
原点は“ラーメン愛”ではなく、“オマールエビ愛”
高級フレンチなどでしかお目にかかれない、オマールエビ。そのおいしさを知る人が限られていることを残念に思ったあるフレンチのシェフが、オマールエビを大量に使ったラーメンを考案し、話題を呼んでいるという。そんな大注目ラーメンとはいったいどんなものなのか。神保町にある噂の『海老丸らーめん』を訪ねた。


「どん底に落ちたからこそ、本気でラーメンと向き合うことができました」

「この店では、僕の作ったラーメンだけを出したい。『エゴジーヌ』のお客さんも『マサは今、本気でラーメンを作っているから』と理解し、応援してくれています」(マサさん)
今でこそ人気店だが、オープン当初はフレンチの技法で作ったエビ全開のスープに、多くのラーメンマニアたちからダメ出しが炸裂。半年ほどは閑古鳥が鳴いていたという。ショックを受けたマサさんは、そこから本気でラーメンを研究し、ラーメン独特のセオリーに気がついたそうだ。

現在は煮干し、鯖節、鰹節、酒、味噌などを煮詰めた「和のかえし」、ホタテやカキなどの貝類と少量のエビで作った「魚介のかえし」を3:1の割合で配合。そこに、かえしと合うようシンプルに仕上げた「オマールエビのスープ」、丸鶏やモミジ(鶏の足先)を15時間ほど煮込んで作った「鶏白湯」を9:1の割合で配合したWスープを加えている。


スペイン産豚を低温でじっくり真空調理したチャーシュー、スモークで風味をつけた卵、サワークリームをトッピングしたフランスパン、みじん切りのオニオン、生野菜が彩りを添えている。
想像以上のエビの濃厚さ!多層的な味わいが、まるでフルコースのよう

その多層的なうまみを、もっちりとした麺がどっしり受け止めている。具も一つひとつの存在感が強く、まるでフレンチのフルコースを味わっているかのようだ。

エビのうまみが凝縮された卓上の「自家製ラー油」をプラスすると、エビの味わいが一段と濃厚に。さらに「オリジナルカレースパイス」で一気にアジアン風、トッピングの「サワークリーム」を溶かすとクリーミーに……と、同じスープとは思えないほど幅の広い変化を楽しめる。

「〆のリゾット」(写真上)を注文すると、熱々の器に入った白米、卵黄、小エビが運ばれてくる。そこに残ったラーメンスープをかけてよく混ぜ、さらにマサさんが削る大量のパルミジャーノチーズで雪化粧を施した後、さらに混ぜれば絶品リゾットの完成。ラーメンを食べ終えたばかりでもスプーンが止まらないおいしさだ。
常連の目当ては、2週間で消える超ユニークな「限定まぜそば」
実はこの店には、常連のハートをがっちり掴んでいるメニューがもうひとつある。それは2週間ごとに変わる「限定まぜそば」。「ラーメンという軸でどこまで遊べるか、新しいラーメンゾーンを追求しています」(マサさん)というだけあって、どれもユニークなものばかり。「新メニューが登場する前になるとみんな、新作のイメージの探りを入れてくるんですよ(笑)」とマサさんは嬉しそうに語る。



情熱と謙虚さを持って、さらなる進化を続ける

取材中、レシピの極意をあまりにもあっさり教えてくれることに驚いた。そのおおらかさは、「教えても真似できるわけがない」という自信の表れなのだろう。一方、HPには「もし、お口に合わなかったらごめんなさい。ヒントになるアドバイスください」というお願いも。
突き抜けた情熱と謙虚さで、これからますます進化を遂げそうな『海老丸らーめん』から目が離せない。

元祖海老丸らーめん 850円
〆のリゾット 300円
本日のイケ麺(限定まぜそば)950円
海老ワンタン 350円
海老のアヒージョ 480円
※価格はすべて税込
海老丸らーめん ebimaru Lobster Soup Noodle
〒101-0065 東京都千代田区西神田2-1-13 十勝ビル1F03-6272-6416
11:30〜23:00(L.O.22:30)
月曜定休 ※月曜が祝祭日の場合は火曜定休
https://ebimaru.com/
この記事の筆者:桑原恵美子(ライター)
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