年齢とともに蓄積される、お腹の脂肪。美ボディの最大ポイント、お腹を制すればダイエットは半分成功したのと同じこと。『1日1分!座ったままでOK!ズルい腹筋』(あさ出版)は、1分でお腹を味方につける攻略本です。
著者で筋活アドバイザーの星野光一氏は、鍼灸師・整体師のキャリアが29年。その知識と臨床経験を活かして、オリジナルメソッドの「ズルい腹筋」を開発しました。
「2~3ヶ月でマイナス10cmのウエストを手に入れることだってできる」と本書。実際に40代でウエストがマイナス8cm、50代でウエストがマイナス13cmを達成した人もいるのです。秘訣は今までの常識を覆した、独自の呼吸法にありました。
お腹に贅肉がつきやすいのはなぜ?
もしかして太った? と感じるのは、たいていお腹がもったりしてきてから。ヤバい、とショックを受けるのも、パンツやスカートがパツパツになった瞬間です。
でもなぜお腹には贅肉(ぜいにく)がつきやすいのでしょうか。本書によるこたえは、「お腹だけが『骨』によって守られていないから」。骨がないために、お腹は腹筋で内臓を守るしかないというのです。さらに腹筋がないと、「腹筋の代わりに『仕方なく』、脂肪で内臓を守るしかない」という状態に。
ご存知のとおり、冷えは女性にとって大敵。子宮や他の内臓をあたためるべく、どうしても男性より脂肪がつきやすくなります。
そこで、腹筋をつけるのが、内臓を守り、スタイルと代謝を底上げする近道なのです。
カンタンな腹筋運動=「ズルい腹筋」の効果
ここで思わず「ズルい」と言ってしまうほどカンタンな運動(以下、「ズルい腹筋」)で腹筋をきたえるメリットを6つ、本書からまとめてみました。
1. 体幹の筋力が強化される
キレイなお腹まわりをつくるためには、お腹以外の「腰」や「背中」もシェイプしないと意味がありません。「ズルい腹筋」は「背中から腰、胸からお腹の筋肉」にアプローチ。結果、体幹の筋力が鍛えられます。
2. 猫背が改善される
「ズルい腹筋」は「腕を上げて背筋を伸ばして大きく息を吸う」といった動きをします。続ければ猫背の改善が望めるのです。
3. 肩こりや腰痛が軽減される
「肩甲骨を動かして可動域を大きく広げる」。これも「ズルい腹筋」の特徴的な動きです。首や肩まわりの血行が促進され、肩こりが根本的に解消されていきます。
4. やせやすい体になる
基礎代謝を上げるポイントは、「筋肉量を増やす」「柔軟性を上げる」「深い呼吸をする」。すべてを満たしているのが「ズルい腹筋」です。
5. 呼吸筋が鍛えられる
「ズルい腹筋」で、「呼吸に使われる腹筋、胸部・背部の筋肉や横隔膜等」が鍛えられます。呼吸筋が鍛えられると、疲れにくくなり自律神経も整います。
6. 血流がよくなる
「ズルい腹筋」によって、「肩甲骨やお腹の筋肉が動き、上半身の筋肉がほぐれる」ので、血液が全身に巡るようになります。
座ったまま、動画を見ながら、読書をしながら、仕事や家事の合間にも、場所も時間も選ばず、6つの健康効果が1日1分で叶うのです。超最速で、史上最強の自分を目指したくなりました。
ちょっと変わった呼吸法
本書がおすすめする腹筋運動「ズルい腹筋」のポイントは呼吸法。「T・F・M(体幹風船メソッド)呼吸」は、「息を吸いながらお腹(風船)をへこませ、息を吐きながらお腹(風船)をふくらませる」という、一般的な腹式呼吸とは逆のやり方です。
私もやってみましたが、正直戸惑いました。しかし何回か練習するうちにコツがつかめてきます。焦らず、じっくりと深い呼吸を繰り返すことで、体もあたたまってきますよ。
「ズルい腹筋」のやり方
「T・F・M(体幹風船メソッド)呼吸」をマスターしたら、さっそく「ズルい腹筋」にチャレンジしましょう。用意するのはイスのみ。「座った時に股関節とひざの角度が90度になる高さがベスト」と本書。両足をそろえて座って背筋を伸ばしたら、準備完了です。
☆基本のズルい腹筋
(1→2を計6回、行います)
1. 鼻から息を吸ってお腹を思い切りへこませながら、両腕を上に伸ばし、頭の上で手のひらを合わせます。お腹は目いっぱいへこませましょう。
※背中から腰にかけて力が入っている感覚があればOK!
※両腕で頭を強く挟みます
※腕は耳より少し後ろに
2. 頬とお腹をふくらませて口から息を5秒吐きながら、上げた両手を胸の前までゆっくり下ろします。お腹は目いっぱいふくらませましょう。
※胸から両脇にかけて力が入っている感覚があればOK!
※手のひらを合わせるのがむずかしい人は、手を組んでもOK
※頬を思いっきり、ふくらませながら息を吐きます
※ひじは90度に!腕は床と平行に。ひじが下がらないように注意しましょう
※両手のひらをできるだけ全力で強く押し合います
チャレンジしたら上半身があたたまった
もちろん私もやってみました。全体的にはむずかしくはないのですが、呼吸と連動させるのを意識したほうがいいと思います。
気がついたら上半身がほどよくあたたまり、可動域が広がっているのを感じました。かなり濃密な1分でしたが、疲れはなく、むしろ頭がスッキリ冴えたようです。
本書には「基本のズルい腹筋」の他、「ぽっこりお腹解消」「うきわ肉解消」など、悩みにアプローチしたズルい腹筋が6種類も掲載。
「自分の体を好きでいる人生、そうでない人生、あなたはどちらを選びますか?」という本書の問いに、つい自分のお腹を押さえてしまった私。
自分の体を好きになれば、きっともっと自分の人生を好きになるのではないでしょうか。あなたの人生、お腹とともにランクアップしていきませんか。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
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