
パリ発の人気ブーランジェリー出身シェフが作った街の小さなベーカリー
東急電鉄・新丸子駅のすぐ近く、下町の面影を残す商店街にオープンした小さなベーカリーは、誕生して早々に街を賑わせた。初日から行列ができ、看板商品のクロワッサンはあっという間に完売。その店の名は『パンと焼き菓子のPapapapa-n !(ぱぱぱぱーん)』。誰もが口にしたくなるような名前のベーカリーは、実力派シェフが作る絶品パンで人々を魅了している。

「思わず口にしたくなるような、あの店は面白そうじゃない?と思ってもらえる店名にしようと思いました。お客様に身近に思ってもらえる店が作りたかったんです」

ところが、クロワッサンがあまりの人気のため、製造が追いつかず、「トリエ」と呼ばれるクロワッサン専門職人が新たに設置されることとなり、神戸さんがチーフに就くことになった。

「多い日では1日2,000個のクロワッサンを仕込んでいたこともありました。日本のパン職人の中では、クロワッサンをたくさん作っていた方だと思います」(神戸さん)
そして、2018年10月、以前から温めていた“地域の人たちに毎日来てもらえるような”店を実現すべく、独立をしたのだった。
外側がパッリパリ、中がモチッと甘い極上クロワッサンの秘密とは

ケースの中にぎっしりと並べられたパンは、なんと30種類近く! 一番人気は、もちろんクロワッサンだ。

3種類合わせて、平日で200個、週末には260個のクロワッサンを焼くが、いつも昼の12時頃には売り切れてしまうという人気ぶりだ。

フランス産発酵バターをたっぷり使ったクロワッサンは、口にするとホロっと層が崩れ、鼻腔をくすぐる芳醇なバターの香りがたまらない。中身はじんわりとしたバターのコクを感じさせながらも、軽やかでしっとりしている。サクサクの表皮とふんわりした中身とのバランスが絶妙だ。

湯種には甘みの強い北海道産小麦「キタノカオリ」を使用。クロワッサン生地に湯種を少し混ぜることで、小麦粉の甘みが増し、もちっとした食感になる。パリパリとした外側とモチっと甘い中身とのコントラストが魅力のクロワッサンだ。
さらに、同店のクロワッサンは190円~と、高い品質を保ちながらも価格を抑える工夫を凝らしている。例えば、フランス産発酵バターは大きな塊で購入し、店舗でカット。小麦粉は、北海道産と品質の安定しているフランス産の小麦粉をブレンドして使用している。焼きたての本格的なクロワッサンを、よりたくさんの人に気軽に楽しんでもらいたいという考えがあるからだ。

「同じバターを使用していても、粉の違いで味わいが変わることを楽しんでもらいたいですね」(神戸さん)
「全粒粉のクロワッサン」は水分を少し多めにしているため、中はプレーンよりしっとりしている。噛みしめると、じんわり小麦の甘さが口の中に広がり、バターのリッチな風合いに負けていない。

「(基本)クロワッサンは甘いので、もう少し食事に向いているものとして作りました。サンドイッチにするのもおすすめです」(神戸さん)
カリカリした香ばしい食感とたっぷり使ったチーズの風味がくせになるおいしさだ。
クロワッサンの生地を使った珍しいパンも
クロワッサンのパリパリした外側だけを食べてみたいと思ったことはないだろうか?
折り込まれているのは、自家製カスタードクリームとたっぷりのチョコチップ。1日で作れる量も限られているため、クロワッサンより早くに売り切れてしまうという隠れた人気商品だ。
クロワッサンだけじゃない! パティシエ出身シェフの技量が光る定番パンや焼き菓子の数々
パティシエ時代に都内の高級レストランで製パンや料理なども学んだ神戸さん。クロワッサン以外にも、その技術を生かした個性が光るパンがズラリと揃っている。
「あんぱん」(写真上)に使われているのは、地元・新丸子で人気の和菓子店『菓心 桔梗屋(かしん ききょうや)』のとろりとしたあんこ。あんこがあまりにも柔らかいために、一度冷凍してから包んでいる。
生地は、食パン「パン・ド・ミ」にも使われている湯種にたっぷりのゴマを混ぜたもの。ずっしりと重めで、モチモチした生地は、とろっとした舌触りのあんこと相性抜群だ。

カスタードクリームは卵黄のみを使い、バニラビーンズをたっぷり入れて作られている。リッチな香りとコクを出すためにバターもプラス。ミルキーなクリームに仕上がっている。

ギフト用のボックスも用意されていて、お好みの焼き菓子を詰め合わせてオリジナルのギフトを作ることもできる。
シェフのチャレンジは止まらない! 魅力的なレシピが続々と登場の予感

「最初80種類ぐらいレシピを考えていたんですが、まだ55種類ぐらいしかできていない。将来は、ベイクドタイプのタルトやキッシュ、フォンダンショコラといった焼き菓子も作っていきたいなと思っています」と神戸さん。
現在は、スタッフを増やし、品質を維持しながらもっと多くのクロワッサンを作れるように体制を整えている最中。大人気のクロワッサンを超えるような魅力的なお菓子やパンが、まだまだたくさん登場しそうだ。店にはそんな予感があふれている。
【メニュー】
クロワッサン 190円
全粒粉のクロワッサン 230円
クロワッサン・フロマージュ 250円
ねじねじ 230円
あんぱん 190円
くりーむぱん 170円
フィナンシェ(プレーン) 220円
ガレット・ブルトンヌ 180円
ぷぷぷりん 230円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜です
パンと焼き菓子のPapapapa-n!(ぱぱぱぱーん!)
〒211-0005 神奈川県川崎市中原区新丸子町729044-387-6014
10:00~売り切れ次第
日曜日、月曜日

この記事の筆者:小田中雅子(ライター)
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