交際年月が長くなると、そろそろ結婚話が出てもいい頃……と胸がザワつくもの。しかし、彼女側の想いとは裏腹に、彼が結婚話に思わぬピリオドの打ち方をしてくることもあります。
石井裕子さん(仮名・36歳)はまさにそんな経験をし、4年の交際期間がムダになった……と肩を落としています。
結婚前提の約束で交際をスタート
裕子さんはマッチングアプリで、8歳下の高橋航平さん(仮名)と出会いました。自分のほうが年上であることから、当初、裕子さんは付き合うことに抵抗を感じていたそう。
しかし、「年上の人と付き合うことに憧れてた」「同世代にはない魅力がある」との航平さんの猛プッシュにより、勇気を出して交際を決意しました。
「私は婚活目的でアプリを使用していたので、告白されたとき、そうじゃないなら付き合えないと伝えました。そしたら、彼は『もちろん分かってる。ぜひ、結婚を前提に付き合ってください』と言ってくれたんです」
交際後、航平さんは話題のデートスポットへ積極的に裕子さんを連れて行ったり、おうちデートの時には手料理を振舞ったりと、一緒に過ごす時間を楽しんでくれました。
「LINEのレスポンスが私たち30代みたいに長文ではなく、短文で何個も送ってくるのを見た時には少しジェネレーションギャップを感じましたが、他はそれほど年齢差を感じることはなかったです」
「仕事で忙しい」が増えて休日のデートが2ヶ月に1回に…

しかし、交際後2年を過ぎた頃から、会う頻度が激減。これまで積極的にデートに誘ってくれていたのに、2ヶ月に1回会えればいいほうになってしまいました。
理由を尋ねると、航平さんは申し訳なさそうに「仕事がすごく忙しくて……」と謝罪。裕子さんは不満を感じましたが、「仕事を頑張って、いいポジションに就いて、早く裕子を幸せにしてあげたい」と言う彼の言葉を聞くと、「頑張ってね」としか言えず……。
「学生時代とは違って2人ともいい大人なので、仕事で会えないくらいでわがままを言っちゃいけないなと。大変な時期にわめく女って見苦しいし、負担になると思ったので、ひたすら耐えました」
我慢の先には結婚が待っている。だから、私はどんと構えていればいい。そう自分に言い聞かせながら、裕子さんは会えない時間を乗り越えました。
「今振り返れば、付き合ってから最初の1年くらいしか頻繁に会えていなかった。あとの3年間は『今が頑張りどころだから』と言われ、数ヶ月に1回くらいしか会えていませんでしたね」
プロポーズを期待した日に別れを告げられてショック!
そんなある日、航平さんから「大事な話があるから、時間を取ってほしい」と言われました。プロポーズだと思った裕子さんはとびきりおしゃれをして、航平さんとの待ち合わせへ。
2人は航平さんが予約してくれていた夜景の見えるレストランで食事。普段よりもワンランク上のレストランであったことから、裕子さんの中ではプロポーズをされることへの確信が強まっていきました。
しかし、航平さんの口から出たのは思いもよらない話。「あのさ、実は別れてほしい。今日で終わりにしたい」と言われてしまったのです。
裕子さんは「え、なんで? こんないい店で、そんなこと言う?」と混乱。すると、航平さんは「最後、いい思い出で締めくくりたかったから、こういう店に連れてきた」と返答。「本当に悪いけど、別れてほしい」と繰り返しました。
裕子さんの頬には涙が。それを見た航平さんから「ちょっと場所を変えよう」と言われ、2人は裕子さん宅へ。
自宅へ向かう電車の中で、だんだん怒りがこみあげてきたため、裕子さんは家に入るなり、「30代の4年間をなんだと思ってるの! 結婚前提だって言ってたのに! 嘘つき!」と航平さんを怒鳴りつけました。
別れの理由まさかの”別の人とのデキ婚“

すると、航平さんは「付き合ってみないと分かんないことってあるだろ? やっぱり同世代がいいと思ったんだよ! 体型も肌のハリもやっぱり30代って感じで、一度抱いたら飽きちゃって」と傷つく言葉を投げつけてきました。
「だから、売り言葉に買い言葉で『あんただって私と同世代の男と比べたら、かっこわるい。収入や余裕感が負けてるから』と言ったんです」
その言葉にプライドを傷つけられたからか、航平さんは「残念!こんな男でもいいって言ってくれる女の子がいるんですわ。俺、来年の春に結婚するから。ショックを受けるから言わないでおこうと思ってたけど(笑)」と、衝撃の真実を告白。
問い詰めると、裕子さんに隠れてマッチングアプリを使用しており、そこで出会った2歳下の子とデキ婚するのだと白状しました。
「まあ、せいぜい、おばさんも婚活頑張ってね。30代後半になると難しいと思うけど(笑)」
そんな捨て台詞を吐き、帰っていった航平さんを裕子さんは今でも忘れることができません。
「ひどい捨て方をされたのに、デートの時の優しかった姿ばかり思い出してしまって、未練があります。思い出は簡単には消えてくれませんね」
今もなお、航平さんの影を追い求めながら婚活をしてしまうという、裕子さん。一途な裕子さんに明るい春が来ますように……。
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<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)
