オランダ在住のトリコさんという女性が、現地での散髪ビフォー・アフターをTwitterで公開し話題になりました。大竹しのぶさんの写真を持参して「こういう感じにしてください」と伝えたトリコさんのアフターはこちら。
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ベリーショートを大きく超え、角刈りです。これはこれでとても個性的でステキですが、大竹しのぶさんというよりもミルクボーイの内海さんが一瞬脳裏を横切ります。
この髪型に至るまでの経緯(?)について、体験者のトリコさんに話を聞いてみました。
最初から最後までバリカンだった
――角刈りですね。
トリコさん(以下、トリコ)「はい。ものすごい角刈りです。大竹しのぶさんと綾戸智恵さんの写真をお渡して、ベリーショートにして欲しいとオーダーをしたのですが、最初から最後までバリカンしか出てきませんでした。『坊主になるか?!』と思っていたのですが、結果まさかの角刈りに落ち着きました」

――どのような経緯でこの髪型に至ったのでしょうか。
トリコ「昨年にオランダに母子移住したのですが、髪を切る暇もなく伸びきっていたのでとにかく短くしたかったんです。あとは海外で髪を切ると、想像とは違った仕上がりになるという話をよく聞いていたので、『海外で日本人以外の美容師にまかせられない説は本当か』という好奇心も検証したくて、近所の床屋さんに飛び込んでみました」
「全然違う!」と笑ってしまった
――美容室ではなく床屋さんで切られたんですね。
トリコ「はい。せっかくオランダで暮らすことになったのだから、地元の文化に飛び込んでみたいと思い、徒歩でいける近所の美容室・床屋さんを探しました。オランダの田舎町なので美容室はなく床屋さんになりました。床屋さんを予約する際に『30分でカットできるよ!』と言われ、『そんな短い時間でカットできるの!?』と驚きました」
――日本だとカットだけでも、1時間くらいかかりますもんね。

トリコ「大竹しのぶさんと綾戸智恵さんのお写真を渡してオーダーをしたら、『OK!! まかせて!』という感じでスムーズにオーダーが通ったので、期待できると思ったんです。ただ、最初から最後までバリカンしか出てこなくて、途中モヒカンになったところで『全然違う!』と逆に笑ってしまいました」
――モヒカン、すごいですね。
トリコ「前髪だけはさすがにハサミで切ってくれるかな、と期待したのですが毛の詰まったバリカンで最後にガッガッと削って終わりました」
店員の反応は「Good Job!!!」
――力技ですね!
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トリコ「日本の美容師さんだと、ところどころ『大丈夫ですか?』『長さはこんな感じでどうですか?』と確認しながら進めてくださるのですが、今回の床屋さんは何も言わずに黙々と作業をして、最後に『Good Job!!!』とご自身がとても満足されていました。もともと、どうなるかなと楽しみにしていったので、どんな仕上がりでもよかったのですが角刈りには驚きでした」
――なかなかできない体験ですね。
トリコ「オランダの若者たちはアムステルダムなどの都市部で髪をカットしたり、美容室に行くことが多いみたいです。私は、自分の住む街でカットしたいと選んだお店なので、地元の文化に飛び込めたことにはとても満足しています」
オランダで着物のレンタルなどをしている
――トリコさんは、オランダで「晴レル屋」という着物のお店をされているとブログにありますが、どのようなお仕事をされているのでしょうか。
トリコ「着物のレンタル・着付け・撮影の仕事をしています。オランダにいる日本人が七・五・三などの記念日に着物を着て撮影したり、現地の方が着物を着て好きな場所で撮影する際に利用をしていただいています」
――お店の反響はいかがですか。
トリコ「オランダで私が日本人だという話をしても、『どこにあるの?』『中国の中にあるの?』など、日本をあまり知らない方が多いのですが、着物をみると皆さん『ジャパニーズキモノ!』ととても喜んでくださります。日本のことを詳しく知らなくても、着物が日本のものであることを知っている方はとても多いです。街中で着物の撮影をしたり、着物を着て歩いていると『mooi!!(キレイ)』『着てみたい』と多くの方に声をかけてもらえます」
コロナ禍にオランダへ移住
――トリコさんは、2021年に母子でオランダに移住されたとブログにありますが、なぜ移住されたのでしょうか。
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トリコ「もともと、子どもと日本以外の国で暮らしたいと夢見ていました。何年も前からいろいろな国のことを調べていた中でオランダは移住する人が多く、教育移住する人も多いという情報を知り興味が湧いたんです。途中から、海外で日本の着物文化を広めたい・その仕事がしたいという気持ちが高まり、どんどん楽しみになっていきました」
――教育移住をする人が多いんですね。
トリコ「オランダは子育てがしやすい国と言われていて、ビザもとりやすく移住した方へのフォローも手厚いんです。何よりもオランダの子どもたちの幸福度と自己肯定感が世界で見てもとても高いことを知り、オランダで子育てをしたいという気持ちが高くなりました。コロナ禍でなかなか動くことができず、準備をするだけだったのですが、家庭の事情やワクチン接種が終わったこと、オランダに家が見つかったことで、『今がタイミングだ!』と判断し、移住しました」
自由な気持ちでわいわい生活中
――すごい行動力ですね。実際にオランダに住んでみてどうですか。

トリコ「オランダ語も英語もできないので、大変な面もありますが子どもが通う学校の先生や近所の方など皆さんとても親切にしてくれます。移住者が多い街なので、日本人だからという理由で嫌な思いをしたことも今のところありません。子どもはもちろんですが、私もわからないことだらけなので、母子で団結してゼロからこの国で学んでいこうという心意気でいます。日本では親である私が子どもに教える立場だったのですが、オランダでは私も子どもと同じくらいわからないことだらけですし、子どもたちの方が言葉の取得も早いので、私が子どもに教えてもらうという場面も多々あります」
――家族の絆が深まりそうですね。
トリコ「慣れない土地の不安や不便さももちろんありますし、どちらの国が良いという話ではないと思っています。ただ、私たち家族にとって知らない土地で新しい生活に挑戦する日々は、刺激的でとても幸せです。地元の床屋さんにいったのも、この土地で起きるワクワクや驚きを感じることができた大切な経験の一つです。今まで感じていた『こうあるべき』『こうすべき』という価値観はなくなり、自由な気持ちでわいわい生活しています」
オランダの人々と、文化を超えて繋がりたい
トリコさんは今後、「晴レル屋」の仕事を通してオランダの人々と、文化を超えて繋がっていくのが夢とのことです。
「着物を通して何ができるのか、オランダでどんな出会いが待っているのかを考えるとワクワクしますし、『晴レル屋』で挑戦したい夢が広がっています」(トリコさん)
海外での仰天カット写真から、異国の文化に飛び込むトリコさんの期待に満ちた生活を垣間見ることができました。
【晴レル屋 Hallelujah Kimono】
着物歴25年。元呉服屋勤務トップセールスの記録を持つプロが厳選した本物の着物300点以上をレンタル撮影イベントなどで利用できる。4人の子ども達と母子移住したリアルな毎日を綴ったblogも好評。
〈晴レル屋 Hallelujah Kimono〉Twitter:@trico_kimono/Instagram:@trico_kimono
〈母子移住オランダ生活 〉Twitter:@trico_love4/Instagram:@trico_love4
<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。
(エディタ(Editor):dutyadmin)


