自分とは正反対な性格や価値観の相手は視野を広げてくれ、意外と恋人候補になることも少なくありません。しかし、そうした相手と、いざ結婚してみると価値観の違いから、日常のあらゆる場面で苛立ちやストレスを感じることもあるようです。
愛知県在住の小林唯さん(仮名・32歳)は、自身とは正反対な性格の夫・雄一さんとの関係に悩んでいます。
「付き合っていた頃は、きっちりしているところが素敵だと思っていましたが、度が過ぎています。夫と一緒にいると、息がつまります」
堅実的な性格に惹かれてマッチングアプリ婚
唯さんは、おおらかで小さなことは気にしない性格。深く考えることが苦手で、大抵のことは、「まあいっか」や「なんとかなるでしょ」で済ませてきました。
「周りからはよく、そういうところが羨ましいと言われましたが、私自身は自分の楽天的なところが嫌でしたね」
だから、正反対な性格の雄一さんに出会った時は衝撃を受けました。出会いは、とあるマッチングアプリ。
雄一さんは几帳面な性格。ToDoリストを作成して、オンオフ共に1ヶ月のスケジュールを決定するなどし、未来を計画的に考えていたり、帰宅後は絶対に30回腹筋する、毎週土曜の朝にはカフェに行くなどのマイルールを持っていたりしました。
「これまで出会ったことがないタイプで、おもしろかったです。なんでもストイックに取り組むし、周囲の人や流行には絶対に流されない。人に合わせることが多く、なんとなく日常を送っていた私とは真逆で、かっこよく見えました」
しかし、心惹かれた雄一さんの性格に結婚後、唯さんは悩まされることとなるのです……。
飾ってあったフィギュアの位置が少しずれていただけで激怒

結婚生活が始まって、2週間ほど経ったある日。帰宅するなり、雄一さんはリビングに飾ってある自身のフィギュアを指さし、「位置が少しずれているけど、なんで?」と激怒。掃除のため持ち上げ、もとの位置に戻したと思っていた唯さんは、その指摘に驚きました。
「ズレているといっても、それは1cmにも満たないものです。ほとんど同じなのに、よく気づいたなと、びっくりしました」
唯さんは謝り、次からは気を付けると約束。それに対し、雄一さんは「自分の中で、飾っている場所にはこだわりがあるから絶対に1mmもズレさせないで」と言い捨て、自室へ向かいました。
そんなにも怒らないといけないことなんだろうか……。あの人はちょっと、神経質すぎるところがあるのかもしれない。そう思いつつも、唯さんは逆鱗に触れないよう、清掃時に注意を払うようになりました。
「タオルのタグは絶対裏になるように畳め」と説教された

そんな出来事があってから、数ヶ月が経った頃。突然、雄一さんから「大事な話があるから洗面所に来て」と言われました。
どうしたのかと思い、言われるがままに洗面所に向かうと、雄一さんは戸棚の中に収納していたフェイスタオルを指さし、「ずっと我慢してたけど、これ畳み方おかしいよね!」と激怒。
「怒りの理由がまったくわからなかったので、どこがおかしいのかと尋ねたら、タオルはタグが表にこないように畳むのが常識だと言われたんです」
「僕に合わせればいいだけだろ!」とマイルールを押しつけ
また、雄一さんはタオルをかける時は絶対にタグが裏になるようにしろと命令。唯さんが「そんなマイルール、押しつけないで」と反論すると、雄一さんは「僕はそうやって生きてきた!唯はそういう風に僕が自分を持っているところが好きだと言ったし、今まで周りに流されることが多かったんだから、僕に合わせればいいだけだろ」と声を荒げ、またもや自室へ。
その後、無視が始まったため、仕方なく唯さんが折れる形で、この一件は幕を閉じましたが、心の中にはモヤモヤが残っています。
「たしかに私は流されるタイプです。でも、結婚生活って互いが快適に暮らせるように、2人が共に努力するものだと思う。なぜ、私ばかりがあの人のマイルールに合わせないといけないのでしょうか」
そう語る唯さんの頭には現在、離婚の2文字がよぎっています。
自分を持つことは大切ですが、度が過ぎて、それが押しつけになるとパートナーに息苦しい思いをさせてしまうもの。そのことに、雄一さんが気づく日はくるのでしょうか……?
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<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)
