
海を感じるブルーを基調にしたビストロ『Bistro Rigolé』

が、ここは東京・世田谷区。東急田園都市線・東急世田谷線「三軒茶屋」駅から徒歩7分ほどの場所だ。それでも、すぐ近くに公園があるせいか、少しだけ遠くへ来たような気持ちがする。


「温暖化の影響があって、水揚げは安定しているとは言えません。それでも、アワビとサザエは通年入ってきますよ」(亀谷シェフ)
メニュー名からは想像できない料理



「野菜で作る、バターチキンのような料理にしたかったんです。ビーガンカレーのような…」と、亀谷シェフ。
まったり濃厚なソースには、マッシュルームやヨーグルトが使われていて、ほどよい酸味がスパイスといいバランスになっている。「薄くて黄色い謎のもの」は、ターメリックを練り込んで焼いた米粉の煎餅。肉々しいカリフラワー、万願寺唐辛子と合わさって、野菜が主役のカレーの“影の立役者”といえよう。
最初の一品から、前衛的なフランス料理を実感できる。
故郷・隠岐の島から届く魚介が魅惑


「トレビスは苦味のある野菜だから、甘酸っぱいザクロはよく合うんです。ギリシア料理からイメージを膨らませたメニューで、ビーツやフェタチーズはギリシアではよく使いますね」と亀谷シェフ。
1品目はインド、2品目はギリシアへ。亀谷シェフに導かれる食の旅は、まだまだ続く。
フランス郷土料理と和食からヒントを得た、独創的な一皿

発想の根源は、イワシとじっくり炒めたタマネギを使う南フランスの郷土料理「ピサラディエール」。郷土料理をアレンジして創作された一品は、亀谷シェフ自慢の、奇想天外なひと皿!

あらかじめ炭火で炙り、イカスミパウダーを混ぜた生地を纏わせて、サクッと揚げる。ソースは味噌と梅干しを合わせていて、アナゴと相性は抜群。さらに、トッピングされたイチヂクの存在感が半端なく、ひと口ごとにワクワクが止まらない。
「和食で、イチヂクを天ぷらにしますよね。ならばフリットと合わせてもいいかなと作ってみました」(亀谷シェフ)
ワインは自然派を、ぜひボトルでゆっくりと

アナゴのフリットには、イタリア・ヴェネト固有のブドウ品種「ラボーゾ」と「メルロー」で造るロゼ(右から2本目)を選ぶ。ワイナリー名『Alla Costiera(アッラ・コスティエッラ)』とは、「海岸沿い」の意味があり、ブドウ畑がある場所は、大昔は海中にあったのだという。
ゆっくり味わううちに、イタリアのブドウ畑にいるような心地になれそうだ。(ほろ酔いも相まっているからだろうが)
味の土台は隠岐の島にあり

そして2014年、『ビストロリゴレ』を開店。『ミシュランガイド東京 2018』ではビブグルマンに選出されている。
料理界に入った頃は、伝統的なフランス料理を探求していたが、フランス滞在期間中に新しいエッセンスを取り入れるようになった。
「南仏で、スペインの影響を受けているレストランで働いたんです。とても魅力的で、刺激を受け、世界が広がっていきました」と亀谷シェフ。『ビストロリゴレ』の人気メニューにパエリアがある由縁だ。

「置き換えながら、ここは日本だということも意識しています。そして最終的に、僕自身の味の土台に戻っていくから不思議です」と、亀谷シェフ。
土台とは、両親が営む隠岐の島の食堂『亀乃』の料理だ。
「実家は食堂なのでフランス料理ではありません。でも、味のまとめ方というか、着地点は子どもの頃から食べてきた料理に戻るような気がします。ノスタルジーですね」
そう話しながら、亀谷シェフがやわらかな笑顔を見せる。故郷・隠岐の島へつながる料理。そのルーツであるご両親が営む食堂へ行ってみたい。

【メニュー】
<コース>
・6品コース(オーダーは2名様〜) 5,000円
・8品コース(要予約、オーダーは2名様〜) 7,500円
<アラカルト>
・カリフラワーと万願寺唐辛子のステーキ 1,200円
・イサキの燻製、トレビスのサラダ 1,400円
・アナゴのフリットとイチヂク 1,800円
・隠岐産サザエのスパイシーパエリア 2.400円
<ドリンク>
・グラスワイン(白・赤) 900円〜
・ボトルワイン 5,000円〜
<テイクアウト>
・「楽天テイクアウト」にて受付可(毎週水〜日曜12:00~23:00)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税抜です
ビストロ リゴレ
東京都世田谷区三軒茶屋2-24-16050-3312-6861
火~土
ディナー 18:00~23:00
(L.O.23:00)
日・祝日
ディナー 18:00~22:00
(L.O.22:00)
土・日・祝日
ランチ 12:00~14:00
(L.O.14:00)
月曜日
不定休あり

この記事の筆者:松井一恵(文筆家)