さまざまなセクハラの中でも、女性にとって特に嫌なのが「セクハラ」。コンプライアンス遵守が叫ばれる中、徐々に減ってきていますが、ほんの数年前はもっと被害に遭う女性も多かったかもしれません…。今回は実録シリーズ「私達の身近な「セクハラ」」から、過去の人気記事を再録します(初公開2018年1月26日、情報は掲載当時のものです)。
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パワハラ、セクハラに対する世間の目がますます厳しくなっている昨今。どこの企業もセクハラ撲滅に目を光らせているはずですが……息抜きのはずの慰安旅行が、その温床になっているとか。

画像はイメージです(以下同じ)
普段は頼りがいのある課長が別人に…
「無礼講なのはいいと思うのですが、何をカン違いしたのかウチの会社では“多少のセクハラならOK”ということになっているんです。自由参加ですがほぼ全員が行くため、断りたくてもできなくて。おかげで慰安旅行の季節が近づくと毎日が憂鬱でした」(丸岡さん、以下同)
丸岡さんの職場は社員40名程度の小さな会社で、8割は男性社員。アットホームな雰囲気で「親切な人ばかりだった」と言います。
「だから、慰安旅行も1年目はすごく楽しみにしていたんです。私自身、温泉好きなので、秘湯の宿に泊まると聞いてテンションが上がっていました。ところが、到着してから知ったのですが、そこは混浴露天風呂だったんです。
道中のバスで散々飲んですっかり出来上がっている課長はニヤ~ッとしたいやらしい笑みを浮かべ、『一緒に入ってくれるよね?』としつこいくらいに誘ってくる。それは頼りがいのある私が知っている課長とは完全に別人でした」
おばちゃん社員まで「減るもんじゃないでしょ」
しかも、周りの男性社員たちも課長に同調し、専務までも「せっかくの機会なわけだし、裸のつきあいでここはひとつ親睦を深めようじゃないか」と言い出したとか。
「当時、私以外にも20代の先輩社員は3人いましたが、全員が体調不良や子供の病気などを理由にドタキャン。それを知って嫌な予感はしていたのですが、正直いけにえにされた気分でしたね。
味方だと思ったおばちゃん社員からは『いいじゃない。減るモンじゃないでしょ』と言われ、後ろから刺された気分でした(苦笑)」
エリンギが食べられなくなる
幸いにも宿には混浴用の湯あみ着(入浴着)が置いてあり、裸を見られることはなかったはるかさん。でも、入浴中は男性社員たちの舐めるような視線が気になって、「温泉で癒されるどころか疲れが溜まる一方でした」と振り返ります。
「男の人は湯あみを着ないので、露天風呂では当然真っ裸。誰もタオルで股間を隠さず、アソコをブラブラさせながら平気で話しかけてくる人もいました。私も視力がいいので、見たくなくてもアソコがバッチリ見えてしまうんです……。
何度も『アレはエリンギだ。気にしちゃ負けだ』と自分に言い聞かせていましたが、本当は一刻も早くその場から逃げたかった。結局、これがトラウマになったのか、しばらくはエリンギを食べることができませんでした(苦笑)」
後日、猛抗議して混浴温泉はこの年限りになったのでしたが、その反動からか今度は宴会でハメを外しまくる男性社員が続出。

入社2年目の慰安旅行では混浴がなくなったことではるかさん以外の若い女子社員も参加していましたが、彼女たちにお酌をさせるだけでなく、お触りをしてきたり、酔って目の前で全裸になる男性社員もいたそうです。
「けど、こっちも徐々に免疫ができたというか、悪い意味で慣れてしまうんです。嫌なのは変わらないけど、“2日間我慢すれば済むこと”だと思うようになったんです」
セクハラ三昧の慰安旅行に終止符……なぜ?
ですが、昨年10月に行ったばかりの慰安旅行では、これまでのような数々のセクハラ行為は一切ありませんでした。それはどうしてでしょうか?
「外資系保険会社で勤めていた社長の娘さんがウチの会社に入ることになったのですが、慰安旅行の実態を知って、『無礼講=セクハラOKって解釈はありえない!』ってブチキレたんです。
で、慰安旅行はありましたが宴会は今回から無し。酔った上司に絡まれることもなく、入社以来はじめて慰安旅行を心から楽しめました」
ふだんは紳士的でしっかりしている上司や同僚でも、無礼講で本性を現すこともあるんですね。突然セクハラ魔に豹変するケースもあるため、ぜひ気をつけましょう。
―私達の身近な「セクハラ」 ―
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<TEXT/トシタカマサ イラスト/鈴木詩子>
トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
(エディタ(Editor):dutyadmin)