酔って「性格が変わる」説はありえない? 脳科学者に質問したら驚きの真実が判明 - ビュー

時刻(time):2022-09-05 20:33源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
泣き上戸、笑い上戸…飲むほど増えがちな言動の乱れ お酒はうまく飲めば楽しいものですが、度を超すと、思わぬ失敗を起こしてしまうこともあります。多少の個人差はありますが、飲む量が増えるに伴って、心や行動が乱れてくるパターンはだいたい決まっているものです。 お付き合い程度にお酒が飲めるという平均的な人の場合、だいたいビール大瓶1本くらいに含まれ

泣き上戸、笑い上戸…飲むほど増えがちな言動の乱れ

お酒はうまく飲めば楽しいものですが、度を超すと、思わぬ失敗を起こしてしまうこともあります。多少の個人差はありますが、飲む量が増えるに伴って、心や行動が乱れてくるパターンはだいたい決まっているものです。

お付き合い程度にお酒が飲めるという平均的な人の場合、だいたいビール大瓶1本くらいに含まれるエタノールを摂取すると、陽気な気分になり、会話もはずんできます。一般的には、これくらいがお酒を楽しむ適量です。

ところが、ビール大瓶3本くらいになると、気が大きくなり、大声でがなりたてたり、怒りっぽくなったりします。人によっては、急に泣き出したり、笑いが止まらなくなったりと、本能的な感情があらわになります。

さらに飲み続けてビール大瓶4~6本になると、千鳥足になったり、1つの物が2つ以上に見えてしまったり、ハアハアと息が切れやすくなり、吐き気もしてくるなど、不調が現れます。「酩酊期(めいていき)」と呼ばれて、すっかり酔っぱらった状態です。

それ以上飲むと、まともに立てなくなり、意識もはっきりしなくなります。ひどい場合には、急性エタノール中毒で死んでしまう危険もあります。

酔って性格が変わるのはなぜ? 原因は脳に作用するエタノール

お酒に含まれていて私たちを酔わせる成分は、アルコールの一種である「エタノール」です。

エタノールは脳に作用すると、麻酔薬のように神経を麻痺させます。しかし、脳全体にエタノールが行き渡っても、すべての場所が同じように麻痺されるわけではありません。脳の中にはエタノールに敏感で麻痺されやすい場所と、鈍感で麻痺されにくい場所があるのです。

脳の中でもっともエタノールに敏感なのは、前頭前野です。次いで、他の大脳新皮質、大脳辺縁系です。脳幹は鈍感です。したがって、お酒を飲み進めていくうちに、前頭前野→他の大脳新皮質→大脳辺縁系→脳幹という順番で、段階的に脳が麻痺されていくのです。

お酒を飲んだときに、心や行動に現れる変化のパターンがみんな大体一緒なのは、私たち人間の脳のつくりが基本的に同じであり、エタノールによって脳の麻痺が進行する順番が決まっているからです。

エタノールで外れる脳のブレーキ…理性による抑えが利かない状態に

イヌやネコなど多くの動物は、知らない人や動物に出会うと、さっと身構え、相手を威嚇します。ときには大きな声で吠えます。本能的に、相手を攻撃することによって、自分を守ろうとするからです。こうした動物が共通して持つ攻撃的な本能は、脳の中の「大脳辺縁系」の働きによって生み出されます。

人間でも動物のように、いきなり攻撃的にふるまう方もいますが、多くは、知らない人に出会うと、むしろ本能的な衝動を隠すことによって、自分を守ろうとします。たとえば、相手が見えていても見えないふりをしたり、怖いと感じでも逆に笑顔を見せたりします。

このような、自分の本能的衝動を隠そうとする人間独特の反応は、脳の中の「前頭前野」の働きによって生み出されます。

私たち人間の大脳辺縁系は、動物とほとんど同じですから、人間も動物と同じような本能的衝動を抱いているのです。しかし前頭前野が発達しているため、人間はそうした衝動を「理性」によって抑え込むことができます。

たとえば、無口な人だからといって、何も考えていないとは限りません。本当は言いたいことがあっても、前頭前野が担う「理性」の働きによって「言わないほうがいいだろう」と考えて、余計なことを言わないように抑えているだけかもしれません。

ところが、前頭前野はとてもエタノールに敏感で、お酒を飲み始めると一番初めに麻痺します。そうすると、理性によるブレーキがかからなくなり、普段は抑えていたことが、そのまま口からすべって出てきます。普段は物静かなのに、飲むと「おしゃべり屋」に変わる人がいるのはそのためです。

お酒の失敗で現れるのは「元の性格」…後悔する前に飲酒量はほどほどに

よく「普段は良い人なのに、お酒を飲むと性格が変わる」などと言われることがあります。しかし脳科学的に見ると、実はそうではありません。性格そのものはお酒で変わらないからです。

お酒を飲んだときに見られる言動は、その人が元々持ち合わせている「本音」や「本性」と言えます。お酒を飲んでいないときは理性でそれを抑え込んでいただけで、お酒を飲むと抑えきれなくなって、本性が出てしまうということです。

「お酒の失敗」がある人は少なくないかもしれませんが、失敗を繰り返して自己嫌悪に陥らないためには、飲酒量をほどほどにするなど、理性があるうちにお酒の量を調整することも大切です。

阿部 和穂プロフィール

薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。


執筆者:阿部 和穂(脳科学者・医薬研究者)
(エディタ(Editor):dutyadmin)
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