スマホやインターネットの長時間利用によっても引き起こされる「脳疲労」。ストレス過剰の状態が続き、脳の働きが低下している状態を指します。次のクイズで、あなたの脳疲労度をチェックしてみましょう。
問題:簡単な文章を読む問題
つぎの文章を一回だけ読んで、質問に答えてみましょう。
問題を解くときには問題文を読み返さないようにしてください。

さて、太郎君は何人家族でしょうか?
A:5人 B:6人 C:7人 D:8人
【こたえ】は下にスクロール
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【こたえ C:7人】
正解できましたか? 回答からあなたの脳の疲労度をチェックしてみましょう。
C:7人 元気脳
B:6人 ちょっとお疲れ脳
A、D: すごくお疲れ脳
問題解説:間違えた人はワーキングメモリの機能が低下!?
この問題は少し意地悪ですが、みなさん正解できたでしょうか?
正解は「C:7人」です。
きちんと文章を読んで数えると、お兄ちゃん、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが2人の合計6人になり、Bと答えた人がいるのではないでしょうか。
実は、○人家族という場合は、普通、自分も入れるので、数えた6人に自分を加えて、正解はCの7人家族になります(通常、ペットは人数に入れませんよね)。
Bと答えても、しっかり文章を読めていたことに違いないので、ほぼ正解と言っていいと思います。
しかし、それ以外の答えを選んだ人はお疲れ脳になっている可能性が高いです。
書いてある文章を読んだり、聞いたことを一時的に覚えておくことをワーキングメモリ(作業記憶)と言い、脳の前の部分にある「前頭前野」が担っています。
たとえば、人に頼まれたことをすぐに忘れてしまったり、隣の部屋に本を取りにいったけど何をしにいったか忘れてしまう、電池がなくなったのでコンビニにいったけど雑誌に気を取られて買い忘れる……など、似たような経験をしたことがあると思います。
このようなことがよくある人は、ワーキングメモリの働きが弱くなっているのかもしれません。この機能が低下すると、日常生活における会話や読み書き、計算などの力が結果的に低下するので様々な困りごとが生じます。
このワーキングメモリが処理できるのはせいぜい5~7つくらいと言われ、だんだん年齢とともに弱くなってくることが知られています。
年齢による低下だけではなく、慢性的なストレスにさらされていると、ワーキングメモリの力は低下すると言われているので、この問題ができなかった場合は、不安感やネガティブな感情がないかチェックしてみましょう。
元気脳へのレシピ
ワーキングメモリは記憶を一時的に置いておく机のようなもので、人それぞれ大きさが決まっています。慢性的なストレスにさらされると、この机の上が乱雑になったり、他のストレス情報が机を占拠してしまうので、覚えておこうと思った情報を置くスペースが狭くなります。そのため、脳のパフォーマンスが低下してしまうのです。
このような状態を回避するためには、普段のストレスマネジメントが重要になってきます。そのストレスを改善するためには、軽い有酸素運動を定期的に行うことをおすすめします。たとえば、ウォーキング、軽いランニング、ダンス、サイクリングなどがいいですね。
外出をすることだけでも気分転換になりますし、緑の多い公園で風を感じたり、海の近くに住んでいる人は波の音を感じたりするのもいいでしょう。なかなか運動する時間が取れない人は、日常生活に運動を組み入れましょう。
たとえば、エレベーターを使わず階段を使う、いつもの近くのコンビニではなく少し遠いコンビニにいく、バス停を一つ手前で降りるなど工夫してみるといいでしょう。
ストレス改善に役に立つ運動は、部活動のようなハアハア、ゼエゼエ言うような激しい運動ではなく、ああスッキリしたと感じるくらいの軽く汗ばむ程度でOKです。運動時間も20分程度を目安として、長く一気にやるのではなく、毎日コツコツやりましょう。
また、自宅内でも有効な有酸素運動ができる方法を動画サイトで視聴できますし、リングフィットアドベンチャーに代表される運動できるゲームやアプリを活用すると運動習慣が続きやすいのでおすすめです。
ゴロゴロと自宅で動画サイトを眺めるのではなく、体を動かしながら動画サイトをみることで、ワーキングメモリの活動がアップしますからやってみてください。
現役脳神経外科医。クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。月に延べ1500人ほどを診察する外来診療経験を経て、大病院並みの検査機器を揃えた小規模クリニックを開業。「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。
執筆者:菅原 道仁(医師)