「夫とはいつも喧嘩ばかりで、そろそろ別れたい……」
夫との関係が上手くいかず、離婚を考える女性は多いもの。
ただ年を重ね、更年期を迎える、または体力が落ちたりすると「喧嘩するのも面倒」と感じ出す女性も少なくないようです。
今回紹介する良子さん(仮名・60代)は、若い頃から夫との口論が絶えなかったそう。しかし、更年期を過ぎてから、不思議と夫婦仲が落ち着いてきた、むしろ仲良くなったそうです。
20~30代は育児ノイローゼで
愛知県在住、専業主婦の良子さん(60代)は、25歳の時に2歳年下の夫と結婚。27歳と30歳で長女を出産しました。
結婚当初は、夫のことを年下で「かわいい!」と感じていたそうなのですが、結婚してみると仕事が終わっても職場同僚と飲み歩いてばかり、家事・育児には非協力的でイライラが募ったそうです。
休日も「掃除くらいしてよ」と言っても、「普段疲れているのに、何でそんなこと言われなきゃいけないんだ」と言い返すので、いつも口論が絶えなかったのだとか。転勤族で頼る親族も近くにいなかったため、良子さんは次第に育児ノイローゼになっていったと言います。
夫婦仲の危機、会話も減っていった
そんな口喧嘩の末、次第に夫婦仲も悪くなり、家では口をきく機会もすっかり減ってしまったと言う良子さん。
「食卓でご飯を囲んでも、夫は私と話すのを面倒だと感じて、そそくさとご飯を食べて、自分の部屋に戻る始末。当然、子どもたちにも話しかけようとはしません。そんな夫の姿を見ていくうちに、離婚という文字もよぎりました」
40代を過ぎて、更年期になってから気持ちに変化が
しかし、良子さんの気持ちに変化があったのは、40代後半を過ぎてから。
更年期が始まり、ホルモンのバランスを崩し、めまい、肩こり、関節の痛みなどを発症するようになったそう。
「更年期になって体調不良になれば、よりイライラが募るのではないかと思っていました。しかし、実際更年期になってみると喧嘩する気力もなくなり、夫に怒りの感情を持つことすら面倒になったんです」
そもそも良子さんは専業主婦。夫は大手企業の管理職で、年収1000万円以上。自分の体力が落ちたことで、「夫がいないと、ますます自分自身が困るのでは」と悟り、この生活を割り切ろうと決意したのだとか。
それからは夫婦の会話がなくても「仕方ない」と認識して、むしろ会話がないなら夫に期待するのではなく、今の生活の中から楽しみ方を考えればいいのではないか。
そのように考え方を切り替えてから、夫との生活もそう嫌ではなくなったそうです。
お互いにちょうどいい距離感で過ごせるように
それから時を経て60代の良子さん。
現在も、夫との会話は必要最低限。「ご飯できたわよ」、「お風呂湧いたから、入って」くらいとのこと。それでも、夫婦生活を割り切っていれば、それが「普通」と感じるようになり、苦にならなくなったと言います。
良子さんは今、すでに家を出た長女・長男の孫の顔を見るのが楽しみで仕方ないのだとか。
「長女、長男もすでに結婚して家を出ていますが、近くに住んでくれていて。私たち夫婦のことが心配みたいで、時折顔を出してくれるんです。
今は、孫をつれて時々顔を出してくれます。もうそれだけで、生きている意味があると感じるようになりました。」
元気だった頃、良子さんは夫に「もしかしたら、訴え続けていれば家事育児を手伝ってくれるのでは」と、どこか期待していた一面もあったそう。
でも、体調不良になったころに期待する意欲をなくしたことで、かえって関係を「割り切る」ことができたそうです。
今では「夫と喧嘩をすると疲れるから、必要最低限しか話さない」とルールを決めて、心穏やかに過ごしているのだとか。
「夫婦関係を長く継続していくには、時には「諦め」「悟り」「割り切り」も重要なのかもしれません」と良子さんは教えてくれました。
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<文/みくまゆたん>
みくまゆたん
フリーライター兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛、婚活、占いコラムなどを執筆中。
Twitter:@mikumayutan
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(エディタ(Editor):dutyadmin)
