東武動物公園「水上木製コースターレジーナ」体験レポート

東武動物公園の「水上木製コースターレジーナ」について、遊園地王でもある筆者がレポートします。
日本の木製コースターとその魅力
日本には現在、純粋な木製コースターが3種、木製と鉄製を融合したハイブリッドなコースターが1種あります。
【日本にある純粋な木製コースター】
◆城島高原パーク(大分県)「ジュピター」1992年設置
◆ひらかたパーク(大阪府)「エルフ」2001年設置
◆東武動物公園(埼玉県)「レジーナ」2023年設置
【木と鉄のハイブリッドコースター】
◆ナガシマスパーランド(三重県)「白鯨」2019年設置
木製コースターの魅力はその巨大建築物のようなコースにあり、そこをくぐり抜けるように走る感覚は、ほかの鉄製のコースターでは味わえないものです。

ただ、メンテナンスはなかなか大変で、かつてはもっと木製コースターは存在したのですが、今はこの4種だけになってしまいました。
そのため、今回の東武動物公園「水上木製コースターレジーナ」再オープンのニュースは個人的にもかなりうれしいものです。あの美しいコースを新しいライドが走る姿をしっかり見るとともに、乗車体験してきました。
レジーナはレジーナから何が変わった?
今回、再オープンした「水上木製コースターレジーナ(ドゥーエ)」は、以前のレジーナとどこが変わったのでしょう。まず基本的なスペックは次のとおりで、変わったところは大きく3つあります。なお、ドゥーエはイタリア語で「2」を表します。
【水上木製コースターレジーナ(ドゥーエ)】
コース全長:1334m
最高部高さ:37m
最高時速:90km/h
最大遠心力:2.78G
所要時間:約3分
制限:身長120cm未満不可
料金:1500円(アトラクションパス利用可)
以前のレジーナは1両4人乗りで7両編成でしたが、レジーナは2人乗りで、1編成が2人×12両の最大24人乗れます。これにより連結部分が増えたため走行が滑らかになりました。

走行が滑らかなことと、新車両とあわせてレール下の素材を交換したことなどから、以前より乗り心地はよくなったと思います。ただし、木製ならではの横揺れや軋みはしっかり残してあるので、いいバランスで乗車できました。
レジーナが位置するエリアは復活や発展をキーワードに、産業革命時のイギリスとSFを組み合わせた“スチームパンク”をエリアテーマとしています。エリアは独特の世界観があって、乗車までの時間もワクワクさせてくれます。


誌上体験レポート! 3つのポイントに注目
さあ、いよいよ体験してみましょう。このコースターを楽しむには次の3つのポイントに注目してみましょう。【1】はコースターからの景色、【2】の落下&上昇はコースターの醍醐味、【3】は木製コースターだからこその魅力です。
【1】パークビューポイントが3カ所
【2】ドロップ&アップポイントは4カ所
【3】木製ならではの建物の中を突っ切るポイント
では、画像をふんだんに使って体験レポートをお届けします。

乗車までのワクワク感もコースターには重要です。門を入ってホームで乗車するまで。楽しみが止まりません。


スタートして頂上まで、これがコースターの一番ドキドキする時間です。でも同時に、この上昇の時間こそが【1】のパークビューポイントなのです。



ファーストドロップ、つまり最初の落下は地上37mから。落ちたらすぐに上昇し左にカーブ、セカンドドロップ&アップのあと息をもつかせずサードドロップ&アップ、そして今度は右カーブです。ポイント【2】のファースト、セカンド、サードを続けて。





後半のクライマックスは、ポイント【2】のフォースダウン&アップからポイント【1】のパークビューポイントを経て【3】の木製コースターならではのポイントへ。まさに、てんこ盛りの内容です。




小さなアップダウンを繰り返して減速。最後は余韻に浸りながら美しいコースを眺めましょう。



「水上木製コースターレジーナ」は美しい、貴重なコースターです。いまや日本に数種しかない木製コースター、ぜひ、その乗り心地を体験してみてください。
東武動物公園はアトラクションが30種以上そろう遊園地エリアと動物園エリアがあります。レジーナとあわせて、いろいろな遊び方が可能ですよ。
住所:埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110
TEL: 0480-93-1200
料金:入園料(遊園地・動物園の入場)大人1900円、中学・高校生1600円、3歳~小学生900円、60歳以上1200円/アトラクションパスセット(遊園地・動物園の入場+アトラクション乗り放題)大人5300円、中学・高校生5000円、3歳~小学生・60歳以上4000円 ※60歳以上は要証明。2歳以下は無料
営業時間:9時30分~17時30分(季節、曜日、条件により営業時間が変動しますのででかける前に公式サイトやツイッターで確認を)
休み:6月の水曜、元日、1月の火・水曜、2月の火~木曜
アクセス:東武スカイツリーライン東武動物公園駅から徒歩10分
執筆者:佐々木 隆(遊園地ガイド)