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湯豆腐のシンプルな旨さに癒やされる。こだわりの2選 « ビューティーガール

時刻(time):2021-01-12 07:56源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
豪勢な料理を食べて過ごした正月。疲れ気味の胃袋にもちょうどいい塩梅なのが、湯豆腐だ。シンプルだからこそ際立つ素材本来の旨味と温もりに、身も心も満たされること間違いなし! 良質な“大豆と水”が味の決め手。シンプルな湯豆腐の奥深き味を食す 年も明け、日増しに寒さが募るこの季節は、冷えた体を芯から温める鍋料理がますます恋しくなる。旬の食材を贅
 豪勢な料理を食べて過ごした正月。疲れ気味の胃袋にもちょうどいい塩梅なのが、湯豆腐だ。シンプルだからこそ際立つ素材本来の旨味と温もりに、身も心も満たされること間違いなし!

良質な“大豆と水”が味の決め手。シンプルな湯豆腐の奥深き味を食す


湯豆腐
 年も明け、日増しに寒さが募るこの季節は、冷えた体を芯から温める鍋料理がますます恋しくなる。旬の食材を贅沢に盛り込んだ鍋はもちろん旨いが、今回、注目したいのは「湯豆腐」。

 言わずもがな、昆布だしの湯で煮た豆腐をタレと薬味で食すのが基本の至ってシンプルな鍋で、その歴史は古く、江戸時代に京都の南禅寺の門前で茶屋料理として供されたのが始まりとされる。故に、湯豆腐と言えば「京風」と呼ばれる上記の食べ方がよく知られているが、実は、地域によってさまざまなスタイルがある。

 神楽坂にある「和酒BAR風雅」では、「温泉湯豆腐」なる湯豆腐を提供している。聞くと、佐賀県の嬉野温泉の名物で、温泉水を使って作る湯豆腐なのだという。

湯豆腐

和酒BAR風雅の「温泉湯豆腐」

 店長の銭谷友美さんが話す。

「最大の特徴は、煮込むほどに豆腐の表面が溶け出して温泉水が豆乳のように白濁すること。これは、温泉水に含まれるアルカリ成分が豆腐のタンパク質を溶かす作用があるためですが、結果、豆腐の食感も味わいも一段とまろやかになって、よりおいしくなるんです」





まろやかな食感が舌の上に広がる


 通常は厨房で仕上げてから提供するというが、今回は特別に目の前で鍋に火を入れてもらう。弱火で煮ること約15分、透明だった温泉水は完全な白濁状態に変化し、豆腐は角が取れて丸みを帯びた食べ頃に。

湯豆腐

この状態から弱火で火を入れると徐々に白濁が始まり、15分ほどで豆腐のカドが取れて食べ頃に

 まずは、自家製のポン酢で頂く。口に入れた瞬間、まろやかな食感が舌の上に広がる。噛まずともトロけるさまは、豆腐の新食感だ。続くごまダレもまた、程よくだしの旨味が効いていて、豆腐の味わいを引き立てている。

 豆腐は九州産の大豆フクユタカを使って、毎日作りたてを提供。また、温泉水は熊本県阿蘇からアルカリ成分を強めた状態のものを仕入れる手間のかけようだ。

 食べ進めていく段階で、汁の表面に湯葉状の膜が張ってくるが、それも掬って食べるのもおいしい。

 築80年の古民家を改装した趣ある佇まいの同店は、料理のみならず酒類も充実。季節や料理に合わせて日本全国の旨い酒を取り揃えている。こだわりの酒を嗜みつつ、温泉湯豆腐の優しい味わいに癒やされてみてはいかがだろうか。

湯豆腐

日本全国から選りすぐった名酒・美酒・希少酒は、季節や料理との相性で最適なものを随時取り揃える

▼和酒BAR風雅の「温泉湯豆腐」
佐賀県の嬉野温泉が発祥とされる温泉水を使った湯豆腐は、口当たりのまろやかさとトロッとした食感が唯一無二のひと品。豆腐が溶けた残り汁は、雑炊にして食すのが旨い。小1500円(税抜き)






豆腐の製法「お湯取り式」とは?


湯豆腐

なか川東風庵の「京風湯豆富」

 続いて訪れたのは、千葉県市川市八幡にある「なか川東風庵」。日本料理の板前として修業を積んだ店主の中川省一さんが作る「京風湯豆富」が評判の店だ。
 
 実は中川さん、昭和10年創業の老舗豆腐店の3代目。当然、店で出す豆腐は手作りで、しかもその製法は「お湯取り式」と呼ばれる手の込んだものだという。

「現在は濃い豆乳に濃いにがりを入れて作るのが一般的ですが、お湯取り式で使うのは薄い豆乳。ある段階で豆乳が湯と豆腐に分離するので、その湯をザルで掬って除いていく製法です。手間がかかるし技術も必要だが、水切れも良く、さっぱりとした旨い豆腐に仕上がります」





豆腐のおいしさが際立つシンプルな材料と調理法


 材料には、高級大豆フクユタカを100%使用。佐賀県のJAと連携し、豆の水分管理にも余念がない。また、同店では地下100mの井戸を完備し、水にもこだわる徹底ぶり。湯豆腐を京風にしたのも、「うちの豆腐に一番マッチする食べ方だから」と話すなど、端々に老舗豆腐店としての矜持がうかがい知れる。

湯豆腐

佐賀県産の高級大豆フクユタカと井戸水で作った自慢の豆腐は、テイクアウトでも購入可能

 その自慢の湯豆腐を、カツオだしの効いた醤油ダレとおぼろ昆布を薬味に頬張る。甘みが強く、混じりけのない透明感のある味が口いっぱいに広がる。長ネギとおかか、柚子胡椒などの他の薬味との相性も抜群で箸が止まらない。

「湯葉刺しも人気だが、湯豆腐の湯にさっとくぐらせてしゃぶしゃぶにして食べるのもオススメです。あと、大量には作れないのですが、私が甘湯葉と呼んでいる柔らかい湯葉があるんです。これが、トロトロしていて不思議と甘い。これはワサビ醤油をつけて刺し身で食べてほしい一品」

 知れば知るほどに奥深さを感じる湯豆腐の世界には、和食の神髄とも言うべき“シンプル・イズ・ベスト”の極致があった。

湯豆腐

生湯葉は刺しでも絶品だが、湯豆腐の煮汁にさっとくぐらせて食すのが店主、中川さんのオススメ

▼なか川東風庵の「京風湯豆富」
昆布と塩を入れただけの井戸水で味わう、豆腐本来の旨味を堪能できる逸品。カツオだしの効いた醤油ベースのタレ、柚子胡椒、おぼろ昆布、長ネギ、おかかの薬味4種との相性も◎。681円(税抜き)







豆腐屋さんが井戸水を使う意外なメリット


湯豆腐

「なか川東風庵」店舗の敷地内にある井戸

 豆腐作りには大量の水が必要不可欠。水道水は、冬場は平均5~7℃、夏場は平均27℃程度と温度が変化するため、にがりを入れる温度と豆乳の濃度が非常に重要な豆腐店にはデメリットもある。

 その点、井戸水の温度は年中一定だ。「なか川東風庵」の井戸水は一年を通じて17℃。また、同店では井戸水を使ったコーヒーやお茶も提供している。鉄分除去装置と軟水器を設置してはいるが、井戸を使うほうが遥かに利点があるのだ。

<取材・文/藤原哲平 撮影/工藤玲久>




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