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老舗旅館で感じた“イヤな視線”。その夜、恐怖の出来事が… | ビューティーガール

時刻(time):2023-07-29 19:12源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
旅行の楽しみのひとつはなんといっても「宿」。南国ムードあふれるリゾートホテルも趣のある温泉旅館のどちらも素敵ですが、必ずしも毎回満足できるわけではありません。 2年前に大学時代の友人2人と東北某所の温泉旅館に泊まった立川由紀さん(仮名・30歳/地方公務員)は、「仲居さんに案内された部屋は、渓流に面した小ぎれいな和室でしたが、なぜかすごく嫌な

 旅行の楽しみのひとつはなんといっても「宿」。南国ムードあふれるリゾートホテルも趣のある温泉旅館のどちらも素敵ですが、必ずしも毎回満足できるわけではありません。

湯呑み 温泉旅館
 2年前に大学時代の友人2人と東北某所の温泉旅館に泊まった立川由紀さん(仮名・30歳/地方公務員)は、「仲居さんに案内された部屋は、渓流に面した小ぎれいな和室でしたが、なぜかすごく嫌な感じがしたんです」と部屋に入ったときの印象を語ります。(初公開日2018年5月20日 情報は取材当時)






自分たちしかいないのに常に感じる何者かの視線と気配


 ちなみに建物は増改築こそ重ねていますが風情のある木造建築で、築80年を超す老舗の旅館。名物である源泉かけ流しの露天風呂、山の幸をふんだんにつかった夕食は十分満足のいくものでしたが、部屋で友達とくつろいでいる間でも常に誰かに見られているような視線を感じたそうです。

見られてる?
「ただ、そんな理由で部屋を変えてもらうわけにもいきませんし、友人の1人はそういった話が特に苦手で、変に怖がらせるのも悪いと思って何も言いませんでした。でも、私もちょっと怖かったので、いつもより多めにお酒を飲んで早く寝ることにしたんです」






夜中、目が覚めると金縛りに……


 ところが、夜中にふと目が覚めてしまったという由紀さん。仕方ないのでトイレにでも行こうかと起きようとしましたが、身体がまったく動きません。いわゆる金縛りの状態にかかってしまったといいます。

「別にオバケを見たことはないのですが、子供のころから何度か金縛りを経験していました。このときは何年かぶりの金縛りだったんですけど、部屋に入ったときの嫌な感覚の正体はコレだったんだと思ったら急に怖くなりました」

 過去の金縛り体験では、目を閉じてじっとしているうちに眠ってしまい朝になっていたそうで、この日も「このまま寝てやり過ごそう」と思ったそうですが、いつまでたっても寝つけなかったとか。

 しかも、畳のうえを歩いているような音が聞こえ、それが次第に自分に近づいてきたそうです。

和室の障子
「しばらくして音が止んだと思った次の瞬間、急にお腹の上に誰かが乗ったような強い圧迫感を覚えました。目は開けられたのでお腹のほうに視線を向けるのですが、そこには誰もいない。正直、頭のなかは大パニックです。思わず叫び声を上げそうになりましたが、金縛りのせいか声を出すこともできませんでした」













友人との久々の旅行を邪魔され、恐怖が次第に怒りへ


 その状態がしばらく続き、最初はおびえていた由紀さんですが徐々に「友達と旅行に来ているのに、何でこんな目にあわなきゃいけないの!」と怒りが噴出。その矛先は自分のお腹を圧迫し続ける“得体の知れない何か”に向けられます。

「心の中で最初は『お願いですから寝させてください』と優しく言ったのですが変化はなく、次にウロおぼえの般若心経を唱えてみましたがこれも効果なし。

 なぜか私もだんだんイラついてしまって、『さっきからテメーのせいで寝れねぇんだよ。いい加減、さっさと消えねぇとブチ殺すぞ、ボケ!』って自分の中で可能な限りの汚い言葉で罵ってみたんです。まあ、幽霊相手に殺すぞってセリフはちょっとどうかなとは思いますけど、このときは怒りMAXだったので(笑)」

和風の照明
 すると、彼女に恐れをなしたのかお腹の圧迫感はなくなり、全身の金縛りも解けていたそうです。

「そう思って安心していたら、今度は隣で寝ている友達が急にうめき声を上げたんです。まだ眠っているようでしたが、明らかに苦しそうでした。

 それで『違う! この部屋から出てけって言ってんの』って再び心の中で叫んでいました。直後、友人は普通に寝息を立てていたので出ていったんだと思いますけけど」

 この不思議な出来事は結局言わなかったそうですが、友人からは「昨日、怖いおばあさんに追いかけられていた夢を見ていたんだけど、由紀ちゃんが怒って追い払ってくれた」と告げられてビックリ。「そんな悪霊的な何かにキレちゃたんだ……」と後になって怖くなったのは言うまでもありません。

 今も正体が幽霊か何なのかはわかりませんが、いずれにしても彼女のように追い払うのは難しいはず。旅行先で部屋が嫌だと感じた場合、無理を承知のうえで宿側に部屋を変えてもらうようにお願いしたほうがいいかもしれません。

シリーズ 旅行のヒサンな話 vol.6―

<TEXT/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。




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