ポツポツ目立つ開き毛穴やザラザラした黒ずみ毛穴、老け見えするたるみ毛穴を防ぐにはどのようなことに気をつけたらいいでしょうか？ 皮膚科専門医の亀山孝一郎先生に教えていただきました。
毛穴トラブルには種類があるって本当？
夏になって鼻やそのまわりのポツポツした毛穴やにきびが目立つようになりました。毛穴トラブルには種類があるって本当ですか？
「はい。毛穴トラブルにはさまざまな種類と要因がありますが、主な毛穴トラブルは次の3タイプです」（亀山先生）
開き毛穴
皮脂の排出もスムーズで、たるみもなく、ただ毛穴が大きくなってしまった状態。特に10代〜20代は、ストレスや急激に増える男性ホルモンにより、単純に毛穴が開いてくることも。
黒ずみ毛穴
20代後半〜30代に多く見られる、イチゴのように黒い点々が目立つ毛穴。毛穴に皮脂とメイク汚れなどが混ざって詰まり、時間とともに酸化して黒くなる。
たるみ毛穴
40代に多く見られる、縦に長く、肌を引っ張ると薄く消えたように見える毛穴。主な原因は加齢で、コラーゲンやエラスチンが不足していると考えられる。
私のタイプは黒ずみ毛穴かな。どんなケアをすればいいですか？
「今3種類の毛穴トラブルを紹介しましたが、すべてのタイプに共通して気をつけること、毛穴治療の根本は、皮脂分泌を抑えることです！」（亀山先生）
毎日しっかりスキンケアをしていても毛穴トラブルが発生してしまう…という人は、お手入れ以外のことが原因で、皮脂が過剰に分泌されているのかもしれません。トラブルの原因を知って、毛穴の目立たない“なめらか美肌”を育てましょう！
チョコ、ケーキ、アイスは毛穴の大敵！？
皮脂分泌を抑えるには、毎日しっかり洗顔をすればいいですか？
「洗顔ももちろん大切ですが、まずは食生活を改善することや、ストレスを減らす工夫をしっかりすることですね」（亀山先生）
食生活！？ チョコレートやケーキ、アイスクリームといったものを毎日食べないと気が済まないのですが、これもダメですか？
「チョコレートはいちばんダメ！ 毎日食べてしまうのは、ストレスで皮脂分泌が増えていて、その燃料がほしくてしょうがない…という状態ですね」（亀山先生）
チョコレート、ケーキ、アイスクリームなど、高糖質・高脂質の食べものは、過剰な皮脂分泌に繋がるため毛穴にとって大敵！ どうしても甘いものがほしいというときは、和菓子あるいはダークチョコレートを食べるようにして、糖質や脂質を控えましょう。
ストレスで毛穴トラブルが起こる！？
ストレスで皮脂分泌が増えるのはどうしてですか？
「私たちの肌は自律神経でコントロールされているため、家でのんびりしているときは肌の血流がすごく多いんですよ。肌の代謝も非常に盛んで、しっかりした厚い角層がつくられるんです」（亀山先生）
角層はラップのように皮膚の表面を覆っていますから、角層がしっかりしていれば、同じくラップのように皮膚の表面を覆ってバリア機能を高める皮脂が増える必要はありません。つまり、リラックスしているときは皮脂は過剰に分泌されないのです。
一方、仕事や勉強中など緊張しているときは、目や脳、筋肉などの働く臓器に血液が集中して肌に流れる血液が減るため、肌の代謝は落ち、コラーゲンが減少し、角層が薄くなることに…。
「角層が薄くなって肌のバリア機能が落ちると、肌内部の水分がどんどん飛んでいってしまいますよね？ すると、肌は一生懸命皮脂を分泌し、皮脂膜をつくることで肌を乾燥や外的刺激から守ろうとするのです」（亀山先生）
だから、ストレスが溜まると毛穴トラブルが起きるんですね！ にきびができる原因のひとつが肌の乾燥だといわれているのも納得です。
また、絶対NGなのは喫煙。タバコは1本吸うと末梢血管を2時間引き締めるといわれているため、たとえ家でくつろぎながら吸っていても、肌への血流は止まってしまいます。ストレスを減らす工夫をして皮脂分泌を抑え、毛穴トラブルを防ぎましょう！
＼教えてくれたのは／ 皮膚科専門医 亀山孝一郎先生
文／清瀧流美
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