ごはんが進む!こんがり目玉焼きの納豆炒め【有名シェフのお助けレシピ #1】
栄養たっぷりで、価格も手ごろな卵。一年中、店頭に並びますが、実は春が旬だとご存じですか?俳句でも、「卵」は春の季語に分類されているんです。黄色と白の組み合わせも、なんだか春らしいですよね。そこで4月の本連載では、卵を使ったひと皿を、和洋中のシェフたちに教えてもらいます。有名シェフ一押しのひと皿は、定番料理から意外なアレンジ料理まで、実にさまざま。
第1回は、四川料理店「飄香(ピャオシャン)」のオーナーシェフ、井桁良樹さんによる「目玉焼きの納豆炒め」です。 調理時間:12分
「卵を中華料理の炒め物に使うときはスクランブルエッグにするイメージが強いのですが、僕は端っこをカリッカリにした目玉焼きを使うのが大好き。白身の焦げたところは最高においしいんです!
『目玉焼きの納豆炒め』は、お店のまかないによく登場する『目玉焼きの豆豉炒め』をアレンジしたもの。元々は中国の家庭料理で、中国では水豆豉という粘りのない発酵食品を使います。まかないでは水戻しした豆豉を使いますが、今回はより手軽な納豆をそのまま使いますよ。
豆豉に比べるとコクは少し足りませんが風味は十分。納豆の粘りは炒めるうちになくなってくるので、洗う手間を省いた、より簡単なレシピを紹介しましょう」
材料(2人分)
・卵……3個・豚バラ肉(薄切り)……60g
・ニラ……40g
・納豆……1パック
・輪切り唐辛子……小さじ1杯
・しょうが(みじん切り)……小さじ2杯
・にんにく(みじん切り)……小さじ2杯
・ごま油……小さじ1/2杯
・黒酢……小さじ1/3杯
〈肉の下味〉
・しょうゆ……小さじ1/4杯
・水溶き片栗粉……小さじ1/2杯(片栗粉、水各小さじ1/4杯)
・油……小さじ1/2杯
〈合わせ調味料〉
・紹興酒……小さじ1杯
・しょうゆ……小さじ2杯
・砂糖……小さじ1杯弱
・チキンスープ……大さじ1杯(顆粒スープ可)
・水溶き片栗粉……小さじ1/2杯(片栗粉、水各小さじ1/4杯)
下ごしらえ
・輪切り唐辛子を熱湯に10分ほど浸け、水分を切る・水溶き片栗粉を作る(水……小さじ1/2杯弱、片栗粉……小さじ1/2杯弱)
「唐辛子をお湯に浸けるのは辛味を和らげるため。今回の唐辛子は辛味というより、香りや風味をつけるために使うので、辛いのが苦手な人でも安心して食べられますよ」
作り方
1. 目玉焼きを作る
鍋に多めの油(大さじ4杯・分量外)をよく熱し、いったんボウルに割り入れた卵を流し入れます。中火で熱して、白身が白くなってきたら蓋をして弱火で熱します。「中国の目玉焼きは、たっぶりの油で揚げ焼きのようにして火を通します。卵は直接鍋に割り入れると、黄身が破けたときに取り返しがつかなくなるので、面倒でもボウルに割り入れてから鍋に入れましょう」 6分ほどで目玉焼きの完成です。
「白身が黄身を包むような仕上がりが中国の目玉焼き。中国からのお客さんにこの目玉焼きを出すと、すごく喜ばれます。白身の端のカリカリしているところ、おいしそうでしょう?」
2. ニラを2cmの長さに切る
ニラを2cmほどの長さに切ります。「根元の部分は硬いので、包丁の腹で叩いてやわらかくして使います」
3. 豚バラ肉を7mm角に切り、下味をつける
豚バラ肉を7mm角ほどの大きさに切ります。カットした豚肉、肉の下味の材料を小さめのボウルに加えて、肉に揉み込みます。「肉を7mm角に切るのは、火を通したあとのサイズを納豆の粒とそろえるため。今回は豚バラ肉を使ったけれど、豚こま切れ肉で十分です。
下味を揉み込むときには、肉がくっつかないように油を加えるのがポイントですよ」
4. 合わせ調味料を作る
合わせ調味料の材料を合わせます。「炒めに入る前にすべて準備しておくのが成功の秘訣です。軽くとろみをつける程度なので、水溶き片栗粉はほんの少しで十分ですよ」
5. 目玉焼きを12等分に切る
目玉焼きを12等分にします。4等分してから、さらに3等分にカットしましょう。6. 豚肉、しょうが、にんにく、唐辛子を炒める
下味をつけた3の豚肉をこんがりと焼き、にんにく、しょうが、輪切り唐辛子を加えて軽く香りを出します。7. 納豆を加えて炒める
納豆をパックからそのまま鍋に入れ、よく炒めます。8. ニラ、カットした目玉焼きを加えて軽く炒める
ニラ、目玉焼き、4の合わせ調味料を加え、目玉焼きを壊さないようにやさしく混ぜます。仕上げのごま油と黒酢を入れて、全体を軽く混ぜたらできあがりです!「合わせ調味料は砂糖や片栗粉が底にたまってることがあるので、軽く混ぜてから鍋に入れましょう。
仕上げの黒酢は味をキリッとしめる効果があります。例えばチャーハンの仕上げに入れると、一気にプロの味になりますよ」
目玉焼きと納豆の可能性が広がる、四川の家庭料理!
白身の香ばしいカリカリ、中央はまだ半熟状態の黄身、豚肉、ニラとすべての食材の相乗効果で、ごはんがモリモリ進みそうです。納豆はほっくりした食感に変わり、粘り気が減って糸も引かないので、食べやすいのもうれしい!「卵と納豆はきっとどの家庭でも常備されていると思うので、肉が少し残っているときにちゃちゃっと作ってもらいたいですね。野菜は長ねぎだけでもいいし、ゴーヤで作るのもおすすめです」と井桁さん。
黄身と白身それぞれ違った食感を楽しめるのが、このレシピのおもしろさ。なんだか得した気分になれるひと皿です。
取材・文/古川あや
撮影/宮本信義
教えてくれた人
老四川 飄香オーナーシェフ/井桁良樹さん千葉県出身。高校時代の中華料理店でのアルバイトをきっかけに、中華に魅せられ、料理の道へ。国内で修行したのち、中国へ単身渡り、上海、成都で修業。四川料理の歴史と味を守る松雲門派の日本唯一の継承者で、多彩な味と香りの伝統四川料理で多くの人を魅了している
老四川 飄香(ピャオシャン)|公式サイト
老四川 飄香|公式Instagram
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