Ifopの調査(Ifop社※)によると、フランス人女性の4分の3に当たる74%が夏に向けてビキニラインの脱毛をしています。
そのうち25歳以下の女性の2人に1人、25歳から34歳の女性の3分の1がハイジニーナが好みだと回答。また、ビキニラインを含む全身の脱毛をする人の割合も春(12%)から夏(22%)にかけて増えることがわかりました。フランス人女性の多くは、なぜVIO脱毛をするのでしょうか?
Q. フランス女性が「VIO脱毛」する理由は?
VIO脱毛をする理由で、多かった意見を順に見ていきましょう。
アンダーヘアがない方が美しいと感じる、肌がツルツルしている、軽くなる、柔らかい、水着や下着からはみ出さないように……など、見た目の美しさを求める意見が上位を占めています。
男性が女性にオーラルセックスをするときに、ヘアが無い方がしやすい、汚くない、口にヘアが入らず快適だから。
ヘアがない方が性交時に興奮が高まったり、より感度が高まって気持ちいいと感じる。
34歳以下の女性の29%が、パートナーからアンダーヘアを処理するよう要求されたことがあると回答。同様に、25%の男性がパートナーにハイジニーナにするよう頼んだことがあると回答しています。
フランスでは衛生面でのメリットをあげる人は意外と少数派です。ヘアがあると汚いと感じる人がいる一方で、多くのフランス人はアンダーヘアがあっても、洗浄やケアで清潔に保つことができると考えているようです。
フランスのポルノ映画やビデオに出演している女性の大半はハイジニーナです。ポルノビデオに影響されたパートナーに要求されたり、若い女性の中には「ヘアのないセックスの方が相手が興奮する」と思い込んでハイジニーナにする人もいます。
以上から、美観的・衛生的な理由以外に、質の高いセックスを楽しむため、パートナーに喜んでもらいたいという、センシュアルな理由から脱毛する傾向が強いことがわかります。「アムール(=愛)」を大切にする、フランスらしい結果といえるでしょう。
また、10人に1人以上の女性が、自分自身のアンダーヘアがケアされていない状態、あるいは全く脱毛していないことを理由に相手とのセックスを拒否したことがあると回答しています。
そして4人に1人の男性が、パートナーのヘアが汚かったり臭かったことを理由にオーラルセックスを拒否したことがあると回答しています。
Q.「毛を抜く」習慣は紀元前から存在していた?
「毛を抜く」という習慣は、実は紀元前2000年ごろにさかのぼるといわれており、埋葬跡からも毛抜き用ピンセットが発掘されています。
古代ギリシャの女性たちは、すでにビキニラインの脱毛を実践しており、当時の裕福な女性は美容師にオイルランプで毛を焼いてもらうという初歩的な方法で脱毛していました。
エクス・マルセイユ大学の人類学教授クリスチャン・ブロムベルガー氏も、著書『L’essence du poil(毛の本質)』の中で「中世から16世紀まで、裕福な女性は全身の脱毛をしていた」と書き記しています。
Q. フランス女性はいつからVIO脱毛するようになった?
フランスで脱毛する習慣が始まったのは、海水浴到来の1920年代以降。水着を着るために女性たちはワキの脱毛をするようになりました。
さらに1946年にナイロン製のストッキングが誕生し、身体の露出が増え、スカート丈が短くなるにつれて脚の脱毛をするようになりましたが、VIO脱毛はまだ一般的ではありませんでした。
1980年代にカリフォルニアから流入したエアロビクスブームによるハイレグの水着の登場と、ポルノ産業の発展により、ビキニラインの脱毛が広まりその流れは社会に定着していきました。
1990年代にはチケメトロと呼ばれるI型が生まれ、2000年代にはハイジニーナにする女性が増加しています。
※:https://www.charles.co/Enqute%20Ifop%20x%20Charles.co%20Jan21%20-%20Pilosit.pdf(Ifop社、2021年1月25日)
執筆者:立神 詩帆(フランス流美容ガイド)