2022年1~11月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとにBEST5まで紹介します。こちらは、「ビューティ・グルメ」ジャンルの人気記事です。(初公開日は7月13日)
=================
イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の中で最もリーズナブルな「ベストプライス」のそうめんが話題になりました。

「つるりと滑らかなのどごし そうめん」 199円(税込)
トップバリュそうめんをディスるツイートに6.3万件のいいね
スーパーマーケット専門家のスギアカツキです。私は国内外のスーパーマーケットの魅力を伝えるべく活動していますが、先日見過ごすわけにはいかない「大問題」が起こりました。
それは、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の一つである「ベストプライス」のそうめん(600g税込199円)をディスるツイートが起こした大騒動。1.9万件のリツイート、6.3万件のいいねがあり、賛否両論ありの大反響を呼びました。
問題となった投稿は、あるTwitterユーザーが、『トップバリュの黄色は本当にヤバいブツがあって、素麺もその一つ』とした上で、『下には下がいる』『しんどい、ただしんどい』などと述べ、トップバリュそうめんを『コスト全振り特化型』であるとし、有名ブランドそうめん「揖保乃糸(いぼのいと)」と食感を比べながら痛烈に批判する内容でした。「トップバリュの黄色」とは、トップバリュのなかで、黄色のマークがついている「ベストプライス」ブランドを指すと思われます。

「ベストプライス」の素麺(左)と「揖保乃糸」の素麺(右)
それは、「自分にとっておいしい食べ物を引き寄せるコツ」は、意外にも身近に転がっているということ。さてさて一体どういうことなのでしょうか…。
トップバリュとブランドそうめん、どちらも悪くない
まずはディスられてしまったそうめんを紹介しましょう。名称は、干しそうめん。原材料は小麦粉と食塩のみ。
今回問題となった商品は、トップバリュベストプライス「つるりと滑らかなのどごし そうめん」600g(6束×100g)で199円(税込)です。原材料は国内製造の小麦粉と食塩のみで、中尾食品という香川県のメーカーが製造しています。ツイート内容の中には、有名ブランドそうめん「揖保乃糸」を比較対象にしたコメントがありましたが、まず確認したいのは、原材料や製造方法が根本的に違う点です。
揖保乃糸は、600年前から続く伝統的な「手延べ製法」によって作られています。原材料は小麦粉、食塩、食用植物油(綿実油)。小麦粉はオーストラリア産・アメリカ産・国内産・カナダ産を日本で製粉したものであり、兵庫県のご当地食材ではありません。製造工程の中で「熟成(=コクや旨味につながる)」が重要であり、麺同士のくっつきや乾燥を防ぐために麺表面に薄くコーティングする油が使われます。そして麺の生地を切断することなく圧力とひねりで細くしていくことによって、“コシの強いツルツルの食感”が生まれます。

揖保乃糸は手延べそうめん。
そして価格重視だから品質を犠牲にしたということでもなく、食べ方次第でおいしく食べることはできると、個人的には思います。では実際にできるだけおいしく茹でてみましょう!コツは一つ、とっても簡単です。
おいしく茹でるコツは“茹で時間”
表示時間よりも30秒早く上げてしっかり冷やすと、仕上がりが違います。
茹で時間が2分とありますが、私はいつも1分30秒にしています。
具体的には表示時間よりも30秒早くザルにあげて冷水で冷やしてみると、仕上がりの違いに驚きます。また、氷水できりっと冷やすことも重要です(こだわりの小麦を使用している場合、旨味を活かすために冷やし過ぎないこともある)。これはすぐにできる簡単コツですから、多くの方々にお試しいただきたいと願います。
今回のようなことは、そうめんに限ったことで起こる問題ではありません。リーズナブルな商品だからこそ、なるべくおいしく食べようとする工夫の姿勢は、おいしい食事を引き寄せるための最強の習慣だと私は考えています。
それでは次に、今回の炎上を良い気づきや学びにすることができるのか?について考えてみました。
「まずい」という発言は、覚悟が必要。その効力は?
私は投稿者の方にもの申したいとか、トップバリュのそうめんを過剰に擁護するつもりはありません。何よりも私が大切にしたいのは、この商品をおいしく食べようと工夫をして、実際にポジティブに味わっている人がいるという事実です。
例えば、食べ盛りの子どもをたくさん育てる家庭を想像してみましょう。私も小学生の子どもを育てる母親の立場であり、「なるべく安く、なるべくおいしく」を目指して家計・料理の工夫をしています。ですからこのそうめんの存在はありがたくもあり、同じように日々奮闘しているパパ、ママの中でこのそうめんを買っている方がいるとしたら、投稿内容に不快感を抱いて欲しくありません。おいしいと思って食べている人の日常をむやみに否定することにならぬよう、ただただ願うばかりです。

筆者がトップバリュベストプライスの名品だと思っている「プチカップケーキ」(税込価格 278.64円)15個入り
そして何より、消費者から選ばれないものは売れずに自然淘汰されていくはずですから、自分が本当においしい食べ物に出逢いたいのであれば、発言以上に“消費行動”の方が最終的には確かな力を持つことを意識しておくことが効果的でしょう。
ベストプライス素麺のおすすめレシピ
ということで最後に、私がこのベストプライスの素麺をどうやって食べているか?のご紹介です。ベストプライスの中には数々の名品があり、ここではそれらを駆使した「コク旨ビビンそうめん」、とってもおいしいので作ってみてくださいね!
■「コク旨ビビンそうめん」の作り方

ベストプライスのアイテムが大活躍する「コク旨ビビンそうめん」。
そうめん(※)200g、キムチ(※)大さじ5~6、焼肉のタレ(※)大さじ2、ごま油(※)大さじ2、鶏むね肉1枚、キュウリ1本、温泉卵2個、きざみのり少々、塩少々
【作り方】
・鶏むね肉はレンチンなどで蒸し鶏にして細かく切っておく。キュウリは細切りにして塩もみをしてしぼっておく。
・そうめんを30秒短くゆでて、冷水で冷やし、ボウルの中に冷やしたそうめん、具材、調味料を入れてよく和え、温泉卵ときざみのりをトッピングする。
ぜひ試してみてくださいね!
※イオントップバリュ ベストプライスの商品を使用しました。
<文/スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)