その肉、焼き過ぎてます。
これは、私が焼肉専門店の店長さんから言われて衝撃を受けた一言。みなさんが焼肉店に行ったとき、正しく焼けているという自信はありますか?
今では日本人のみならず海外観光客からも愛される日本の焼肉を、本当においしく堪能できている人はどのくらいいるのでしょうか。少なくとも私は自分の焼き方や食べ方の多くに残念ポイントを見つけてしまい、これまでのやり方が間違っていたことに気がついたのです。
そうです、今回は自分の経験を通して、焼肉を本当においしく食べるための“カンタン極意”についてご紹介したいと考えました。
ここでは、国産A5黒毛和牛とワインをお値打ち価格で楽しめる「うしごろバンビーナ銀座店」の高橋章裕店長に、「多くの人がやってしまいがちな焼き方・食べ方・選び方」について優しく丁寧に指導してもらいましたので、そのポイントを5つご案内していきたいと思います。
残念な作法①好きな肉から食べはじめる
焼肉を食べる上で絶対的なルールはありません。しかしながら、おいしいお肉の魅力をしっかり味わうためには、食べていく順序にはコツがあることを知りました。
実は私、最初にタレ味を注文してしまったのですが、これはベストではなかったようです。いろいろと堪能したいなら、生肉⇒塩味の焼肉⇒タレ味の焼肉という順番がオススメだそう。理由はタレの味に慣れてしまうと、その後の肉の違いが分かりにくくなってしまうから。
またホルモンはボリューム・噛み応えがしっかりあるためにお腹いっぱいになりやすく、最後の方にしたほうが良いとのこと。コースを注文すると最初にでてくるタン塩は理にかなっていることになります。ちなみにタンは鮮度がわかりやすいため、「タンがおいしいお店にハズレなし」のようです。
残念な作法②お腹がいっぱいにならないよう、キムチは後半で食べる
お肉をたっぷり食べたい派の私は、キムチをたくさん食べてしまうとお腹がいっぱいになってしまうような気がして、積極的に注文することがありませんでした。
実はこれこそが間違い。キムチを最初に食べることで食欲・胃腸ともにほどよく刺激され、消化促進につながるのです。そのため、お肉を食べはじめるタイミングで注文して食べておくほうが良いそうです。言われてみれば納得でした。
残念な作法③なんでも真ん中で焼く
続いては焼き方。ロースターの全面に肉を均等に広げて焼いていた私は、優しくアドバイスをもらうことに。
「焼肉は1枚ずつ焼くのがオススメです。1枚だけ焼くならどこで焼きますか?」と聞かれ、疑いなく「真ん中」と答えてしまいました。これが正しくはありませんでした。
ロースターの上に乗っている網を想像してみましょう。網の面すべてが同じ条件ではなく、火や炭の場所によって火加減にかたよりがあることに気がつくはずです。つまり、火に近い場所は火力が強く、遠い部分は弱くなっているのです。
今回のロースターで言えば、中央よりもサイドのほうが高温になるということ。そのため、薄切りの肉はやや低温でふんわり焼くのが良く、タンのような厚切り肉は、高温エリア⇒低温エリア⇒高温エリアと移動させながら焼くのが理想的だそうです。
残念な作法④なんでもしっかり焼く
次は、もっとも肝心な焼き方について。私は香ばしい焦げ目が両面につくくらい焼いていましたが、「それ、焼き過ぎです」と指摘していただきました。
例えば薄切りの赤身肉。しっかり焼くことでパサついてしまうそうで、プロから見ればほとんどの人が焼き過ぎで、赤身のジューシーな柔らかさを堪能したい場合は、少しレア加減がオススメとのこと。
もちろん焼き加減の好みには個人差があったり、ホルモンは中心までしっかり焼くべきとのことで、一概には言えませんが、肉が縮んでしまう仕組みは食べ比べによって理解することができました。
残念な作法⑤タレをそのまま使う
続いては、知っておくと焼肉の味わい方がぐーんと広がるアドバイス。お店で提供されるタレを思う存分楽しみたいなら、追加で薬味がないか相談してみましょう。
多くのお店ではレモン、ニンニク、コチュジャン、唐辛子などの食材は用意されているので、リクエストに応じて提供してくれる可能性があります。今回のうしごろバンビーナでは、すりおろしにんにくと唐辛子ペーストをサービスしてくれました。
そしてもう一つは、ごはんのお供を相談してみるのも楽しいということ。
お店によりますが、今回のお店ではすき焼きのような味わい方ができるよう「卵黄」を追加注文することが可能。卵黄と焼肉ダレが牛肉と一緒に白いごはんに絡まり、感動の“しめ”となりました。
高橋店長いわく、おいしいアレンジ法やトッピングなどの相談は喜んで対応してもらえるとのこと。臆せずに相談してみる価値は大いにあるなと実感しました。
ちょっとした工夫をしてみると、いつもの焼肉がもっとおいしく楽しめるようになりますから、気に入ったポイントがあればぜひ試してみてくださいね!
<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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