玉ねぎの旨味たっぷり。トマトと豆腐の熱々オイル煮【有名シェフのお助けレシピ】
ヘルシーで財布にやさしい豆腐。食卓に欠かせない食材ではありますが、和食や中華など用途が限られがちなのが難点……。洋風にアレンジできたら、豆腐の楽しみ方がもっと広がると思いませんか?2月第4週の連載「有名シェフのお助けレシピ」では、豆腐を主役として楽しむレシピをふたりの有名シェフに日替わりで教わります。第3回のレシピは、フレンチシェフの秋元さくらさんが考案した「トマトと豆腐の熱々オイル煮」です! 「昔から通っているイタリアンのお店に『トマトとチーズの重ね焼き』というメニューがあり、口の中でとろっととろける舌触りが気に入ってよく食べていたんです。このとろける食感を絹豆腐を使って表現したいと思い、このメニューを考案しました。私自身も絹豆腐のやわらかな食感が好きで、家で豆腐を使うときはほとんど絹を選んでいます。
具材を煮込むオイルソースは、お店でも使っていたことがあるものです。バルサミコ酢とハーブが利いたオイルと、クタクタになるまで炒めた旨味たっぷりの玉ねぎでコクを出します。とぅるんとした食感の絹豆腐を熱々のオイルやとろけるチーズと一緒にハフハフしながら食べ、体を温めてくださいね」
材料(2人分)
調理時間:20分(豆腐の水を切る時間、オーブンで焼く時間は含まない)・絹豆腐……1/2丁
・玉ねぎ……1/2個
・トマト……1/2個
・とろけるチーズ……適量
・アンチョビ……1枚
・塩……少々
・バジル……1枚
・オリーブオイル……適量
〈オイルソース〉
・オリーブオイル……大さじ5杯
・バルサミコ酢……大さじ1杯
・にんにく……1片
・タイム……1本
「アンチョビは、炒め玉ねぎに旨味を足すために加えます。アンチョビがなければしょうゆやみそを代用してください。
今回はフレッシュのタイムとバジルを使いますが、ドライでもOKです。乾燥ハーブは香りが強いため、量は控えめに。どちらも耳かき1さじくらいで充分です」
下ごしらえ
・玉ねぎは皮をむき、なるべく薄くスライスする・にんにくを薄くスライスする
・トマトを厚さ5mmほどの半月切りにする
作り方
1. 豆腐の水を切る
豆腐をクッキングペーパーで包んでバットや皿に置きます。水を入れた器やボウルなどの重りを10分ほどのせて加圧し、水切りします。豆腐1/2丁であれば、水の量は200ccくらいがちょうどいいそう。クッキングペーパーがびしゃびしゃになるくらい水分が出きったらOKです。
水分が抜けたら、使う皿のサイズに合わせて豆腐を切ります。
「水分を多く含む豆腐をそのまま使うと、水っぽい仕上がりになってしまうんです。しっかり水切りすることで豆腐の旨味が凝縮されますよ」
2. 玉ねぎを炒める
フライパンまたは鍋にオリーブオイルを引き、玉ねぎを入れます。塩をふたつまみほどふり、中火で炒めます。 玉ねぎの色があめ色になり、質感がしんなりするまで、5~6分ほど炒めます。「南フランスの料理では、旨味調味料として玉ねぎをクタクタに煮たものを使うことがあります。そこでこのレシピでは、皿の底に炒め玉ねぎを敷いて味に深みを出します。
玉ねぎの持つ旨味や甘味を引き出すため、あめ色になるまでしっかりと炒めるのがポイント。なるべく薄く、断面が広くなるように玉ねぎをスライスすると火の通りが早くなりますよ。小さじ1杯ほどの水を加えながら炒めると、火力が強めでも焦げにくいです」 玉ねぎがあめ色になってきたら火を弱め、アンチョビを加えます。玉ねぎとアンチョビが溶け合うように混ぜます。
3. オイルソースを作る
オリーブオイル、バルサミコ酢、にんにく、タイムを混ぜてオイルソースを作ります。タイムは、指で枝をしごくようにして葉を落とします。「バルサミコ酢の甘味と酸味、にんにくやハーブの香りがよく、私のお店の料理にも使っていたことがある調味料です。今回はタイムを使いますが、お好きなハーブでアレンジしてください。
このオイルソースは、冷蔵庫で1カ月くらいは保存できますよ。野菜にかけてオーブンでぐつぐつ煮込むだけでひと品できあがります。トマトだけでなく、なす、ピーマン、ししとうなどさまざまな野菜に合うので、常備しておくと便利です」
4. 皿に玉ねぎを敷き、具材を並べる
耐熱皿に2を敷き、その上に豆腐とトマトを交互に重ねて並べます。 耐熱皿に2を敷き、その上に豆腐とトマトを交互に並べます。バジルは手でちぎり、空いているスペースに詰めます。5. 3とチーズをかける
3を全体に回しかけます。「ぐつぐつと煮立たせたいので、オイルソースは具材がひたひたになるまで入れます。オイルの量は目安は器の底から5~8mmですが、器の大きさに応じて調節してください」 オイルソースの上からチーズをたっぷりとかけます。
6. オーブンで焼く
220℃のオーブンまたはオーブントースターで10分ほど加熱します。オイルソースがぐつぐつしてきたら完成です。「しっかり加熱しないと、豆腐の中が冷たいままに仕上がってしまう可能性があります。やりすぎかな?と思うくらい、オイルソースがぐつぐつしてくるまで熱してください」
いつもの豆腐が五感を刺激するひと皿に!
ぐつぐつと煮え立つオイルの音とバルサミコ酢のふくよかな香りで、五感を刺激されるオイル煮が完成!豆腐×トマト×チーズのとろとろ食感に玉ねぎの香ばしさが絡み合います。「絹豆腐のとろりとした食感がポイントとなる料理なので、木綿豆腐ではなく、ぜひ絹豆腐で作ってみてください。
玉ねぎを皿の底に敷いているため、ガス火などで下から加熱すると焦げ付いてしまうおそれがあります。オーブンで加熱するのがおすすめですよ」
一見すると豆腐を使っているとはわからないほど見た目もおしゃれ。アヒージョのようにバゲットやワインと一緒にいただいてみたい!と想像の広がるひと品でした。
次回は「高野豆腐のほっこりシチュー」を紹介
次回も引き続き、秋元さんに「高野豆腐のほっこりシチュー」を教わります。和食のイメージが強い高野豆腐が、フランスの家庭料理に生まれ変わる様子をお見逃しなく!教えてくれた人
「モルソー」オーナーシェフ/秋元さくらさん福井県出身。国際線のCAを経て料理人にキャリアチェンジ。新宿「モンドカフェ」、白金「オーギャマンドトキオ」など都内フレンチの名店で腕を磨く。2009年にフレンチビストロ「モルソー」を目黒にオープンし、19年に東京ミッドタウン日比谷に移転。メディアからもひっぱりだこの人気女性シェフ
@morceau_tokyo| Instagram
取材協力取材・文/小原らいむ撮影/木下 誠
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