
焼肉の進化が止まらない!
2020年、焼肉は新しい時代に入った。一人でも気軽にさっと食べられるようなファーストフード的焼肉店、仲間や家族でワイワイやれる大衆焼肉店、そして接待やここぞというデートに使えるような高級焼肉店の3つに大きく分けられる。
その高級焼肉店のカテゴリーには群雄割拠、玉石混交。まさに高級焼肉戦国時代と言ったところにまた一つ、「ヒカルもの」が現れた。
焼肉のプロフェッショナルたちがもてなす『焼肉思食』
東京メトロ・赤坂見附駅からほど近く、赤坂の駅からも遠くない「裏路地」という大人のためには最高のロケーション。
「おぼしめし」と読ませる。
このお店で、「思」い出に残る「食」事を楽しんで欲しいという思いの現れだ。
出迎えてくれたのは焼肉好きなら見覚えのある漢。

そう、彼はあの阿佐ヶ谷の超有名焼肉店を長年支え続け、めでたくこの3月に独立したタイミングで、このお店のオーナーからのお声がけがありプロジェクトに参画。
肉の仕入れやお客様への「焼き」はお手の物だ。
そしてシェフには『帝国ホテル』から『ロオジエ』、そしてパリのシャンゼリゼ通りで自身の名を冠したフレンチレストランを営んでいた生粋のフレンチ職人である青木誠シェフを迎えた。
韓国で生まれ日本で育ってきた「日式焼肉」にとびっきりのフレンチのエッセンスが加わり、焼肉業界を熟知したキーパーソンが加わる。
これはまさに焼肉の神様の思し召しである、期待せずにはいられない!
スターターから驚きの一品料理に身震いする!
期待に胸膨らみ腹がへこんだ一品目。
韓国は済州島の郷土料理である鮑粥、コースの一品目で胃に優しく旨味と栄養が詰まったこちらはありがたい。
鮑の肝がもたらすコクがたまらない。

韓国語でおかずの意味で、韓国料理店などに行くと前菜のようにたくさんの小皿料理が出る伝統的なものだが、こちらではそれを非常に現代風にアレンジして季節感を演出する素晴らしい前菜として登場する。
トマトのキムチやツルムラサキのナムルなどもある中、巨峰の水キムチ、桃の白和え、タンのケークサレはどれも秀逸で記憶に残る味わい。
フレンチの匠であるシェフのセンスに心が楽しく踊りだす。

見覚えのある「フィレカツサンド」がここで登場。ひと口サイズだが一気に心を持っていかれる。
あー、やっぱりうまいなぁ~。
そして狼煙は上げられた、いよいよ焼き物が始まる。
“焼肉という料理”に酔いしれる

なんと鰻!?
「肉は何でもだいたい焼いたことがあるけど鰻は難しいですね」と、柳野店長は笑いながら匠の技で焼き上げていく。
牛タンはフレーク状の醤油スパイス、そしてネギ塩レモン麹を添えて。このネギ塩レモン麹は瓶に詰めて売ってもらいたいくらいの美味しさ、これだけで酒が進む味だ。


ワインに漬け込んだ「カイノミ」(写真・左)と「ハラミ」とともに登場。
熟練の技で焼き上げられていく厚切りのお肉だが、そこに合わせるタレにびっくり!


フィレを、しかも5ミリ以上の厚みを持った状態でチキンブイヨンベースのスープに投入。アスパラや玉ネギといった野菜も美味しく食べられるのがしゃぶしゃぶのいいところ。
普通のしゃぶしゃぶよりもゆっくり時間をかけて柔らかく火入れされたフィレ肉を下ろしたというよりは刻んだ大根が入ったポン酢でいただく。
むぅ・・・
やはりフィレ肉の新しい可能性はしゃぶしゃぶにあったかと頷ける美味しさ。
新時代の高級焼肉で焼肉の神髄を堪能しよう!

この日はシンシンとフィレミニヨン。焼肉らしいタレがかかったシンシンはさっと焼いて一瞬で口の中を幸せにしていく。
あぁ、焼肉ってこうだよね、幸せなんだよね って気持ちにさせてくれる。
次はフィレミニヨン。

そう、お米がほしい~~!!
となったときになんとも素晴らしい炊き具合の白米が土鍋から顔を覗かせます!

正直お米だけでご飯が食べられるくらいの飛び抜けた美味しさ。これはすごすぎる・・・。
そして焼き上がったお肉はキャビアトリュフ卵がお出迎え!

そのトリュフ卵をたっぷり絡めてヨネにオン!!

キャビ玉すき焼きご飯だー!! 皆の者、頭が高い!! 控えおろう!

私。
昇天いたしましたことをここにご報告いたします。
コースは他にも旬の素材を生かした料理や冷麺なども入って2万円。季節ごとにコース内容も変化する、まさに料理としての焼肉の証だ。
安くはない。しかし高級焼肉店のコースの値段の中で言えば、ずば抜けて高いほうではなく、実際食べてみて感じたことは・・・
はっきり言ってコスパがいい!
これはすごい、焼肉をきちんと「料理」という世界で高め、設えもオーナー自らこだわりのデザインを担い、テーブルは稀代の左官職人が塗るという贅沢さ。
超一流のおもてなしもありながらの値段設定、これは事件です。

全ては神のオボシメシなのだから。

焼肉思食(おぼしめし)
東京都港区赤坂3-19-503-5544-8475
17:00~23:00
日曜
https://oboshimeshi.com/
この記事の筆者:田辺晋太郎(肉マイスター)