冷たいもので頭がキーンとするのは世界共通? アイスクリーム頭痛の原因を医師に聞いてみ

時刻(time):2022-08-12 19:33源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
冷たいもので頭がキーン……なる人・ならない人がいるのはなぜ? アイスクリームやかき氷などの冷たいものを食べたとき、頭がキーンとするような頭痛。正式な病名ではありませんが「アイスクリーム頭痛」と呼ばれるもので、筆者自身も経験したことがあります。英語でも「ice cream headache」という言葉があるようです。 1988年の欧米の教科書の『Headache』(頭痛)では、

冷たいもので頭がキーン……なる人・ならない人がいるのはなぜ?

アイスクリームやかき氷などの冷たいものを食べたとき、頭がキーンとするような頭痛。正式な病名ではありませんが「アイスクリーム頭痛」と呼ばれるもので、筆者自身も経験したことがあります。英語でも「ice cream headache」という言葉があるようです。

1988年の欧米の教科書の『Headache』(頭痛)では、無作為で選ばれた集団の3分の1にice cream headacheがあると記されており、この頭痛を感じる人は少なくないことが分かります。


アイスクリーム頭痛とは……症状・メカニズム・血流増加や三叉神経が関係か

アイスクリーム頭痛は、かき氷やアイスクリーム、冷えた飲み物などの冷たいものを摂取してから数秒後に起こり、30~60秒にピークになる頭痛のことです。主に中前頭部に起こりますが、人によっては側頭、前頭、後頭部の片方のみに痛みを感じることもあるようです。

原因としては、次の2つの説が有力と考えられています。

一つは血流によるもの。冷たいものを食べると口の中の温度は急に低下します。体は反射的に体温を上げようと血管を拡張させるため、血流が増えることになります。こうした血管の動きが脳の血管に刺激及び炎症を起こし、頭痛が起こるのではないかというものです。

もう一つは三叉神経によるもの。冷たいものが口やのどを通過するとき、口の中の三叉神経が刺激されます。この冷たさを痛みとして感じることで頭痛が引き起こされるというものです。口内の冷たい刺激が自律神経を刺激することが原因になっているケースもあります。


アイスクリーム頭痛になる人・ならない人の違い・割合

病院を受診される患者さんの場合、40%弱にアイスクリーム頭痛の経験があり、アイスクリーム頭痛は、片頭痛のない人よりも片頭痛のある人に3倍多く見られるとの報告があります。しかし一般的には、片頭痛がなくてもアイスクリーム頭痛になるという報告もあるので、明確に区別はできません。

「片頭痛がある人の方が起こりやすい」と考えられますが、体質というよりも、後述する「予防法」で解説するような、食べるときの早さや食べ方なども関連しているのかもしれません。また、大人で約15%、中学生のアンケート調査でも約40%見られたとの報告がありますので、誰もが経験する頭痛といえます。

アイスクリーム頭痛の予防法・対処法

アイスクリーム頭痛はごく短時間の頭痛なので、特に病院受診や治療は必要ありません。とはいえ短期間でも強い頭痛は不快な症状なので、できれば予防したいもの。冷たいものを飲んだり食べたりするときは、口の中が急に冷えないよう、なるべくゆっくりと時間をかけて食べることが効果的です。

特に、口の上側の奥の方にある口蓋にはなるべく冷たすぎる状態のものが触れないようにしてみてください。

アイスクリーム頭痛による死亡例はないが、急激な頭痛には注意を

アイスクリーム頭痛による死亡例を気にされる方もいるようですが、その頭痛が本当にアイスクリーム頭痛であれば心配ないでしょう。ただし、頭痛の原因がクモ膜下出血や脳出血などによるものであれば、緊急性が高いですし、命に関わります。

アイスクリーム頭痛に限らずどの頭痛でもそうですが、片頭痛や緊張性頭痛だろうと思っていたら、命に関わる頭痛だったというケースもあります。

そのため、冷たいものを食べた直後であっても、急な頭痛が数分で治まらない場合や、吐き気、嘔吐、意識がなくなるなどの他の症状が出た場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。

また、慢性的な頭痛の場合は、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛などの可能性があります。これらは緊急性は高くありませんが、いずれも医療機関を受診するのがよいでしょう。ただのアイスクリーム頭痛を怖がる必要はありませんが、正しく見分けて、適切に対処することが大切です。

清益 功浩プロフィール

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。


執筆者:清益 功浩(医師)
(エディタ(Editor):dutyadmin)
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