結局“小太り”が最も健康だった…肥満は痩せ型より「7年寿命が長い」意外な理由 « ビュー

時刻(time):2023-08-31 18:48源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
最近は、60代でも目をみはるようにおしゃれな方や若々しい方がたくさんいます。周囲にそんな60代が多い人ほど、「いつまでもすらりとしているとかっこいいな」と思い、ダイエットに力を入れる傾向があるようです。 しかし、「60代以降はダイエットをしないほうが若々しくいられます」と語るのは、高齢者専門の精神科医の和田秀樹先生です。 『80歳の壁』や『60歳から
 最近は、60代でも目をみはるようにおしゃれな方や若々しい方がたくさんいます。周囲にそんな60代が多い人ほど、「いつまでもすらりとしているとかっこいいな」と思い、ダイエットに力を入れる傾向があるようです。

 しかし、「60代以降はダイエットをしないほうが若々しくいられます」と語るのは、高齢者専門の精神科医の和田秀樹先生です。

『80歳の壁』や『60歳からはやりたい放題』などのベストセラーを持つ和田先生に、年取ってからこそ、若作りをしたほうがよい理由を教えてもらいました。

(本記事は『60歳からはやりたい放題[実践編]』(和田秀樹著)より抜粋・構成しています)








ダイエットをせず小太りこそが健康


60歳からはやりたい放題[実践編]

※画像はイメージです(以下同)

 年を取るにつれて、代謝が落ちて、脂肪がつき、コレステロールが増えるのは当たり前のことです。

 糖尿病などの病気の影響で食事制限をしなければならないわけではないならば、60代以降はダイエットをしないほうが若々しくいられます。

 事実、ちょっと小太りぐらいで、食べたいものを食べ、やりたいことをやっている人のほうが健康だというデータもあります。

 東京都小金井市の70歳の人を対象にして、10年間かけて総コレステロール値と生存率の関連性を調べた調査では、総コレステロール値が高い人が男女ともに最も長生きするという結果が出ました。

 具体的な数値としては、男性は総コレステロール値が190~219mg/dl、女性は220~249mg/dlです。

 しかし、日本の健康診断で異常なしとされる数値は、140~199mg/dlです。大幅な数値の違いがあることが分かりますし、これは「低コレステロールのほうが健康である」という一般常識を大きく覆すものです。





最も寿命が長かったのは、「肥満(1度)」の人々


60歳からはやりたい放題[実践編]
 もう一つ、小太りのほうが健康であるというデータがあります。

 みなさんはBMIという指標をご存じでしょうか。これは、「ボディマス指数」と呼ばれ、「体重(㎏)÷身長(m)を二乗した数字」として、算出されます。

 厚生労働省や日本肥満学会によれば、BMIは18.5以上25未満が基準値とされており、25以上の人は「肥満」として定義づけられています。

 ただ、厚生労働省の研究班が40歳の人の平均余命を調べた研究では、肥満に分類される人が最も寿命が長いという結果に。最も寿命が長かったのは、BMIが25~30未満の「肥満(1度)」の人々でした。

 一方で、こちらも最も寿命が短かったのはBMI18.5以下の「痩せ」に分類される人だったのです。なんと7年くらい寿命が長かったのです。

 これらのデータを見ても、男女ともにちょっと太めな人のほうが長生きするということが分かります。












小太りな人は見た目もはつらつとしている


60歳からはやりたい放題[実践編]
 60代以降は小太りでいるほうが、実は美容的にも良い側面があります。

 若いときはすらりと痩せている人はきれいに見えますが、年を取ってから痩せると、スタイルは良くとも肌にはシワが増えるし、見た目が年齢よりも老けて見えます。

 反対に、小太りな人は見た目もはつらつとしていて、シワが目立ちにくく、肌もきれいです。

 食べたいものを過度に我慢せず、精神的にものびのびしているせいか、性格も穏やかでギスギスしていない人が多いのです。






無理なダイエットより「痩せている自分」を手放す


60歳からはやりたい放題[実践編]
 私自身、高齢者施設などで患者さんと接する際、いつでも明るく、周囲の人からも好かれているのは小太りな人のほうが多いと感じます。

 もちろん持病や体質で太れないという人は別ですが、いま現時点で少し太っている人は、おそらく食べることが楽しみの一つなのだと思います。

 無理なダイエットよりは、「痩せている自分」を手放すことが肝心です。

 そして、食を諦めず、いま目の前にある人生を楽しむことに集中したほうが、きっと精神的にも身体的にも豊かな人生を送れると私は思います。

<和田秀樹 構成/ビューティーガール編集部>
和田秀樹
1960年、大阪府生まれ。立命館大学生命科学部特任教授。東京大学医学部卒業。精神科医。 東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、ルネクリニック東京院院長 。 高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。 ベストセラー『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)など著書多数。




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