鮮やかな紅葉を満喫できる河口湖もみじ回廊

秋が深まるとともに各地から流れて来る紅葉の便りを聞くと、紅葉狩りに出かけたくなりますね。
観光名所が集まっていて、普段から多くの観光客で賑わう場所も、この時期になると紅葉が彩るスポットが加わり、さらに多くの人が非日常を楽しみに訪れるようになります。
そんな人気ある場所の中から、今回は富士山麓にある河口湖に注目。河口湖の北岸で楽しめる「河口湖もみじ回廊」をご紹介します。日中はもちろんのこと、ライトアップで照らされる幻想的な紅葉は、忘れられない思い出になることでしょう。
秋の深まりとともに現れるもみじの風景

河口湖は、山梨県の南側、富士河口湖町にある湖。富士山の北側に位置し、山中湖、精進湖(しょうじこ)、本栖湖(もとすこ)、西湖(さいこ)と共に「富士五湖」として親しまれています。
富士五湖の中では山中湖に次いで2番目に面積が広く、富士急行線 河口湖駅がある湖の南側は富士急ハイランドなどのレジャー施設があり、ボート遊びや釣りを楽しむときの拠点として賑わっています。また、北側は湖越しに富士山が見えるスポットと共に「河口湖美術館」「河口湖音楽と森の美術館」などの美術館が多く集まっています。

秋の深まりとともに人気が高まるのが、河口湖の北側。美術館通りの道路脇には街路樹としていろはもみじが植えられており、10月末から11月にかけて美しく色づくため、紅葉を眺めながらドライブや散策を楽しむことができます。
お天気が良く見通しに恵まれると、最初に紹介した写真のように湖岸から富士山と紅葉のコラボレーションを楽しむことも可能です。まさに「絵になる」風景の一つと言えるでしょう。
紅葉と黄葉に覆われるもみじ回廊

いろはもみじの紅葉が彩る美術館通りを西に進むと、色づいた木々がまとまっているスポットが右に見えます。ここが河口湖もみじ回廊です。

河口湖に流れ込む、幅数メートルほどの小さな川「梨川」の両岸を紅葉・黄葉が覆い尽くします。
視界のすべてを紅葉・黄葉が包み込む迫力の風景が多くの人の記憶に刻まれて、毎年たくさんの人が訪れる深秋の人気イベントになりました。

もみじ回廊の紅葉・黄葉が楽しめるのは、例年10月下旬から11月中旬頃まで。この時期に合わせて富士河口湖紅葉まつりが開催されます。

紅葉・黄葉に覆われたもみじ回廊の川岸は狭いですが、紅葉の木の下を歩いて通り抜けることができます。写真を撮り歩いている方も多く、混雑しているときにじっくり止まって紅葉を見るのは難しいこともありますが、譲り合いの心で楽しみたいですね。

紅葉の見え方は、太陽の光の当たり具合で大きく印象が変わります。一期一会の風景を楽しみましょう。
夜空に光輝くもみじ回廊のライトアップ!

素晴らしい紅葉・黄葉が堪能できる河口湖もみじ回廊を楽しめるのは、日中だけではありません。富士河口湖紅葉まつりの開催期間中に行われるライトアップは必見です。

日没を迎える頃、美術館通りの山の橋から上流の梨川橋までの約200メートルの間、梨川の両岸の紅葉がライトアップされます。

夜の帳が下りると、まさに夜空に浮き上がるような光輝く紅葉を目の当たりにすることができますよ。2022年度からは、梨川橋の上流側を「奥の細道」として紅葉のライトアップが行われます。

ちなみに河口湖の標高は830メートルと高い位置にありますので、秋とは言っても夜はかなり冷え込みます。
ライトアップを見るときはセーターなど1枚多く着込んだり、手袋を持って行くなど寒さへの備えをしっかりしてから訪れると良いでしょう。
日中、夜とも素晴らしい紅葉を堪能できる河口湖もみじ回廊をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
近隣の美術館めぐりも楽しいですし、河口湖を含めた富士五湖周辺には温泉の日帰り入浴施設も点在していますので、のんびりと河口湖の紅葉を楽しみに出かけてみてください。
河口湖もみじ回廊へのアクセス
鉄道
JR中央線 特急「富士回遊」(1日3便)で新宿駅/千葉駅から河口湖駅へ直通。または、特急「あずさ」「かいじ」に乗車して大月から富士急行線に乗り換え、河口湖駅下車。
河口湖駅からは富士急バス 河口湖周遊バス(レッドライン)に乗車し、久保田一竹美術館バス停下車。ただしバスの最終は18時台と早いため、ライトアップ時間帯の移動はタクシー等の利用が必要です。
東京駅八重洲南口(富士急バスとJRバス関東)、バスタ新宿(富士急バスと京王バス)など各地より河口湖駅までの高速バスが運行中。河口湖駅からは「鉄道」と同じ。
中央自動車道 河口湖インターチェンジより、河口湖大橋を経由して国道137号線に合流。すぐに河口湖美術館方面の県道21号線(湖北ビューライン、美術館通り)へ左折。
富士河口湖紅葉まつり開催期間中のみ、河口湖猿まわし劇場の奥や河口湖美術館などに駐車場が用意されます。東名高速 御殿場インターチェンジから国道138号線、東富士五湖道路 富士吉田インターチェンジ経由でも行くことができます。
執筆者:村田 博之(名所・旧跡ガイド)