「夏になるとなんとなくだるい」という方、実は自律神経の乱れによる夏バテかもしれません。今回は、生活習慣と食事、漢方薬による夏バテ予防方法を、あんしん漢方薬剤師・薬膳アドバイザーの山形ゆかりさんに伺いました。
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夏バテが起こる仕組み

自律神経の働き自律神経は体温調節や消化など、生命維持に必要な機能を無意識に調整しており、交感神経と副交感神経の2つで構成されています。交感神経はアクティブを、副交感神経はリラックスを司り、そのバランスを保つことでからだに対して正常な働きを示します。
夏に自律神経が乱れる理由夏の自律神経の乱れには、屋内と屋外の気温差が大きくなることが一因にあげられます。屋外では体温を下げるために副交感神経が、屋内では体温を上げるために交感神経が働きます。これらの神経の頻繁な切り替えにより自律神経が消耗されることで、バランスが乱れてしまうのです。
さらに、夏の強い紫外線は体内で活性酸素を発生させ、神経細胞に酸化ストレスを与えることで、自律神経の正常な働きを乱す可能性があります。
自律神経の乱れと夏バテの関係?自律神経が乱れると、胃腸の機能や睡眠の質にも影響が及び、消化不良や食欲不振があらわれたり、十分な睡眠をとっても疲労感が残ったりすることも。これらの不調が重なり合うことで、夏バテを引き起こす可能性があるのです。
夏バテのセルフチェック

☐ 食欲があまりない
☐ だるさを感じる
☐ 寝不足が続いている
☐ 日中、冷房が効いた屋内に長くいる
☐ 日中、屋外にいることが多い
☐ 運動をする機会が少ない(週1回以下)
☐ ストレスが増えた
2つ以上該当する場合、要注意です。生活習慣の見直しに取り組みましょう。
夏バテを予防する3つの方法

38℃前後のぬるめのお湯に浸かることで、副交感神経が活性化しリラックスできます。
また、エアコンは外気温との差が5度程度になるように設定し外気温との差を小さくして、自律神経の負担を軽減しましょう。ただし、猛暑日は屋内を涼しく保ち、熱中症の防止を優先させてください。
屋外に出るときは、帽子や日傘などを使って紫外線対策も忘れずに行いましょう。
2.夏バテ予防におすすめの食材を食べる夏バテによる消化不良や食欲不振、だるさなどの症状が気になる場合は、日々の食事を見直してみましょう。おすすめの食材とレシピをご紹介します。
■夏バテ解消におすすめの5つの食材
①なす
からだの余分な熱を冷ましたり、食欲不振や胃もたれに効果があったりします。また、紫外線などで発生した活性酸素を除去するポリフェノールの一種が皮に多く含まれるため、皮ごと食べるのが◎。
②うなぎ
滋養強壮効果が期待できます。消化に時間がかかるので、消化不良を解消する効果があるといわれる山椒などと一緒に食べましょう。
③おくら
からだの熱を冷まし、ねばねば成分が胃粘膜を保護したり、消化を促進したりします。
④すいか
からだの熱を冷まし、喉の渇きを潤します。胃腸が弱い方は下痢や軟便を引き起こす可能性があるため、過食には注意してください。
⑤きゅうり
からだの熱を冷まし、余分な水分を排出します。炒め物やスープに入れると利尿作用が高まり、むくみの解消効果も。
簡単おいしい夏バテ防止レシピ「スタミナうなぎつけそうめん」
材料(2人分)
・うなぎの蒲焼・・・1枚・そうめん・・・2束
・めんつゆ(ストレート)・・・400ml
・きゅうり・・・1/2本
・みょうが・・・1本
・にんにく・・・1片
・黒酢・・・大さじ1
・刻みねぎ ・・・適量
・山椒・・・適量
作り方
1) うなぎの蒲焼は1cm幅程度の食べやすい大きさにし、600Wの電子レンジで約3分間温める。2) にんにくはみじん切りに、きゅうりとみょうがは千切りにする。
3) めんつゆに、黒酢と(2)のにんにくを入れ、600Wの電子レンジで約3分間温める。
4) そうめんをパッケージの表示通りに茹で、ザルに上げて水洗いし氷水で冷やす。
5) (4)を皿に盛り、器に(3)、具材として、(1)、(2)のきゅうり・みょうが、お好みで刻みねぎと山椒を添えて出来上がり。
小鉢になすの浅漬けやおくらのサラダ、デザートにすいかを添えれば、夏バテ防止のスペシャルメニューの完成です! 是非、試してみてくださいね。 3.夏バテ予防におすすめの漢方薬をのむ生活習慣や食事で夏バテの症状が緩和できない場合は、体質改善を得意とする漢方薬をのむのもひとつの手段です。
夏バテは、室内外の温度差やストレスによる自律神経の乱れ、胃腸の働きの低下による栄養不足、多汗による脱水などが原因と考えられます。
夏バテの予防には、
・胃腸の機能を回復する
・血液循環をよくして自律神経の乱れを整える
・睡眠の質を上げ、心身の疲労を軽減する
といった働きのある生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。
夏バテ対策におすすめな漢方薬・清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏バテや熱中症の代表的な漢方薬です。暑さで弱った胃腸を元気にし、からだの熱を冷まします。エネルギーを補うため、夏の暑さによる体力低下、全身倦怠に効果があります。
・柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
血液循環やエネルギーの流れを整え、自律神経を安定させる働きがあり、イライラや抑うつ、不眠などに働きかけます。
漢方薬の選択や服用については、専門知識を持つ医師や薬剤師に必ず相談しましょう。
適切な予防法で快適な夏を過ごそう

<参考文献>
(※1)一般社団法人 家の光協会『マンガがでわかる はじめての和食薬膳 武 鈴子(著)』
(※2)京都産業大学「夏もゲンキに過ごす方法」
https://www.kyoto-su.ac.jp/about/torikumi/r_support/lpom47000000f7xp-att/DiversityCounsel05.pdf
writer / Sheage編集部
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