
今月の1軒『鳥田中』【by マッキー牧元】
最初の一品に目を見張った。
鴨のロース肉を、野菜や麩とともに煮込んだ金沢の郷土料理だが、その塩梅が素晴らしかった。この料理はたいていの場合、鴨に火が入りすぎて、がっかりする場合が多い。しかし精妙な加熱で、鴨はしっとりと滋味をたたえ、セリのみずみずしさも麩の味が染み込んだ煮加減もピタリと決まっている。
そこには、三者の持ち味が出逢う、「治部煮」という料理の本質があって、心が掴まれた。
焼鳥の前、前菜から楽しい、おいしい!
ここは東京・鐘ヶ淵の『鳥田中』である。といっても、都心で活動する人の多くは、ピンとこない場所かもしれない。大衆居酒屋好きなら、『はりや』や『丸好酒場』の街といえばわかるかもしれないが、大方の人にとっては、縁がない土地だろう。
大衆居酒屋が似合う街の住宅街に、『鳥田中』はある。駅から細い路地を歩いて行くと、ぽつりと明かりを灯している。
焼鳥屋であるから、鳥料理と焼鳥を頼み待っていると、まず出されたのが「鴨の治部煮」であった。

その刺身も、一級品であった。
切り口の角が立ったヒラマサと、隠し包丁を細かく入れたヤリイカを見て、その仕事の確かさに嬉しくなる。ヒラマサからは上品な脂が舌に流れ、ヤリイカはねっとりと甘い。




焼鳥の前に、俄然楽しくなってきた。
酒が進む、進む。酒の揃えもいい。そして酒の値付けが安い。こりゃあ飲むしかないじゃないですか。
肉を食らう醍醐味がある、丹波地鶏の「焼鳥」
丹波地鶏を使った焼鳥も、立派である。

元気に走り回り、よく運動した鶏だけが持つ、発達した筋肉と養分の濃さがあって、肉を食らう醍醐味がある。
おいしい料理にウマい酒、しかも値段が安い!
焼鳥の合間にと頼んだ料理も、ハズレがない。連れを含めて4人いたので、締めのご飯を4種類頼んでみた。




勘定をすれば、あれだけ飲んだのに、1人7,000円強と安いじゃありませんか。誰もが、この近隣に住んでいる人を羨ましく思う店である。
【メニュー(一部)】
レバー 200円
せせり 200円
ソリレス 240円
ハツ 220円
皮 200円
〆の濃厚白湯醤油鶏そば 650円
親子丼 700円
丹波地鶏そぼろ丼 650円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです
鳥田中
〒131-0031 東京都墨田区墨田3-25-703-3617-6615
17:00~22:00
月・火
https://r.gnavi.co.jp/cuvz6a2n0000/
この記事の筆者:マッキー牧元(タベアルキスト)
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