アイスクリームで作られた「ちいかわ」や『鬼滅の刃』の人気キャラクター。どれも立体的で髪の毛までも細かく作り込まれています。
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このアイスアートの作者はアイスアートっ子(@sao_ice_art)さんという方で、アイスアートっ子さんのSNSにはアイクスリームで作られたかわいすぎるキャラクターがずらりと並んでいます。これって全部アイスクリームでできてるの? 作っている時に溶けないの? ということでアイスアートっ子さんに話を聞いてみました。
アイスアートは全て「エッセルスーパーカップ」で作ってる
――アイスアートはどのように作られているのでしょうか。
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アイスアートっ子さん(以下、アイスアートっ子)「作りたいキャラクターを決めたら、そのキャラクターにあう、ベースとなる色のアイスクリームを選びます。すみっこぐらしだと、〈しろくま〉をバニラ、〈ぺんぎん?〉を抹茶、〈とかげ〉をチョコミントで作っています」
――キャラクターの色がぴったりですね。
アイスアートっ子「アイスアートは明治の『エッセルスーパーカップ』で作っているのですが、フレーバーが多く期間限定フレーバーも定期的に出るので『これは使えそう』という色のフレーバーが出ると、買って冷凍庫にストックしています。スーパーカップは色・味も豊富で、柔らかさもサイズも作業するのにちょうどいいんです」
食紅は使わずに、赤色はいちごジャムで表現
――目や口など、ベースの色以外は何で作られているのですか?
アイスアートっ子「基本、全部アイスクリームで作っています。茶色の部分はチョコレートアイスを竹串ですくって、ベースのアイスクリームの上にのせています。シェリーメイのリボンなど、鮮やかな赤色はイチゴジャムを使っています。アイスクリームそのもののおいしさを楽しみたいので、食紅などは使わないで色を再現しています。一つのカップにいろんなフレーバーのアイスクリームが入るので、作り終わったあともおいしく食べています」
――アイスクリームのフレーバーをいかして作っているんですね。
アイスアートっ子「ポケモンボールは、バニラアイスの上にイチゴソースがのっている期間限定のフレーバーで作りました。スプーンでイチゴソースの部分を削ればポケモンボールの配色になる!と思って作ってみたら、色もちょうどぴったりでした。真ん中の線はチョコレートアイスをのせて作っています」
竹串で輪郭を描いて、スプーンで掘っていく
――どうやって、キャラクターの形を作っているのですか。
アイスアートっ子「作り方はとてもシンプルで、作りたいキャラクターの絵を見ながらアイスクリームに竹串で輪郭を描きます。輪郭を描いたら余分な部分を竹串やスプーンで掘って形を整え、その後に竹串で他のフレーバーをのせてパーツを作っていきます」
――炭治郎など髪の毛までかなり立体的なのですが、これも全部竹串で作っているのですが?
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アイスアートっ子「はい。全部竹串で作っています。炭治郎の髪の毛はチョコレートアイスだと茶色すぎるので、チョコレートアイスにイチゴアイスをまぜたもので作っているのですが、それを竹串で盛って竹串で髪のラインを整えています」
――竹串とスプーンだけで作っているんですね!
アイスアートっ子「竹串も100均で買えるものですし、スプーンもどこの家庭にもある普通のスプーンを使っています。食べられるものだけで作るというのもそうですが、手軽な道具で作れるということにもこだわっています」
作業中に溶けてきたら冷蔵庫に戻す
――作業をしていて、アイスクリームは溶けないんですか?
アイスアートっ子「アイスクリームなのでどんどん溶けます。なので一度に全部は作らないで、途中で何回か作業をとめて冷凍庫に戻しています。固まってきたらまたとり出して続きを作ります。だいたい5分くらい作業をすると柔らかくなってくるので、いったん冷凍庫に戻して30分以上凍らしてまた作って、というのを5・6回繰り返しています」
――こまめに冷凍庫に戻しているんですね。
アイスアートっ子「そうですね。実際に作業をしている時間は30分くらいで、凍らせる時間を含めると3時間くらいでしょうか。3時間と聞くと長時間ですが、冷凍庫に戻している間は他のことをして、忘れた頃に思い出して『また作るか』と、のんびりとお休みの日に作っています。趣味であり、ストレス発散にもなっています」
――少しずつ作業ができるのもいいですね。
アイスアートっ子「スプーンと竹串で掘って、いらなくなった部分のアイスクリームを食べながらゆっくりすすめています。アイスクリームを掘っている時もテレビ見ながらなど、マイペースにやっています。彫刻のように掘って作っていますが、失敗しても掘りすぎた部分にアイスクリームをのせれば元に戻るので、失敗も恐れずに気軽に楽しめます」
アイスアートはごほうびとして食べてる
――作ったアイスアートは全て食べられているのですか?
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アイスアートっ子「食べます。でも、作っているうちに愛着がわいてきてもったいないと思うこともあります。ちいかわは食べようと思ってカップの蓋を開けた時、あのつぶらな瞳に見つめられて食べるのをためらいました」
――たしかに、食べるのがもったいないですね。
アイスアートっ子「夫は食べ慣れているので、『これ食べるね』とどんな作品も容赦なくおいしく食べてくれます。アイスクリームは賞味期限も長いし、ずっと冷凍庫に入れても綺麗に保管できるので、私は何週間か作品を堪能した後に、仕事で疲れた時のごほうびとして食べています」
もともとアイスクリームは特別なデザートだった
――楽しみながら作って、おいしく食べているのが伝わります。
アイスアートっ子「もともとアイスクリームが好きで、私にとってアイスクリームは特別なデザートでした。でも特別なデザートなのにすぐに溶けてしまうので、急いで食べないといけないのがもったいないと思っていました。アイスアートでアイスクリームに魂をこめることで、おいしいアイスクリームがもっと特別で楽しいものになります。アイスクリームそのものがおいしいので、その味や色をいかしながら楽しくおいしく作っています」
竹串とスプーンのみで作品を作っていると知り驚きましたが、アイスクリームがあれば手軽に作れて楽しくおいしいのもアイスアートの魅力です。アイスアートっ子さんのクオリティの作品は作れないものの、アイスクリームを食べるついでに、少しだけ挑戦してみても楽しいかもしれません。
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<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
(エディタ(Editor):dutyadmin)













