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仕事帰りは『大番』へ、割烹並みの素材と居酒屋価格、デイリー使いも可能な懐に優しい大

時刻(time):2019-02-27 09:48源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
幸食のすゝめ#085、半分の中落ちには幸いが住む、生麦。 「ビールちょうだい!」、「ラガーと、一番、クラシックラガー、どれがいい?」、すかさず店から突っ込みが入る。 ラガーは「キリンラガー」、一番は「一番搾り」のことだろう。 1つの店で、普通のラガーとクラシックラガーの両方があるなんて珍しい。 さすがに生麦、キリンビール 横浜工場のお膝元だ。 今も

幸食のすゝめ#085、半分の中落ちには幸いが住む、生麦。

「ビールちょうだい!」、「ラガーと、一番、クラシックラガー、どれがいい?」、すかさず店から突っ込みが入る。
ラガーは「キリンラガー」、一番は「一番搾り」のことだろう。
1つの店で、普通のラガーとクラシックラガーの両方があるなんて珍しい。
さすがに生麦、キリンビール 横浜工場のお膝元だ。
今も研究開発の拠点が併設され、ここはキリンビールの要とも言える街になっている。

江戸から続く漁師町、旧東海道沿いには今も多くの魚介商が立ち並ぶ生麦。
ビール醸造工場のほか、自動車工場や、各種の物流センターが並ぶこの街は関東沿岸部の玄関口。
魚河岸の街と、労働者の街がクロスすれば、リーズナブルで上質な酒場が見つからないはずがない。

紺地に白抜きで「大衆酒場」という大きな暖簾が掲げられた『大番』は、その中でも他に一線を画する端正な古典酒場の白眉だ。

「中落ち半分と、海苔だけね」、「こっちはイカフライ、あと大番汁!」。
2つの入口で大きなコの字を2分割した変則的なコの字カウンターのあちこちから、威勢のいいオーダーが入る。

鮪(まぐろ)が名物で、刺身、ぶつ切り、ぬた、ホホ焼とたくさんのメニューが揃う『大番』のいちばん人気はボリューム満点の「中落ち」だ。
1人客の多くは、「半分」と頼んでパック入りの海苔も注文、海苔巻きにして食べる。

アジやイワシ、イカなどのフライ類も新鮮だから文句なくおいしい。カキの季節にはカキフライも大人気メニューだ。
旬の素材がたくさん揃う魚介類の安さとおいしさは、わざわざ電車に揺られて出かける価値がある。

壁一面に並ぶメニューは、売り切れると黒板には線が引かれ、紙メニューは裏返される。
飲んでいる内にも、どんどんメニューがなくなっていくから、お目当てのメニューは迷わずにどんどん注文したい。

会計は、白い小皿に置かれて行くプラスチック製のチップと、食べた皿の数が伝票代わり。
周りを見渡すと誰もがたくさんの皿を重ねていて、大人の回転寿司的な楽しさでついつい酒が進む。
いつも満員で溢れ返っているが、ここには野暮は無用。みんな長居はしないから、混んでいても少し待てば席に案内される。

各駅停車の街ならではの温かいノスタルジー

鈍行の普通列車しか停まらない生麦駅、頻繁に通り過ぎて行く優等列車の合間に訪れる静かな4両編成の普通列車。
地方の街を訪れたかのような心地好いローカル感に浸りながら、「大衆酒場」という暖簾を潜る頃にはすっかり旅情に包まれる。

そんな中、1杯目の酒が渇いた喉に与えてくれる慰安は、都会の真ん中では決して出会うことのない至福だ。
割烹並みの新鮮な素材を使いながら、毎日でも通える優しい価格設定。
だから、仕事帰りの『大番』が生き甲斐だったお父さんたちは、定年退職した今も藍染の暖簾を潜り続ける。

一見にも常連にも分け隔てない古典酒場の鑑

「あこうだい、ヤマ!」、厨房からご主人に声が掛かる。開店からそんなに時間は経ってないが、黒板のメニューは次々と白線で消されて行く。
隣りの女性トリオが頼んでいるメカジキの照り焼きにも惹かれるが、1人では量が多そうだ。
根菜がたくさん入った大番汁をスープ代わりに頼んだら、そろそろ僕も常連たちの注文を真似て、名物メニューを「半分」注文しようか。

半分の中落ちには、幸いが住んでいる。

【メニュー】
鮪中落ち 350円
鮪さしみ 500円
大番汁 250円
めかじきてりやき 300円
あこうだい 350円
いかフライ 230円
あじフライ 350円
お新香 200円
もろきゅう 200円
酎ハイ/ハイサワー/ウーロンハイ/お茶割/ハイボール(w) 320円
ビール 大550円/小350円
日本酒250円~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

大番(おおばん)

〒230-0052 神奈川県横浜市鶴見区生麦3-6-5
045-521-6800
17:00〜22:00
日曜・祝日
https://r.gnavi.co.jp/rpbfbg9c0000/

この記事の筆者:森一起(ライター/作詞家/ミュージシャン)


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