コロナ禍こそ「五月病」を見逃すな! 意識したい対策ポイント5つを公認心理師がアドバイス

時刻(time):2022-05-16 20:23源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
4月に環境の変化があった人は、「五月病」に要注意! ゴールデンウイークが明けるころから、やる気が出ない、疲れがとれない……。そんな感じを覚えるなら「五月病」の可能性があるかもしれません。 「五月病」は、4月に環境の変化があった人が、ゴールデンウイークの長期休みが終わったころから、心身の不調を感じること。医学的な病名ではありませんが、こじら

4月に環境の変化があった人は、「五月病」に要注意!

ゴールデンウイークが明けるころから、やる気が出ない、疲れがとれない……。そんな感じを覚えるなら「五月病」の可能性があるかもしれません。

「五月病」は、4月に環境の変化があった人が、ゴールデンウイークの長期休みが終わったころから、心身の不調を感じること。医学的な病名ではありませんが、こじらせると本格的な病気になってしまうこともあります。

4月から新しい学校に入学した、上の学年に進級した、新しい会社に入社した、昇進した、部署の異動や転勤があった、引っ越しをした……このように、4月に大きな環境の変化があった場合、ゴールデンウイーク明けは「五月病」に要注意なのです。

とくにコロナ禍においては、本人も周りも「五月病」に気づきにくく、知らずのうちに状態を悪化させてしまう可能性もあります。

「五月病」によくある悩み、心身の症状とは?

「五月病」は多くの場合、気分や意欲の低下、だるさや疲れやすさ、といった症状で現れます。

・4月には「あれもこれも頑張ろう!」と思えていたのに、どれもこれも、どうでもよく思えてしまう

・何を見ても、心が動かされない。何をしても疲れてしまい、続けたいと思えない

・何時間寝ても、ぐっすりと眠れた気がしない。いくら休んでも、疲れがとれた気がしない

・仕事や学業への意義を見出せず、「これをやって何になるんだろう?」と思ってしまう

・人と話をするのが億劫。1日中誰とも会わずに、部屋の中で過ごしたい

ゴールデンウイーク明けから上のような状態が続くなら、「五月病」の可能性を考えてみるといいかもしれません。

マスク、ソーシャルディスタンス……コロナ禍は“偶然の笑い”が少ない

コロナ禍では、「五月病」にはとくに注意が必要です。マスクの常時着用とソーシャルディスタンスの状態が続くため、他人だけでなく、自分自身も自分の心身の変化に気づきにくいのです。

一般的に、「人は、楽しいことがあるから笑うもの」と思う人が多いのではないでしょうか? それも真実。一方で、人の心には「笑うから、楽しいと感じる」という作用もあるのです。

偶然、何かのきっかけでプッと笑ってしまうようなこと、ありますよね。そのときに表情筋が動いた刺激が脳にフィードバックされると、「楽しい」という感情が生じる。この現象は、心理学で「表情フィードバック仮説」と呼ばれています。

笑いのない環境では「表情フィードバック仮説」の効果を期待できない

コロナ禍のなかでは、この「表情フィードバック仮説」の心理効果を活用しにくいのです。

理由の一つに、マスク着用とソーシャルディスタンスの状況では、偶然の笑いのきっかけが得にくいことがあげられます。会話は最小限にし、お互いに距離をとることが求められているのですから、人づての“偶然の笑い”を期待することができません。

そして、そもそも新しい環境に移って1カ月もたてば、新しい環境のマイナス面も透けて見え、仕事や学業、人間関係への疑問や不信感も生じやすくなるもの。

ネガティブな気持ちを覚えるなかで、“偶然の笑い”による「表情フィードバック仮説」の効果も期待できない状況では、「五月病」の憂うつが深まってしまうのも無理はありません。

コロナ禍だからこそ意識したい!「五月病」対策5つのポイント

したがって、コロナ禍だからこそ「五月病」対策はしっかりしておきたいもの。「五月病」対策のポイントを5つ記しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 「五月病」は自然によくなる、とおおらかに考えよう

4月に環境の変化があった人なら、誰にでも多少は生じるのが「五月病」。「4月の疲れが出ているんだな」と捉え、「いずれ自然によくなるだろう」とおおらかに考えましょう。

2. 今は、目の前の「やるべきこと」ができれば十分

疲れが出ているときには、無理をしないのが鉄則。仕事や学業など、目の前の「やるべきこと」にだけ意識を向け、それ以外のことには“省エネ”でいきましょう。

3. 睡眠と食事のリズムは一定にキープ

入眠と起床の時間、1日3食の食事は、一定のリズムをキープするようにしましょう。生活習慣が乱れると、心身の調子はさらに悪化してしまいます。

4. グチが湧くのは当然。誰かに聞いてもらう

この時期にネガティブな思いが湧くのは自然なこと。グチを誰かに聞いてもらいましょう。親、きょうだい、友人、先輩、カウンセラーなど、話しやすい人に話すといいでしょう。

5. 目標は必ず見えてくる。あせらない、嘆かない

「五月病」の渦中には目標が見いだせず、絶望的な気持ちになります。でも、目標はひょんなことから、見出していけるもの。今はあせらず、嘆かず、日々を淡々と重ねていきましょう。

「五月病」が5月で終わらなかったら、専門医に相談を

上の5つのポイントを意識して、5月を過ごしてみてください。きっと6月を迎えるころには不調を少しずつ抜け出し、楽になれることでしょう。

6月になっても心身の不調が続くようなら、「五月病」より深刻な状態に移行している可能性もあるので、一度、心の専門医に相談するのもよい方法です。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。


執筆者:大美賀 直子(公認心理師)
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