イライラ大爆発…の前に怒らず「抑えたい」ときに効果的な2ステップ【公認心理師が解説】

時刻(time):2022-01-03 19:52源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
イライラしたくない! 小さな「イラッ」が怒りに発展する心理とは 怒りたくないのにイライラしてしまうことは、誰にでもあるものです。冷静に考えれば、イライラすることはデメリットばかりだということも、多くの人が頭ではわかっています。 ・イライラすることで頭がいっぱいになり、大切な時間を無駄にしてしまう ・イライラしていると思考がネガティブになり

イライラしたくない! 小さな「イラッ」が怒りに発展する心理とは

怒りたくないのにイライラしてしまうことは、誰にでもあるものです。冷静に考えれば、イライラすることはデメリットばかりだということも、多くの人が頭ではわかっています。

・イライラすることで頭がいっぱいになり、大切な時間を無駄にしてしまう
・イライラしていると思考がネガティブになり、意地悪な考えが次々に浮かんでしまう
・イライラした感情を他人にぶつけ、喧嘩になってさらにイライラ……

たとえば食事の準備をしているとき、仕上げの卵を落として潰してしまったら、誰でもイラッとするでしょう。こういったことは、日常生活の中でたびたび起こります。

きっかけはごく小さな「イラッ」ですが、その状態のまま物事を考えてしまうと、下のように思考がどんどんネガティブになっていきます。

・「やっと完成だと思ったのに台無し! 床も拭かなきゃならないし手間が増えちゃった」(イライラ発生)
→「私がいつもこんなに頑張って料理をしているのに、家族は黙って食べているだけ」(不満噴出)
→「誰も優しい言葉一つかけてくれない。なんで私ばっかりこんなに苦労しているの!」(怒り心頭)

このように内面で感情をエスカレートさせて、気持ちが荒れてしまった経験はないでしょうか? 最後の怒りを家族にぶつけてしまうと、「卵を落としたのは俺(私)じゃないのに、何で八つ当たりされなきゃならないの?」というように非難され、さらに嫌な気持ちに拍車がかかってしまうものです。

仕事でのイライラ爆発は「パワハラ」につながるリスクも!

仕事でも同様です。たとえば、後輩に書類作成の仕事を頼んだのに期日までに仕上げず、イラッとした経験を持つ方は多いのではないでしょうか。そんなときには、下のように感情が流れているのではないでしょうか。

・「後輩は忙しくなさそうなのに、なぜ期日までに仕上げられないの?」(イライラ発生)
→「忙しいのに、なぜ気を利かせて早めに仕事をやってくれないの」(不満噴出)
→「最近の若者は指示待ちばかり。ほんとに使えない!」(怒り心頭)

最後の感情をそのまま後輩や周囲にぶつけると、「パワハラ」と捉えられて自分が非難されるかもしれません。

イライラを抑えたいときのアプローチ……大事なのは「行動→思考」の順序

イライラしたくない、イライラを抑えたいと思うなら、先に行動を変え、次に思考にアプローチするという手順がお勧めです。次の2つの方法を試してみましょう。

1. 行動へのアプローチ

その場からいったん離れましょう。場所を変えてお茶を飲む、ぐるっと歩き回る、深呼吸をする、音楽を聴く、お笑いのショート動画を見るなど、気晴らしになることをしましょう。イライラの発生源から意識をそらすことができ、沸騰した頭を冷ますことができます。

2. 思考へのアプローチ

冷静になったあと、対処方法について考えてみましょう。「こういうこともある」と事実を受け入れ、今できることをすることです。

先の例で言うと、後輩が締め切りを守らずイライラしたら、「私の伝え方が悪いのか、彼の理解が不十分なのか。なぜ締め切りを守らなかったのかを一度話し合ってみよう」というように原因を分析し、相手と話し合うことです。すると、合理的な解決につながります。

イライラしてしまうのは短気なせい? 腹を立てやすい自分に悩む方に

また、イライラが抑えられない人は、悩む前に次の2つのことも考えてみてください。

1. 「ままならぬこと」を受け入れる

「ままならぬこと」は誰にでも生じ、どうにもならないことです。そこに苛立っても仕方がないと考え、今、できることをしましょう。

2. 「荷物」を背負いすぎているのではないか

役割が多かったり、いくつもの仕事を抱えていたりすると、複数のことに同時期にイライラし、怒りを抱えやすくなってしまいます。解決策はシンプルです。荷物を減らしましょう。人に任せる、上手に断る、完璧にやらなくてもいいと考える、などを試してみてください。

中高年のイライラの多くも「ままならぬこと」「荷物の背負いすぎ」が原因

ところで、中高年の人がイライラしていると、「年だから」などと心ない偏見で見られてしまうことがありますね。

中年期は、子育てをしながら仕事では管理職、さらに地域活動の役員であり、老親の世話もあり……などと背負っている「荷物」が多い方が少なくありません。仕事をシェアしたり、周りと話し合ったりして、抱える荷物を軽くしていきましょう。

高齢期では、初めて遭遇する「ままならぬこと」が多いのです。退職後の生活、病気の発生、身体の故障、生活の変化などがそうでしょう。しんどいことですがそれらを受け入れ、今できることをしていきましょう。周りも冷たい目で見ずに、サポートしてあげることが大切です。

セルフケアだけでは限界も。気持ちを受け止めてくれる人を大切に

さらに理想をいえば、イライラの感情を受け止めてくれる人がいると、気持ちが落ち着きます。「残念だったね」「やりきれないよね」といった一言が、人をイライラから救うのです。このように言ってくれる人がいれば、ぜひ大事にしていきましょう。

自然に湧く感情は止められません。イライラするのはお互いさまです。イライラしているときには気持ちを受け止めあうことで、互いに健やかでいられる関係を作っていくことが大切です。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。


執筆者:大美賀 直子(公認心理師)
(エディタ(Editor):dutyadmin)
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