40過ぎたら止めるべき「老ける」食習慣! 栄養学のプロが教えてくれた「老けない」食べ方

時刻(time):2022-03-30 19:52源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
老け見え・若見え……見た目年齢と実年齢に差が出るのはなぜ? 同窓会などに参加すると、同い年なのに、まだ若々しく見える人と、年齢よりも老けて見える人がいると思います。年齢を重ねていく中で、いわゆる「見た目年齢」の差が開いていくのはなぜなのか。この違いは「細胞の老化度合い」がもたらしていると考えられます。 では細胞老化スピードの差はどのよう

老け見え・若見え……見た目年齢と実年齢に差が出るのはなぜ?

同窓会などに参加すると、同い年なのに、まだ若々しく見える人と、年齢よりも老けて見える人がいると思います。年齢を重ねていく中で、いわゆる「見た目年齢」の差が開いていくのはなぜなのか。この違いは「細胞の老化度合い」がもたらしていると考えられます。

では細胞老化スピードの差はどのようにして出てくるのでしょうか?

若さと長寿の秘訣は「細胞分裂のスピードを落とすこと」?

細胞は常に新陳代謝を行っており、あたらしい細胞と入れ替わっています。細胞をつくるための設計図は遺伝子。これはみなさんご承知の通りです。

人の遺伝子は父親から1本、母親から1本を受け継いだ2本で一対になっています。両親から1本ずつもらって2本あるということは、「端っこ」があるわけです。

遺伝子は体や性格をつくるためのデータですから、このデータが失われることは大問題。そのため、端までデータを失わないために、もしくは端のデータを失っても問題が起こらないように、両端に何も書かれていない部分が存在します。この部分を「テロメア」といいます。

「テロメア」は昔のカセットテープの「リード部分」とか、靴ひもの先端の硬いところと説明されることもあります。なくても困らないようでいて、ないと困る部分です。

その証拠に、この「テロメア」は単なる端っことしての役割だけでなく、体細胞が分裂した回数をカウントする役割をしています。言ってみれば「寿命の回数券」です。この回数券が尽きると、細胞は分裂できなくなり死を迎えるのです。

ここでのポイントは「回数券」であるということ。すなわち、細胞分裂の「回数」は決まっていますが、次の分裂までの「間隔」は決まっていないのです。1回の分裂でできた細胞は、長く使うことができても、短期間しか使えなくても、1回は1回として数えられるのです。

つまり、次の分裂が遅くなればなるほど、若い状態を保つことができますし、長寿にもなるということです。

「食べ過ぎは老ける」は本当か……老けない人の食べ方のヒント

 J. Colman , M. Anderson , C. Johnson et al.: Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys, Science 325 , 201-204 , 2009
 J. Colman , M. Anderson , C. Johnson et al.: Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys, Science 325 , 201-204 , 2009


ここで、ひとつの実験を見てみましょう。『Science』誌に掲載された有名な写真です。AとB、CとDは同じサルの写真です。ここでAとCの写真を見比べてください。Cのほうが若く見えませんか? しかし、この2匹のサルは同い年(20歳)です。この差はどこから生まれたのでしょうか?

実は、理由は単純なこと。片方には好きなだけえさを与え、もう一方には前者の8割程度のえさをコンスタントに与え続けます。そして2匹が20歳になったときの写真がこれ。サルの20歳というと、人間では大体60歳くらいだと考えればいいと思います。

どちらがどちらかは、もうお分かりですね。AとBは好きなだけえさを食べたサル、CとDが食事制限をしたサルです。この写真から「食べすぎ」が老化を早めてしまうことがお分かりいただけますね。

年齢より若く見られるために、老けない食べ方のコツ

「遺伝子は変えられないんだから、細胞分裂のタイミングだってどうせ変えられない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。遺伝子は変えられませんが、細胞分裂のスピードは変えることができます。

どのようにするかはこのサルたちが教えてくれています。昔からよく言う「腹八分目」。これが若々しさを保つ極意なのです。

食事内容としては、全粒粉の穀類・野菜・果物・豆類などの植物性食品を積極的にとる、脂肪の多い動物性食品や精製された炭水化物をひかえめにする、加工食品はひかえるなど、かさはあってもエネルギー量の少ない食品を選ぶと腹八分目を続けることができます。

活性酸素をためないように、抗酸化作用のあるビタミンCなどをとる方法もあります。さらに、時間栄養学の考え方を使って、夜中に食べないようにする、早めに満腹感を得られるようによく噛んで食べるなど、食事ひとつをとってみても、細胞分裂を遅らせる方法はたくさんあります。

食事は毎日のことなのでおろそかにしてしまいがちです。たしかに、日々の食事の影響はほんとうに小さなものですが、継続は力なり。長い時間を経た後に、大きな差を生むのです。

他にもテロメアを守るためには、ウォーキング等の運動をしたり、ストレスをためないよう早めに発散したりすることも有効です。「健康的な生活」こそが、いつまでも若々しくいられるためのポイントです。

平井 千里プロフィール

メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。


執筆者:平井 千里(管理栄養士)
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