パラパラしっとり。基本の親子鶏そぼろ丼【有名シェフのお助けレシピ #2】
栄養たっぷりで、価格も手ごろな卵。一年中、店頭に並びますが、じつは春が旬だとご存じですか?俳句でも、「卵」は春の季語に分類されているんです。黄色と白の組み合わせも、なんだか春らしいですよね。そこで4月は、卵を使うひと皿を、和洋中のシェフたちに教えてもらいます。有名シェフ一押しのひと皿は、定番料理から意外なアレンジ料理まで、じつにさまざま。
第2回は和食の匠、野永喜三夫さんによる「親子鶏そぼろ丼」。使う調味料はたったの3つ、フライパンひとつでできるのに、上品な味に仕上がります! 調理時間:15分
「今回紹介するのは、まな板、包丁いらず、フライパンひとつでできる鶏そぼろの親子丼です。いり卵も鶏そぼろも定番の常備菜ですが、自分では作ったことがないという方もなかにはいるのではないでしょうか。
気軽にチャレンジしてもらいたいので、シンプルな調味料を使っておいしくできるレシピを考えました。みりんもだしもなし!砂糖とお酒、しょうゆの3種類だけを使います。料理酒には塩が入っているから、日本酒を使ってくださいね。お酒を切らしていたら、白ワインでも代用できますよ。
炒り卵も鶏そぼろもゆっくり火を通しながら、ゴムベラでかき混ぜるのが成功のポイントです。ゴムベラをお持ちでなかったら、100円ショップの商品で十分なのでぜひ準備してください」
材料(2人分)
・卵……3個・砂糖……大さじ2杯
・酒……大さじ1杯
・鶏ひき肉……200g
a. 水……60cc
a. 酒……60cc
a. しょうゆ……大さじ2杯
a. 砂糖……大さじ1杯
・ごはん……適量
・三つ葉(2cm幅・ざく切り)……適量
・紅しょうが……適宜
作り方
1. フライパンに砂糖、酒、卵を入れ、よく混ぜる
フライパンに砂糖、酒、卵を加え、ゴムベラでよく混ぜます。「最初は砂糖の音がじゃりじゃりします。この音がなくなるくらいまで混ぜてください。酒を入れることで、いり卵のツヤが増してしっとり仕上がります」
2. 混ぜながら弱火で加熱する
弱火でゆっくり加熱しながら、ゴムベラでまんべんなく混ぜます。スクランブルエッグを作るように、ひたすら混ぜるうちに、きれいな炒り卵ができあがります。 「白身は混ざっていなくても、加熱しながらかき混ぜるうちに目立たなくなります。鍋肌にこびりついた卵はヘラできれいに剥がして、混ぜ込んでくださいね。卵が焦げそうになったら、火からフライパンを外して。余熱を活用しながらかき混ぜます」 パラパラの炒り卵ができあがりました。「鍋底に卵がくっつかなくなったらできあがりです。すぐに食べるときはしっとりめでもいいけれど、お弁当に入れる場合は、パラパラに炒りつけたほうが傷みにくいですよ」
3. フライパンに鶏ひき肉、(a)を加えて混ぜる
冷たいフライパンに鶏ひき肉、(a)の調味料を加えてよく混ぜます。「水を加えるのは、できあがりをしっとりさせるためです。火を入れる前に、調味料とひき肉を同化させておけば、ダマになる心配ご無用!しっとりしたなそぼろになりますよ」
4. ゴムベラで混ぜながら中火で加熱する
中火でゆっくり加熱しながら、ゴムベラで満遍なく混ぜます。ひたすら混ぜるうちに、細かな鶏そぼろができあがります。ある程度そぼろの形ができたら、ときどき混ぜる程度でOKです。 「冷たい温度から鶏肉を加熱するから、いいだしが出るんです。焦げそうになったら、火からフライパンを火から離して。余熱を活用しながらかき混ぜます。最初は色が薄く感じるけど、煮詰まっていくうちにいい色になっていきますよ」 ゴムベラで鶏そぼろをかき分けても水分が出てこなくなったら完成です。炒り卵と鶏そぼろは、粒の大きさがそろっています!5. 丼ごはんに炒り卵と鶏そぼろを盛り付ける
お好みの量のごはんを盛り、炒り卵、鶏そぼろを半分ずつ盛り付けます。スプーンを使うと小回りが利いて美しく盛り付けられます。「丼の端まできっちり敷き詰めるのがきれいに仕上げるポイントです」
6. 紅しょうが、三つ葉を添える
炒り卵と鶏そぼろの中央に紅しょうが、中央の線に沿って三つ葉を並べます。「紅しょうがも三つ葉もお好みで。真ん中に赤い色、グリーンを添えると、華やかになりますよ」
口の中で混ざり合う、炒り卵の甘さと鶏そぼろの旨味
パラパラの炒り卵と鶏そぼろ。それぞれを食べてもおいしいけど、野永さんおすすめの「味変」を体験すべく、炒り卵、鶏そぼろ、ごはんを一緒に頬張ると、それぞれの旨味が口内で混ざり合い、さらにおいしさが増します。「フライパンで混ぜるだけだから、簡単でしょう!今回ご紹介したポイントを抑えて、ぜひ何度も作って、定番料理にしてほしいです。
これはシンプルな基本のレシピ。お好みでしょうがを加えてもいいし、僕だったら七味や山椒入れてアレンジするかな。
あと、炒り卵と鶏そぼろの2色おにぎりにすれば行楽にピッタリ。鶏そぼろはお豆腐にかけてもいいし、チャーハンに入れてもいい。たくさん作って常備して、いろいろな料理に生かしてほしいです」
匠が試作を重ねて完成させた絶妙な塩梅の味つけは、シンプルな調味料使いとは思えないほど、思わず笑顔になるできあがり。鶏ひき肉や卵液をぐるぐる混ぜるのはちょっと腕が疲れますが、お子さんやパートナーと交代で分担して、同時進行でサラダや汁物を作れば、20分で夕飯が完成します。年度はじめの気忙しい時期にぴったりです。
教えてくれた人
日本橋ゆかり/野永喜三夫さん宮内庁への出入りを許された老舗日本料理店の3代目。「露庵 菊乃井」での修行を経て、「日本橋ゆかり」で確かな技術と独特の感性を生かした日本食を提供している。2002年「料理の鉄人JAPAN CUP 2002」で総合優勝。米国のメディアで日本を代表する料理人として選出されるなど、世界からも注目されている
@kimiononaga | Instagram
野永チャンネル | YouTube
取材協力取材・文/古川あや撮影/宮本信義
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