脂ののった秋鮭は、まさに秋を代表する食材である。9~12月初旬にかけて最盛期を迎える鮭漁。一番旨い鮭を地元の郷土料理で味わってみた。
秋鮭の季節である。秋が旬の食材の一つとして鮭は数えられており、スーパーや飲食店などでは「秋鮭」という言葉が舞う。生まれた川に戻って産卵するために、秋鮭には脂がたっぷりのっており、最高に旨いのだ。メスは卵(筋子)をたっぷり抱えており、言うまでもなく、こちらも旬を迎えているのである。
ならばどちらも一度に味わってしまえ……というわけで訪れたのは、神楽坂にある「新潟郷土料理つみき」だ。店長の鈴木智さんに話を聞いた。
「ウチのハラコ釜飯の特徴は、米を出汁に浸けてしっかり味を染み込ませ、土鍋で炊き上げていることです。炊き上がったご飯に、焼いた鮭の身をほぐしたものといくらをのせてできあがりです」
鮭と言えば北海道……と思われがちだが、本州でも新潟や宮城県は鮭漁が盛んな土地であり、鮭を使った郷土料理も多くある。ハラコ飯の発祥は宮城県で、広く北日本に広まったとされている。
土鍋で炊かれてシャッキリと立った米にピンクのほぐし身、宝石のようないくらが、なんとも美しい。しゃもじでサックリとほぐし身といくらを混ぜ、茶碗によそう。土鍋からは出汁の香りがふんわりと漂ってくる。口に運ぶ。脂ののった身といくら、鮭の旨味と出汁の染みこんだ米がお互いの旨さを引き立てる。一口、また一口と箸が止まらない。
「鮭は産地にこだわらず、脂ののって状態がよいものを仕入れるようにしています。お米は農家と契約した農薬を極力使わない『減減米』です。味噌汁の味噌も木桶で寝かせる手法で造られた味噌農家の特製味噌になります」
言われて味噌汁をすすると、これがまた本当に旨い。味噌の香りは優しく、そして力強い。どこか懐かしい気持ちにさせられる。気がつけば土鍋はすっかり空っぽになってしまった。
▼新潟郷土料理つみきの「鮭といくらのハラコ釜飯」
南魚沼産のコシヒカリを出汁で炊き込み、焼いた秋鮭のほぐし身と函館産のイクラを乗せた贅沢な一品。釜飯はほかにも2種類あり、来店した人の9割が注文するほどの人気メニューだ。1090円(税込)
脂ののった鮭は身もいくらも絶品!旬の秋鮭は郷土料理で味わう
秋鮭の季節である。秋が旬の食材の一つとして鮭は数えられており、スーパーや飲食店などでは「秋鮭」という言葉が舞う。生まれた川に戻って産卵するために、秋鮭には脂がたっぷりのっており、最高に旨いのだ。メスは卵(筋子)をたっぷり抱えており、言うまでもなく、こちらも旬を迎えているのである。
ならばどちらも一度に味わってしまえ……というわけで訪れたのは、神楽坂にある「新潟郷土料理つみき」だ。店長の鈴木智さんに話を聞いた。
「ウチのハラコ釜飯の特徴は、米を出汁に浸けてしっかり味を染み込ませ、土鍋で炊き上げていることです。炊き上がったご飯に、焼いた鮭の身をほぐしたものといくらをのせてできあがりです」
鮭と言えば北海道……と思われがちだが、本州でも新潟や宮城県は鮭漁が盛んな土地であり、鮭を使った郷土料理も多くある。ハラコ飯の発祥は宮城県で、広く北日本に広まったとされている。
箸が止まらない!「鮭といくらのハラコ釜飯」
土鍋で炊かれてシャッキリと立った米にピンクのほぐし身、宝石のようないくらが、なんとも美しい。しゃもじでサックリとほぐし身といくらを混ぜ、茶碗によそう。土鍋からは出汁の香りがふんわりと漂ってくる。口に運ぶ。脂ののった身といくら、鮭の旨味と出汁の染みこんだ米がお互いの旨さを引き立てる。一口、また一口と箸が止まらない。
「鮭は産地にこだわらず、脂ののって状態がよいものを仕入れるようにしています。お米は農家と契約した農薬を極力使わない『減減米』です。味噌汁の味噌も木桶で寝かせる手法で造られた味噌農家の特製味噌になります」
言われて味噌汁をすすると、これがまた本当に旨い。味噌の香りは優しく、そして力強い。どこか懐かしい気持ちにさせられる。気がつけば土鍋はすっかり空っぽになってしまった。
▼新潟郷土料理つみきの「鮭といくらのハラコ釜飯」
南魚沼産のコシヒカリを出汁で炊き込み、焼いた秋鮭のほぐし身と函館産のイクラを乗せた贅沢な一品。釜飯はほかにも2種類あり、来店した人の9割が注文するほどの人気メニューだ。1090円(税込)
根室から直送された秋鮭でちゃんちゃん焼き
続いて訪れたのは品川区大井町の人気居酒屋「北海道料理藤半」だ。今年で創業47年を迎える老舗である。北海道出身のオーナー、佐藤洋司さんに腕を振るってもらったのは、北海道の郷土料理である鮭のちゃんちゃん焼きだ。根室から届いたばかりの立派な銀鮭を捌きながら、秋鮭について話してくれた。
「10~11月に獲れた鮭が一番旨いんだよ。冷たい水がある北のほうの海域で、川に遡上する前に湾内を回遊している鮭が一番旨くて、脂ののりもいいし筋子は皮が柔らかいんだよ」
北海道出身の佐藤さんにとって、ちゃんちゃん焼きは子供の頃から慣れ親しんだソウルフードだ。アルミホイルにバターをひき、キャベツ、ネギ、ニンジン、椎茸を置き、直送された鮭に特製の味噌ダレを塗って焼き上げる。味噌とバターが焼ける香ばしい香りがたまらない。この香りだけで一杯飲めそうになる一品だ。
鮭も進めば飯も進む!さらにお酒も進む!
野菜と共に鮭を口に運ぶ。野菜の甘みと味噌とバターの味がコクのある鮭の味と抜群の相性だ。旨い……鮭も進めば飯も進む。罪な一品である。
「ちゃんちゃん焼きって、本当は大きな鉄板で一尾使って作るんだけど、さすがに店じゃ無理だからね。私が子供の頃はちゃんちゃん焼きを作りながら、漁から帰ってくる船を待っていたんですよ」
佐藤さんの思い出話に耳を傾けながら、ちゃんちゃん焼きをつまむ。お供に注問した北海道産のじゃがいも焼酎が、進んで仕方がなかった。
▼北海道料理藤半の「ちゃんちゃん焼き」
北海道の郷土料理であるちゃんちゃん焼きを2~3人前サイズで提供。根室産の秋鮭を使用しており、味噌ダレの甘さとバターの風味がクセになる。日本酒と相性が抜群! 1000円(税別)
最高級の秋鮭の条件とは……
秋鮭の中で最も旨いとされる鮭は、9~12月に川に遡上する前に湾内で漁獲された白鮭と言われる。
また、水温の低い地域の海で獲れた鮭ほど脂ののりがよいのだが、遡上して川の水を飲んだ鮭は「ぶな」と呼ばれ、脂も落ちて味も悪くなる。
また、オスとメスでも味に違いがあるのも特徴だ。メスは卵に栄養が取られてしまうため、鮭の身はオスが旨い。筋子は川に入ると皮が堅くなるため、遡上前に海で獲れたものが高値で取り引きされる。
<取材・文/森田光貴 長谷川大祐(本誌) 撮影/赤松洋太>
(エディタ(Editor):dutyadmin)




