ソロキャンプが趣味、という方も少なくない今日この頃。キャンプでの楽しみはさまざまですが、「焚き火」もその中のひとつ。今回はそんなソロキャンプ中に起こった衝撃的な出来事をご紹介します。
シーズンオフのキャンプ

会社員の佐藤正人(仮名・35歳)さんは、ソロキャンプが趣味でした。数年前のこと、夏休みが終わったシーズンオフに休暇を取り、ソロキャンプに出かけて行ったと言います。
「結構休みに自由が効く仕事なので、夏休みと時期をずらして休暇をもらいました。人混みは苦手なので、人が少ない時期にソロキャンプを満喫したかったんです」
正人さんがキャンプに選んだ場所は、海岸が目と鼻の先にある地方のキャンプ場でした。そこは都会から離れた田舎な上に、夏休み後なのも相まって、人が全然いなかったんだとか。
海辺で焚き火をしていると…

人がいない貸切の浜辺を満喫して、解放的な気分で焚き火をしていた正人さん。するとそこに、遠くから浜辺を歩いてくる男性らしき姿が見えたと言います。
「浜辺に沿って遠くから人が歩いてくるのが見えました。軽装だったので、地元の人かなと思いました」
近づいて来た男性と目が合い、軽い会釈をかわしました。すると「ちょっと当たってもいいですか?」と、その男性の方から話しかけてきたとのこと。
「人の良さそうな雰囲気の男性で、断る理由もなく、『どうぞどうぞ』と答えました」
地元の人ではない男性

ちょうど日が暮れて、少し肌寒くなってきていました。男性は「さすがに夕方は冷えますね」と話しかけてきました。
「話しやすい雰囲気の方で、何気ない会話が始まりました。『ご近所に住んでらっしゃるんですか?』と聞いたのですが『いえいえ、私は遠方からちょっと来ているんです』と言っていました」
旅行という感じでもなさそうだと思った正人さんは「お仕事ですか?」と聞きました。ですか「そういう訳でもないんですよ…」と言ったきり、男性は話題を変えてきました。
「何か話したくない理由があるのかな…と思い、それ以上深掘りしませんでした」
話が弾み夜明けまで…
男性は聞き上手で、正人さんはソロキャンプが趣味なことや、今まで行ったお気に入りの旅行先のことなどを話しました。
「せっかくなので、持ってきていたビールやおつまみを振る舞って、結構話が盛り上がりました。なぜか学生時代の恋愛の話なんかもしたりしました」
おしゃべりが弾み、気がつくと夜が明け始めていたんだとか。
「海岸の空が明るくなり始めて『じゃあ、私はそろそろ行きますね』と男性と別れました。『こういう一期一会は旅の醍醐味(だいごみ)だな~』なんて思いながら眠りにつきました」
衝撃の事実が発覚

ひと夏の楽しい思い出と共に、キャンプから帰って来た正人さん。それから2、3週間ほどして朝に何気なくニュースを見ていると、見覚えのある顔が。
「キャンプで出会った男性がニュースに出ていたんです。その時聞いた名前とは違いましたが、顔は絶対にあの人でした!」
その男性は、なんと殺人事件の容疑者としてニュースに写っていたとのこと。
「数ヶ月間逃走していた事件の容疑者が逮捕されたという内容でした。驚きのあまりニュースにかぶりついてしまい、その日は仕事に遅れました」
よくよくその男性を思い出すと、少しくたびれた身なりだったことや、「ちょっとお腹が空いていたんです」とおつまみをやけにパクパク食べていたこと、自分の身元はぼやかして話していたことなど、色々と合点がいくのでした。
「あの焚き火の時は逃走中だったようでした。とても悪い人には見えなかったので…、なんで事件を起こしてしまったんだろうと、ちょっと切なく、複雑な気持ちになりました」
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<文/まなたろう>
まなたろう
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
(エディタ(Editor):dutyadmin)