
下北沢では稀少な、大人が料理とお酒を楽しめる店
下北沢といえば“若者の街”というイメージを浮かべるだろうか。確かに南口は大人数でワイワイ賑わう居酒屋が多い。しかし西口は打って変わって大人がゆったりと食事を楽しめる店が多い。少し歩くと住宅街、さらに小田急線の開発で南西口が新しくでき、いよいよ目が離せなくなったエリアだ。そこに2018年2月に誕生したのが『uchi(うち)』である。まるで友人の家にいるような温かみのある空間で、いったいどんな料理を出すのか興味津々で扉を開けた。

ほどなくお通しの「じゃがいもと生姜の豆乳のすり流し」が運ばれてくる。空きっ腹になんとも言えない優しい味が沁み渡る。これは嬉しい。
個性がキラリと光る驚きのある料理

“どこにでもあるけれど、どこにもない料理”ということなのか。こうなると他の料理も期待してしまう。

皮はパリッと焼きあげられこのままでも相当うまいが、添えられた生姜甘酒ソースをつけると、ほわんとした麹の甘みを生姜がピリッと引き締め、そこに鶏のうまみが重なってくる。それぞれが、主張しながら調和するという、いちばん嬉しい味わいだ。


これだけ魚介が入ればうまみも贅沢、さらに真ん中にはトマトかと思いきや“うめ~”の正体である梅干しが! 誰もが知っている梅干し特有の酸味が相当良い仕事をしていて、スープと絡めると飲み干してしまいたくなる。これでごはんを入れて雑炊かリゾットにしたらさぞかしおいしいだろう。訊くと「ご要望があれば作ります」とのこと。シェフとこんなやりとりができるのも楽しい。
ごはんものも面白そうな料理がずらり。「鶏とキャベツの甘酒麹カレー」「uchiのミートソース」など定番メニューに加え「貧乏父さんのスパゲッティー」「ほろ酔い豚のルーロー飯丼」「甘酸っぱさがクセになるいちごリゾット」なんてものも。

おいしいものを知り尽くしたグルメライターだからできた店

メニュー作りについて訊いてみた。
「おいしいものを作れるかどうかは舌の記憶と経験だと思います。私の積み重ねてきた膨大な舌の記憶を写真や言葉で伝えて作ってもらいます。そこから足したり引いたり、これだ!と思うまで試作を繰り返します。食べに行ったレストランでシェフにレシピを教えてもらいたい時は、パクっていいですか? とお願いしてしまいます。みなさん快く承諾してくれるだけでなく、わからないことがあったら連絡ください、とまで言ってくださいます。まるごと真似をするわけではなく、そこからuchiの味を創り出しています」と高橋さん。
「店をオープンできたのは今まで出逢った方々のおかげです。施工、仕入れ、メニュー作り、経営などすべて仕事の縁で出逢ったシェフやレストランのオーナーに助けてもらいました。みなさまにご恩返しをするのはもちろんですが、今度は私が誰かのお役に立てるように精進しなければ」と語る。

『uchi』は高橋さんが“こんな店があったら良いな”という想いを形にした。下北沢駅徒歩1分の場所に、こんなにも落ち着いた雰囲気とアイデアあふれる料理やお酒、そしてスタッフの笑顔がある店。思い出すとまた食べに行こうと思う。
撮影:八木竜馬
【メニュー】
uchiのポテトサラダ 600円
美桜鶏のロースト 生姜甘酒ソース 2,000円
白だしソースのグラタン ハーフ600円 / フル980円
本日のお魚の“うめ~”アクアパッツァ 2,200円
柚子こしょう香るトマトと鶏ひき肉のスパゲッティーニ 1,100円
※価格はすべて税別
uchi(うち)
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-22-13 XAアズマビル1F03-6453-2775
11:30~15:00(L.O.14:30)、18:00~23:30(フードL.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
年末年始(不定休)

この記事の筆者:dressing編集部
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