、わりと謙虚で、目立ちたがり屋でもなく、派手な友達が多いわけでも、見栄っ張りでもないのです。

「よく考えたら私、友達というか、家族に見られたらっていうのを気にしているのかもしれません。父が車好きなんです。駐車場で他人の車を見て『かっこいい』とか『軽自動車はダサい』とか、よく言ってました。それでいつか彼氏を親に紹介することを考えたら、軽自動車だと何か言われそうって思っていた気がします」
「お父さんの世代なら若いころ車にお金をかける男性が多かったと思いますが、今はそんな男性かなりレアです。お父さんの価値観に左右されないようにしたいですよね」
博報堂生活総研が行っている「生活定点1992-2022」という調査によると、車にお金をかけている男性の割合は30年前と比べてかなり減っています。1992年は20代男性の36.4%、30代男性の26.3%が「現在、何にお金をかけていますか?」という質問に「車」と回答していますが、2022年に同じ回答をした人は、20代男性で9.7%、30代男性で15.3%しかいません。

「現在、何にお金をかけていますか?」という質問に「車」と回答した人の割合(単位:%)※出典:博報堂生活総合研究所「生活定点1992-2022」
「男なのに軽自動車はダサい」と思う女性がいるのなら、その価値観の方が古風なのです。舞さんに限らず、実家暮らし女性にはこういう親世代の価値観の影響を大きく受けている女性が多い印象です。
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自分は同じ生活の繰り返しなのに、男性にだけ“大人”を期待
「軽自動車の件は気にせず、今の相手としばらく会ってみます」と言ってくれたものの、舞さんはそれ以外にも男性の“質”に不満がある様子。
「男って、女の年齢ばっかり見るんですよね」
「そういう方もいるとは思うけど、30代でも素敵な男性と出会える女性はいますよ。舞さんは自分が20代のころと比べて、何か変化はないのでしょうか? 昇進したとか、今後を考えて転職してみたとか、一人暮らししてみたとか」
「新卒からずっと同じ会社にいます。事務職なので昇進とかは特に。女性も一人暮らしをした方がいいんですか?」
「そりゃ30代だから、一人暮らしの経験が一度もないよりはあった方がいいですよ。30代になると、女性も年収が高い方が出会いやすいんです。例えば看護師とか薬剤師とか、医療系国家資格を持っている高収入の30代女性って、年収が高い男性からの申込も多いですよ」
舞さんには、同じ30代女性の中での立ち位置についてお伝えする必要がありそうです。
「20代から忙しく働いてしっかりキャリア形成している女性とか、転職して新しい職場にも慣れたころ30代で婚活を始める女性もいますよね。そんなふうに“独身でいた事情”が分かりやすい自立している30代女性と、20代から同じ生活を繰り返して30代になった女性と、舞さんが男性ならどっちを結婚相手に選びます?」
「そりゃ、自立している30代女性ですよね。別に女だし、実家にいてもいいと思っていました。親も何も言わないし」
「30代なら親のせいにしないの。出会える人って、結局は今の自分と釣り合う人なんですよ。今のご縁を大事にしてもいいし、会える男性の質をもっと上げたいなら、まず自分が大人になろう」
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いつまでも女子気分でいる自分に気づいて
男性にだけ“30代なのだから”とあれこれ注文をつけるわりに、自分はいつまでも女子気分でいる女性は多いです。
舞さんの同級生でも一人暮らしをしているような人は首都圏で働いていて、今も親しい独身の友達はみな実家暮らしなのだそう。決して実家暮らし自体を否定するわけではないですが、似たような境遇の人と群れていれば、自分を「普通」と思い込みたくなるでしょう。
マッチングアプリの中では男性たちから、20代女性や自立した30代女性ともシビアに比較されているのです。その中で会える男性となると、舞さんの「幼さ」をさほど気にしない男性だけになるでしょう。舞さんはこの機会に、年相応の自立について考えたほうがよさそうです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
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<取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
(エディタ(Editor):dutyadmin)