
都内屈指の名店のDNAを引き継ぐ、ちいさなフレンチレストランが曙橋に誕生


シェフの緑川温さん(同・右)は『レフェルヴェソンス』の姉妹店である『ラ・ボンヌターブル』のスーシェフとして長く活躍。食への感度が高い人ならば、2人の経歴だけでも胸が高鳴るだろう。

同店は基本的にアラカルトでの利用をおすすめしている。コース料理として「出てきたものを食べる」のではなく、お客が「自ら選んだものを食べる」という能動的なアクションを大切にしたいためだ。
お客の健康や気持ちまで考え尽くされたディッシュが、コース料理のように美しくサーブされる
アラカルトメニューはすべて人数に合わせてのアレンジが可能。テーブルには1人前ずつポーションが美しく盛り付けられ、コース料理のようにサーブされる。料理は新鮮でおいしい食材を使用するのは大前提とし、その上で「カナカナの料理を食べれば健康・元気になれる」というテーマを掲げる。食材一つひとつの栄養分についても熟考し、それらが身体や心に与えるパワーを皿の上で表現している。

パンはフランス料理からイメージされるバゲットではなく、ミニサイズに焼かれた「食パン」。こちらの食パンには全粒粉とさとうきび、にがりが使われ、身体に良い栄養素やミネラルがたっぷり。もっちりふんわりした食感に、どこか懐かしい気分にさせられる。


1つのソースで3種類の味わいを楽しめる、シェフのセンスが光る一皿

「スズキと帆立のムースのパイ包み焼き ヴェアルネーズソース? ショロンソース?」(写真上)は、バター、レモン、卵黄を使った基本の「オランデーズソース」を使用。ハーブのサラダと合わせると「ヴェアルネーズソース」風に、また、散らされたトマトと合わせると「ショロンソース」風に変化し、1つのソースで3種類の異なる味わいを楽しむことができる。
パイの中にはスズキとホタテがほぼ半々の割合で入っており、ホタテのうまみとスズキの優しい甘みが引き立てられている。

表面に振られた長崎県・五島列島の「にがり塩」のうまみ、お皿に乗った青森ニンニクのピュレがもたらす奥行き、そしてラム自身の肉汁を使ったソースが見事に調和する。
ルージュのような色みが華を添える、艶やかな大人のデセール

どこまでも滑らかなテリーヌに、可憐で甘酸っぱいフランボワーズのアイスが抜群のハーモニーを奏でる。適度に甘さが抑えられた大人のスイーツは、ビターなコーヒーと楽しみたい。
またきっと思い出す、そんな印象的な時間を過ごせる店を目指して

「この店で、忘れがたい印象的な時間を過ごしてほしい。後日、同じ食材に出逢ったときに“カナカナでこんな料理を食べたね”と思い起こしてもらえるようなお店でありたいんです。そのため、僕にとって大切な存在である『カナカナ』という言葉を店名につけました」と市川さんは話してくれる。
お客の身体や気持ちまで、幾重にも考え尽くされた『カナカナ』の料理やサービス。これこそが、レストランの目指すべき「おもてなし」の本質だと感じられる。
市川さんの大切な思い出のように、人々が『カナカナ』で過ごす時間も、いつまでも心に残り続けるものとなるだろう。
撮影:榊智朗
【メニュー】
・ホッキ貝とマンゴーのサラダ仕立て レッドアンディーブ マーシュ レモンのヴィネグレット 1,980円
・スズキと帆立のムースのパイ包み焼き ヴェアルネーズソース ? ショロンソース ? 3,200円
・仔羊の骨付きロース肉 舞茸 グリーンピース 青森にんにくのピュレ 3,800円
・チョコレートのテリーヌ フランボワーズ プラリネ フランボワーズアイス 900円
・おまかせコース 5,500円 / 7,500円
※すべて2人前のポーション・値段。ゲストの人数に合わせてご用意可能。
※デザートの料金はお一人様分の料金です。
Restaurant Cana-Cana(レストラン カナカナ)
〒162-0066 東京都新宿区市谷台町4-103-6709-9447
ランチ:11:30~13:30(L.O.)、ディナー: 18:00~21:00(L.O.)
日曜、不定休1日
https://cana-cana.com/
この記事の筆者:Yayoi Ozawa(フリーライター)
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