筋トレ時間を作るのにも一苦労する、忙しい現代人。1回のトレーニング時間は何時間といった長いほうがいいのか、それとも何分というように短い方がいいのか。
また、休憩(インターバル)時間はいるのか、いらないのか。
筋トレにかける時間について、日本体育大学体育研究所助教授で健康科学・スポーツ医科学を研究する鴻﨑香里奈さんに聞きました。
筋トレにかける最適な時間は?
一概には言えないが、30分~1時間ぐらいが目安筋トレにかける最適な時間は、個人差や経験、目指すボディなどによって違いがあるので、一概にはいえません。しかしあまり短くても、反対に長すぎても期待する効果が得られません。
目安としては、30分~1時間ぐらいとするのがよいでしょう。
「筋トレにかける時間については、筋肥大や筋力向上を目的とした高強度(高重量、底回数)な筋トレであれば短時間、筋持久力を目的とした低強度(低重量、高回数)な筋トレであれば実施時間は長くなるのが一般的ですね」(鴻﨑さん)
ただし、やはりこれもあくまで目安とのこと。ゼロの状態からプラスへ持っていくのか、現状維持を目的とするのかによって筋トレの方法や時間が変わるように、筋トレにかける時間を気にするより、目標に合った適切なトレーニング方法を選択してから最適な時間を決定することが重要です。
休憩(インターバル)は必要?どのくらいとればいい?
休憩をとらずに筋トレを続けるよりは、筋トレ中に休憩をとった方がよいそうです。
「1種の筋トレを3セットするときのセット間休憩(1セット目と2セット目、2セット目と3セット目の間の休憩時間)の場合、休憩時間が長いほど(長くて5分程度)筋肥大や筋力向上に有効であり、短い(1分程度)ほうが筋持久力向上に有効であると考えられています」(鴻﨑さん)
休憩をとらないと疲労が溜まり、怪我や体調不良の要因に休憩をとらずにひたすら筋トレを繰り返していてはすぐに疲労し、最小限のトレーニング効果しか得られない可能性があるとも。しかも、こんなおそろしいことを引き起こしかねません。
「適切な効果が得られないばかりでなく、トレーニング器具の落下事故、あるいは筋温や全身体温の異常な上昇を引き起こす可能性も考えられます」(鴻﨑さん)
自分のカラダのリズムに合わせて、適度な時間で適切に休憩を挟むのが効果的な筋トレと言えそうです。
まとめ 1回にかける筋トレ時間は目的によって異なるが、だいたい“30分~1時間”が目安 怪我や体調不良を防ぐためにも、セット間休憩はとるべき セット間休憩は長くて5分、短くて1分が目安 セット間休憩が長ければ筋肥大や筋力向上に有効 セット間休憩が短ければ筋持久力向上に有効関連記事:「ダラダラやる筋トレ」は効果ナシ!時間制限を設けたトレーニングのメリット
[監修者プロフィール]
鴻﨑香里奈(こうざき・かりな)
体育科学博士。日本体育大学体育研究所助教授。専門分野は分子運動生理学、運動生化学、スポーツ医学。柔道整復師、日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)
※本記事はMELOSで公開された記事「筋トレ効果が大きい時間帯はいつ?朝・夕方・夜のどれ?食事の前と後では?専門家に聞いてみた」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)>