いよいよ年越しですが、大掃除を終えて一安心したのも束の間、年末年始はゴミ収集もお休みなので、年明けはあっという間にゴミが溜まってしましますよね。
お笑いコンビでゴミ清掃員でもある「マシンガンズ」の滝沢秀一さんに、インタビュー前編では年末のゴミ出しで特に注意してほしいことや、清掃車火災に繋がる危険なゴミについてうかがいました。
【インタビュー前編】⇒大体の家にある「捨てたら清掃車が燃える」超危険ゴミって?ゴミ清掃員のなげき
後半ではゴミ清掃員が見た、“困るゴミ・驚きのゴミ”についてさらに聞いてみたいと思います! 滝沢さんがため息をつく“地獄のようなゴミ”とは――
お守りが普通に捨てられていて驚き
――年始によく出るゴミはありますか?
滝沢「年始はお酒の缶がとにかくたくさん出ますね。12月31日から1月3日まではゴミの回収はお休みなので、その間にためこまれた缶が年始に一気に出ます。あとは門松のゴミでしょうか。驚くのは、お守りが普通に捨てられていることですね。神社に持っていかなくもいいの?と、やや心配になります(笑)。
他には、ゴミ集積所で吐く酔っ払いが増えるので、とても困ります。時々、袋に入れた嘔吐物が捨てられていることもあるのですが、嘔吐物をそのまま入れた袋は回収できません。カラスなどにつつかれて、周囲に散らばっていることもあります。勘弁してほしいですね…」
包丁が足の上に落ちてきたことも
――集積所が汚れるのは、困りますね。
滝沢「『ゴミがゴミを呼ぶ』というのは、この仕事をしていて“あるな”と思います。集積所がきれいなところはゴミの出し方もきれいですし、ゴミの出し方が綺麗なところはゴミもきちんと分別されています。治安が悪い所は、集積所があまりきれいではない印象があります。ペットボトルのラベルがきれいにはがれている集積所は、可燃ゴミもきれいです。ゴミを捨てる時に、その都度ちゃんと考えているんだなとわかります」
――ゴミを出す時に、「この出し方でいいのかな?」と考えるのは大事ですね。
滝沢「考えていないゴミの出し方に関して言えば、包丁がそのまま捨てられていたことがあります。包丁が袋を突き抜けて、僕の足の上に落ちてきました。持ち手の部分から落ちてきたので怪我はなかったのですが、『逆だったら…』と考えてぞっとしました。せめて、刃の部分をガムテープでまくか、タオルなどにくるんで捨てていただきたいです。竹串も袋から飛び出て、清掃員の手によく刺さります。ゴミは捨てて終わりではなく、そのゴミを回収する人間がいる、ということも忘れないでもらえるとうれしいです」
一時期はやったトランポリンもよくゴミに
――最近よく見るゴミなどはありますか。
滝沢「最近は、家庭用のトランポリンが粗大ゴミで捨てられているのをよく見ます。コロナ禍の自粛生活で運動不足を解消しようとトランポリンを買って、2~3年経って捨てているのかなと思います。他にも、賞味期限が切れた羊羹やレトルト食品もよく見ますね。コロナ禍の備えで買ったものや、療養生活でもらったもので不要になったものが多く出ている印象です」
捨て方を間違えると地獄のようなゴミ
――捨て方が難しいゴミはありますか?
滝沢「ビーズクッションは、捨てるときに注意していただきたいです。一般ゴミの中にビーズクッションを入れて出すと、ゴミ清掃車の中で袋が破れてビーズが飛び散り、大変なことになります。ビーズが飛び散ると車内や清掃員の服にくっついてなかなかとれません。さらに、ゴミを回収すればすれほど、飛び散ったビーズが周囲に散らばって、ビーズを撒き散らしてしまいます。掃除に時間がかかり大変です」
――地獄ですね…。どうやって捨てるのが正しいのでしょうか?
滝沢「地獄です。捨てる時に『中にビーズクッションが入っている』と見た目でわかるようにしてください。清掃員が袋が破れないように回収します。また30センチ以上の大きさのものは、粗大ゴミに出してください。トラブルが多いので、ビーズクッションの捨て方に注意喚起をしている自治体もあります。各自治体で捨て方を確認してください」
個人情報って簡単にもれる
――ビーズクッションが迷惑なゴミになることを知りませんでした。
滝沢「ゴミの『出し方』にも気をつけてほしいですが、『出す時間』にも注意が必要です。というのも、ゴミを回収する際に封の開けられたゴミ袋をよく見ます。一度ゴミを捨てた人が、封をわざわざ開けてそのままにするとは思えないので、ゴミの中身を物色されている可能性も考えられます。僕は清掃員の仕事を始めて、まっさきにシュレッダーを買いました。仕事をする中で『個人情報って簡単にもれるな』と思ったからです」
――怖すぎます。
滝沢「可燃ゴミより不燃ゴミのほうが多く開けられているので、高価な物や売れる物を探していたのかもしれません。粗大ゴミに出したはずの布団がなくなった、という女性もいました。『回収予定の布団が出ていません』と連絡したところ、とても怖がっていました。ストーカーなどの可能性もあります。ゴミを朝に出すのが面倒くさくて、夜間にゴミを出してしまうと漁られやすくなります。ゴミを出す時間にも注意してください。」
お金持ちほどゴミが少ない
――出されているゴミを見て、気づくことなどはありますか?

滝沢「いろんな地域のゴミを回収していると、いわゆるお金持ちの人が住んでいる街のゴミの少なさに驚きます。お金持ちと言っても、いろんなレベルのお金持ちがいると思うんですけど、上位のお金持ちは、ゴミの量がとにかく少ないんです。ゴミから『自分の認めたもの以外、絶対買いません』という意思すら感じます」
――すごいですね。
滝沢「この話をすると、『家が大きくて収納スペースがたくさんあるから、ゴミが出ないんだ』とか『外食ばかりしているからだ』という声を聞きます。でも、安い洋服やちょっとした雑貨を大量に捨てているのを見たことがないんです。洋服は時々、1着捨ててあるくらいです。自分が気に入ったものをだけを買い大切に着て、着なくなったら誰かに譲ったりしているんじゃないでしょうか。事務所の先輩の有吉弘行さんも、『必要のないものはゴミになるから、家の中に入れない』を徹底しています。無料だからもらう、とりあえずもらう、安いから買うっていう考えがないんだと思います」
どう捨てるかまで考えて買う
――100円ショップなどで、ついつい無駄に買い物をしてしまいます…。
滝沢「街中のゴミ集積所で、100円ショップで買ったんだろうなというものはよく捨てられています。ご本人は、それを必要だと思って買ったと思うのですが、頻繁にそして大量にこれらのものが捨てられているのを見ると、『なんでお金を払って、ゴミを買うんだろう』と第三者の立場としては思ってしまいます。出されるゴミの内容で考えさせられることも多いですね」
お金持ちの人が住む地域はゴミの量が少ないと聞き、自分が出すゴミの量の多さにげんなりしつつも、そもそも買う時に「どう捨てるか」を考えていなかったことにも気付かされました。
ゴミは出したら終わりではなく、回収する人間がいるということを今一度考え、買う時もゴミを出す時も慎重になる必要があります。
<文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
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