
macaroniと築地市場のコラボプロジェクトが始動!
東京の台所として長い歴史を誇る、食の街「築地」。その築地市場とmacaroniのコラボ企画がスタート!拠点となるのは、老舗精肉店「近江屋牛肉店」が、9月1日よりオープンする店舗「ロースト肉工房」。築地の新鮮な食材を使った料理のライブ配信や、プロ目線で考えた、暮らしに役立つレシピ・アイデアなど、さまざまな情報を発信していきます。観光やお出かけがなかなかしにくい現在ですが、日常の彩りになるような企画に、ご期待ください!
築地で愛される、老舗精肉店「近江屋牛肉店」
「近江屋(おうみや)牛肉店」は、築地で1929年の創業以来愛されてきた老舗精肉店。肉のプロが全国から厳選して仕入れた肉は、一流料亭でも使われる上質なものばかり。秘伝のタレを使った「やきぶた」をはじめとしたデリ商品も、多数のメディアで取り上げられています。近江屋の社長・寺出 昌弘(てらで まさひろ)さんは、「近江屋牛肉店」の3代目。伝統を守りつつ、広い視野で新しいことにもチャレンジし続ける寺出さんに、「近江屋牛肉店」や築地のこれまでと今、そしてこれからについてお話いただきました。
築地を代表する老舗の3代目として
創業90年以上という「近江屋牛肉店」の成り立ちを教えてください。
寺出さん(以下、寺出):滋賀県出身、近江商人の流れをくむ初代が、荒川区小台銀座に店を構えたのが始まりです。その看板には、「お客様の"おいしかった"が私たちの元気の源です」と刻んであったそうですが、それは今に至るまで私たちのエネルギーの源ですね。築地に店が移ったのは、私の父、2代目の頃です。一般のお客様向けから飲食店への業務用卸しへと展開し、店の規模も広がりました。
寺出さんは3代目になるわけですが、最初から店を継ごうと考えていたのでしょうか?
寺出:子どもの頃、引っ込み思案な性格だったこともあり、店を継ごうとは考えていませんでした。それに、従業員に厳しく振る舞う姿を間近に見て、父に怖いイメージを抱いていましたね。ですが、自然と大学卒業後の進路にはスーパーマーケットを選んでいました。そこで6年、流通の基礎を学んでいたのですが、父の具合が悪くなったこともあり、「近江屋」に入りました。
当初は築地独特の商売がなかなか理解できず苦労しましたが、父にその王道を叩き込んでもらいましたね。
お店のルーツと向き合って出逢った「近江牛」
3代目を継がれて、どのように「近江屋」での商売と向き合われたのですか?
寺出:私たちは「近江屋」の看板を掲げており、初代は近江商人でした。そのルーツをさかのぼると、近江牛と深い縁があることがわかったんです。築地で近江牛を売り、その心を伝えていくこと。それが自分のやるべきことだと気づきました。そこで産地に出向いて、生産者の方々と向き合ってルートを開拓に至り、一頭買いをするようにしました。
「近江屋さんの近江牛は、やっぱりうまいよ」と言ってもらえる。ひとつのことにしっかりと根を深く張り、心を尽くす。それが築地の商人だと思います。
インタビューの続編記事も近日公開予定!
インタビューでは、寺出さんが抱いている想いや、近江屋のルーツを訪ね、商売への向き合い方を変えていくまでを細かくお話しいただきました。ここでは紹介しきれないので、続編記事にてたっぷりお届けします。お楽しみに!プロが惚れる“本物”に出逢える街「築地」
築地市場の副理事長を務めておられますが、築地の歴史について簡単に教えてください。
寺出:築地市場は、関東大震災で焼失した日本橋魚河岸(うおがし)が、築地に移ってきたのが始まりです。それから市場機能を持つ場内が生まれ、そのまわりに自然発生的に場外が生まれ、それぞれが補い合いながら、築地というブランドを作っていったんです。私は、生まれも育ちも築地の“築地っ子”です。私が生まれた当時は、高度成長期の真っ只中で、街中が活気にあふれていましたね。お客様も業務用卸しに来ているプロの方たちばかりで、朝6時から9時までにすべての営業が終わってしまう、そんな時代でした。
今では、一般のお客様や観光客にも人気のスポットになりましたね。
寺出:街の様子が変わってきたのは、2000年頃からだと思います。飲食店も産直で仕入れるという流通の流れが変わりつつあるとき、24時間営業の「すしざんまい」がオープンしました。それにより、従来のプロだけでなく、違うタイプの方々も築地にいらっしゃるようになりました。それで私たちも、朝だけじゃなく違う時間帯にもお客様に来てもらおうと、築地の楽しさを伝えるイベントを始めたのです。そのイベントが評判を呼び、多くのメディアにも紹介いただき、一般のお客様も多数いらっしゃるようになったんです。
一般のお客様が増えるようになって、築地は変わりましたか?
寺出:築地がすごいのは、一般のお客様がドッと押し寄せるようになっても、“プロに向けて商売をしている”という芯が決してブレなかったことです。うちの商売も70%は業務用卸しで、常に一流の料理人からの厳しい目に対応しています。プロが納得する本物を一般のお客様も買うことができる、その部分は時代が変わっても変わらない築地のモットーです。
お客様にとって幸せなことを選ぶ力、“築地の技”が今を支える
中央卸売市場の移転や、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けているかと思いますが、築地の今についてお聞かせください。
寺出:ありがたいことに、今までうちの店で買ってくれていたお客様は、変わらず来ていただいています。初代から培った信用と、正直に商売に取り組む姿勢でお客様としっかりと繋がる。そのことが今のような時代に一番の強みになっていると思います。築地で代々商売されていた皆さんは、いま同じように感じられているでしょうね。
寺出:そういった店は「お客様にとって一番幸せなことを選ぶ力」を持っているんですよ。 “目利き”という言葉がよく使われますが、私たちはその力を「築地の技=築技(つきわざ)」と呼んでいます。例えば、うちの店だと、お肉を買いに来たお客様に「いつ召し上がるんですか」、「何に使われるんですか」といったことを聞くようにしています。
今日食べるのか、3日後に食べるのかで、“いい肉”というのは変わってきます。少し先に食べるものなら、冷凍や解凍の方法もアドバイスする。そうすると、お客様が「やっぱりおいしかった」と戻ってきてくれる。そこで信頼関係が結ばれるわけです。そういった技を、築地にある460店舗すべてが持っている。だから、今でも築地はパワーがあるんだと思います。
“三方良し”の精神で描く、築地の未来予想図
これからの築地はどうなっていくとお考えですか?
寺出:豊洲へ場内が移転し、私たちは、魚を扱う有力な仲卸業者が出店する「築地魚河岸」施設を作りました。築地はやっぱり魚の街ですから。魚を中心に築地の伝統やプロ意識を守っていこう、未来につなげていこうと。移転がきっかけで、むしろ築地にいる皆の意識が一枚岩になったと思います。「近江屋」としては、これからどんなことに取り組んでいきたいですか?
寺出:私たち「近江屋」も新しいことをやっていかなければいけません。そういった流れのなかで、隣に「ロースト肉工房」をオープンします。これまでも、「近江屋」にしかないオンリーワン商品として、「特製やきぶた」や「30日熟成近江牛スネ肉のローストビーフ」などを販売してきました。新たな工房でも、オンリーワンの商品を軸に、できたてのテイクアウト料理やお弁当、真空パックなどさまざまな商品を売っていこうと考えています。
そのひとつに“情報発信”があります。今はモノよりコトの時代です。「こういうことをやるよ」とか「こういうものを作るよ」と発信し、「いいね!買いたい」となっていく。そこにモノを合わせるのが大切だと思います。
情報発信のひとつの形として、macaroniとのコラボ企画があるのですね。
寺出:情報発信は、「近江屋」だけじゃなく築地全体についてを考えています。企業理念として近江商人の教えがあるのですが、そのなかに“売り手良し・買い手良し・世間良し”の「三方良し」という精神があります。自分たちだけでなく、地域のために行動することが、最終的に自分たちのためにもなるという教えです。野菜も卵も最高のものが、築地にはそろっています。それをmacaroniさんと一緒に発信して、築地のパワーをより多くの人に知ってもらいたいですね。
いよいよスタート!macaroni×築地市場のコラボ企画
いよいよオープンする、「近江屋牛肉店」直営の「ロースト肉工房」。私たちmacaroniも、この工房を拠点として、食の宝庫・築地に関する記事や動画コンテンツ、ライブ配信など、さまざまな情報を定期的に発信していく予定です。主婦の皆さんにもうれしい、「スーパーマーケットでの目利き術」や、「プロが伝授する肉や野菜の選び方や扱い方」、「知っているようで知らない調理道具の正しい使い方」など、役立つ情報が盛りだくさん!
寺出さんを始め、さまざまなジャンルの「築地のプロフェッショナル」が登場予定。ぜひ、今後の活動に注目してくださいね。
【STAFF】
writer:Masako Odanaka
photographer:Kaori Saneshige
editor:Naohiro Michioka
producer:Ryo Takakura