Twitterで59万人以上のフォロワーを持つエッセイ作家のもちぎさん(@omoti194)。

あたいとネチコヤン (BUNCH COMICS)/もちぎ作・新潮社刊
今回は、本書に収録されている「あたいと、ネチコヤンは喋らない」を紹介。前回に引き続き、今回は飼い主だけが知る猫たちの「猫らしくない姿」や、3匹の猫と暮らすための苦労についてもちぎさんに聞きました。
【前回の記事】⇒<漫画>ゲイ作家もちぎさんが3匹の猫と暮らす理由「もともとは身軽でいたいと思ってた」

ときどき「猫じゃなくなる」ネチコヤン
――この作品ではネチコヤン(猫)たちのことを「ときどき猫じゃなくなる」「タンスの裏で出汁巻き卵になっていた」と描かれているのですがどういうことなのでしょうか?
もちぎ:猫は体が柔らかい生き物なので手足が見えないくらい丸っこくなっていたり、自分の居たい場所に合わせて柔軟に体の形を変えるんです。だからタンスの裏に挟まって、卵焼きみたいな形になっていたんだと思います。ちょっと得体の知れないところがあるけど、それが可愛いなと思ってます。
――最近も「猫じゃなくなってるな」と感じた出来事はありましたか?
もちぎ:ネココがストーブをつけるようになりました。「ピッ」て(笑)。石油ファンヒーターの電源ボタンの位置を覚えたのか、勝手に乗っかって押すんです。
――すごい進化ですね(笑)。
もちぎ:でも人間が勝手にそう思っているだけなんですけどね。皆「うちの猫は喋る」と言うんですよ。「『ママ』って言ったわ!」とか言うんですけど、愛し過ぎて勘違いしているんだと思います(笑)。それが行き過ぎて「猫ちゃんが『服ほしい』って言ったから着せてあげるの」とかになるとちょっと痛々しいと思いますけど、ほどほどに親バカするのは楽しいですよね。
――ネチコヤンたちは人間の言葉を理解していると思いますか?
もちぎ:それはありますね。自分の名前は絶対に認識しているし「これは怒っている声だ」「呼んでいる声だ」とか人間の調子も認識しています。でも昔飼っていた猫はそんなこと全然なかったので、その子の性格によるのかもしれません。
猫と暮らすには人間が折れるしかない
――最近のネチコヤンたちとのお気に入りの過ごし方はありますか?
もちぎ:今大学に通ってるんですけど、コロナでオンライン授業だったり、仕事もリモートワークなので家でYouTubeや映画を観ていることが多いんです。
だからネチコヤンにも見せておこうかなと思って、YouTubeで野鳥動画とかを見せてます。画面に飛びついたりして、すごく食いつきます。おもちゃも買ってあげたりするんですけど、1匹1匹好き嫌いがあったりマイブームがあったりします。
――今は何で遊ぶのがブームなんですか?
もちぎ:3匹とも買ってあげたおもちゃよりも、パーカーの紐のほうが好きだったりするんです。やっぱり猫って自由気ままなんだなと感じます。
人間が付き合ってあげると意外に遊んでくれるんですけど、毎回パーカーの紐で遊んでいると、紐がついている服全部に反応するようになってしまっています。周りの猫を飼っている人からも「猫はしつけのできない生き物」とよく聞くんですが、確かにそうだなと思います。
iPadの充電ケーブルで遊んだり危ないこともするので、丈夫なケーブルに買い換えたりしてますね。しつけができない代わりに人間が生活を猫に合わせて折れないといけないですね。
――もちぎさんは猫たちと遊ぶのは好きですか?
もちぎ:「遊んでほしいな」と思うときはあるんですけど、猫ってそういうときは大体遊んでくれないんですよ(笑)。人間同士でも常に波長が合うことはないと思うので、「猫も人も同じだな」と思って過ごしてます。
iPadを壊され修理代が10万円に
――ネチコヤンたちにはトイレや餌は3匹とも違うものを用意しているのですか?
もちぎ:トイレは4台あって、砂のタイプは2匹が一緒で1匹だけ違うものに分けています。餌は腎臓ケアや毛玉ケア用など3匹それぞれ違うものを用意してます。それなのに、たまに味変したくなるのか他の猫の餌を貪り食ったりしてます(笑)。「人間の苦労を知らずに自由にやっとるな」と思いますね。
――もちぎさんは昔は1匹だけ猫を飼っていたそうですが、3匹いるとやはりお金が掛かりますか?
もちぎ:1匹と3匹で経済的な負担がすごく大きくなったとか、世話が大変になったとは思わないです。それより0から1匹になったときのインパクトの方が大きかったと思います。3匹いると毎月最低でも1万円は掛かりますけど、固定費よりもいざというときのために貯金がないと不安だと思います。
何かあれば動物病院の費用が多額になるし、余計なことをしたりして急な出費が掛かるんですよ。例えばキャットタワーを壊したとか、この前はiPadを倒して割って画面が真っ暗になってしまいました。
猫に怪我がなくてよかったですけど、原稿データが取り出せなくなって急遽修理に出して10万円くらい掛かりました(苦笑)。他の生き物と暮らすとなると、何が起こるか分からないので備えが必要だと思います。
<取材・文/都田ミツコ>
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