天気、気温、湿度、さらに生理。外側と内側から、女性の体は繊細に反応します。自分の体なのに、持て余してしまうなんてしょっちゅう。『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(世界文化社)の著者、久保奈穂実さんもそのひとりでした。
7年ごとに変化していく、女性の体
久保さん本人も、アトピー性皮膚炎にパニック障害などのトラブル続きに悩まされていました。食事療法と漢方などで不調を治し、現在は国際中医薬膳管理師、漢方アドバイザーとして活躍しています。
「女性は7の倍数で体に変化が現れる」というのが中医学の考え方。「実際、漢方相談に来られる女性はちょうど35歳、42歳、49歳の人が多い」と本書。35歳で顔が老け始めて髪や胃腸に変化を感じ、42歳で顔のしわや白髪を認め腎臓が弱り、49歳で更年期症状を意識するのではないでしょうか。
時間は平等に流れ、老化は誰にでもおとずれるもの。わかっていても、できれば不調を避けて穏やかに年を重ねたい。その願いを叶えるのが、漢方の知恵なのです。
陰と陽とは?
中医学では、あらゆるものを陰と陽に分類する「陰陽説」という哲学があるといいます。体にも陰と陽があり、「陽が多すぎるとイライラ、カッカしやすくなり、陰が多すぎると潤い不足で乾燥しやすくなる」と本書。
季節的には3月の春分から陽が強まり、6月の夏至にピークを迎えます。そして9月の秋分から陰が強まり12月の冬至にピークを迎えるのです。
めぐりくる陰陽に合わせて、体もバランスをとる必要があります。1年365日、春夏秋冬、年齢に沿った毎日のケアをはじめてみませんか。
初夏、黒酢ドリンクで美肌に
“紫外線対策は通年マスト!”がもはや常識。5月以降から日差しは強まり、内側からの対策も必要となってきます。久保さんがすすめるインナーケアは「黒酢ドリンク」。「黒酢が血の巡りをよくして、シミを根本から撃退してくれる」というのですから、試さない手はありません。
作り方はとても簡単。「黒酢に黒砂糖を入れて、お湯で割るだけ」。お好みではちみつを加えても。「黒酢の発酵パワーでお腹の調子も整い、美肌効果抜群」とのこと。黒酢の酸味が苦手な人も、お湯で割ることで緩和されます。また、体もあたたまって一石二鳥です。
汗で失った潤いを補給
梅雨が過ぎればもう夏本番。じっとしていても汗をかく季節の到来ですが、クーラーがきいた部屋にいても意外に乾燥するんですよね。でも「潤いは水では補えない」って知っていましたか? 水分補給とともに潤いも補給すべく、久保さんがとっておきの一品をおしえてくれました。
「オクラと梅のサッパリ和え」です。「オクラも梅干しも潤いを生み出す食材。梅干しの酸味には収れん作用があり、余分な汗がもれ出ないようにしてくれる」のだとか。

☆オクラと梅のサッパリ和え
① オクラをサッと塩ゆでして水で冷まし、乱切りにする。
② ①を、たたいた梅干しとたっぷりのかつお節、醬油少々で和える。
朝食の箸休めにも、夕食のおつまみにもぴったり。夏の常備菜はこれで決まりです。
おやつはアイスよりも寒天
気温が22℃~23℃を超えるとアイスが売れるのだとか。パウチ型のアイスを保冷剤かわりに常備する人や、冷蔵庫にアイスをストックする人もいますよね。もはや1年をとおしておやつの定番となったアイスですが、夏場の食べ過ぎには要注意です。
「アイスには体の熱を冷ます働きはなく、お腹は冷えるのに、体にこもった熱はそのまま」というのがその理由。猛暑や酷暑の時こそ、アイスではなく寒天をチョイスしましょう。海藻からできた寒天が、体にこもった熱をスーッと冷ましてくれるそうです。

☆ピングレ寒天
① 皮をむきひと口大にしたピンクグレープフルーツを型に入れる
② 鍋に水500CCと粉寒天4gを入れて火にかけ、混ぜながら溶かす。沸騰したら弱火で2分煮る。
③ 砂糖大さじ4、レモン果汁大さじ1を加え、①の型に流し込んで冷蔵庫で固める。常温でも固まる。砂糖の代わりにはちみつでもOK。
※冷えている時やお腹がゆるい時は控えめに。
目にも麗しいピンクグレープフルーツが、気持ちまで涼やかにしてくれる一品。ビタミンCやクエン酸も摂れますので、暑さ対策の他に美容にも効果が期待できますね。
夏野菜を味方につける
季節に合わせた体づくりに欠かせないのが旬の食材。また、旬の食材は美味しさと栄養価も高いのです。汗をいっぱいかいた体には、水分をガブ飲みするより夏野菜を摂るのがベター。ほどよく焼き上げたズッキーニと新鮮なトマトが、あなたの元気を応援します。

☆ズッキーニとトマトのマリネ
①輪切りのズッキーニをオリーブオイルで焼き目がつくまでじっくり焼き、ハーブソルトで下味をつける。
②ボウルに酢とオリーブオイルを各大さじ1、砂糖ひとつまみを混ぜ合わせ、ひと口大に切ったトマトと①、あればドライバジルを和える。
③冷蔵庫で冷やして味をなじませる。
ズッキーニの独特な歯ざわりとトマトの瑞々しさ、ハーブの香ばしさが食欲をそそります。
365日を漢方でケア
セルフケアの辞書ともいえる本書には、1日1項目、365日分の漢方が載っています。食事方法を中心に、ツボ押し、メンタルケア、季節ごとの心がけ等々。漢方を身近に笑顔あふれる未来に向けて、養生していきませんか。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
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