
神宮前3丁目、地下にできた大人が通いたくなる空間
表参道に記憶に残る店が誕生した。『L´Evol(レヴォル)』、この響きが良く覚えやすい店名は「Evolution」が語源だ。偉大な先人たちに尊敬の念を抱き、自分たちにしかできない料理を創りあげた。絶えず進化し続けるために常に己を見つめ直し、ひとつでもより良くできることはないかと考えている。これはかなり期待できるに違いない!と扉を開けた。

バーだけの食事メニューもあり、特にチーズプロフェッショナル(C.P.A.)が選ぶ10種類ほどのチーズのラインナップが素晴らしい。4月から始まった「10名限定の週末ランチ」は、グラスシャンパンに「おすすめの前菜」「特製パテバーガー」「選べる3種類のフランス産チーズ」のワンプレートが付く。大人たちがゆっくりと過ごすことができると早くも人気だ。
そして、ワインバーからさらに地下へ降りるとまったくの別空間、40席からなるメインダイニングが広がる。


正統派フランス料理を軸にした、進化し続ける新しい料理

料理観で共通したのは“クラシックであること”。「フランス料理とは何か」「フォン(だし)やソースを重んじる」など話せば話すほど感覚が近かった。伝統的なソースなのになぜか軽く、翌日もつらくない、彼が創るのは古典的なフランス料理を軸としながら今の時代を生きるフランス料理なのである。

中心にホタテを入れたヒラスズキのムースをパイ生地で包むこの料理、パイはサックサクなのにホタテはレア気味にしっとり。
「今だよ! と食材が教えてくれるんです」と高木シェフ。「逆シャンブレと呼んでいます。普通はパイ生地を常温に戻してから使いますが、そうすると中の温度が先に上がってしまいます。だからあえて中を冷たくしておくことで長い時間オーブンに入れられる。するとパイ生地はサクサクに、中は余熱でしっとり焼きあがります。温度は経験値で中心を何度くらいにすれば何分で焼ききれるかわかっているので逆算しています」と。以前から高木シェフのパイ包み焼きは“天才的”と定評があるが、確かに納得のおいしさである。

「チーズは17世紀バターやクリームをたっぷり使ったデザートの前に胃もたれしないようにと食べていたのが現在に伝わっているだけで、私はそこに疑問を抱いていました。それにチーズは肉の余分な脂を吸収しにくくするとも言われているので、料理のひとつとして味の変化を付ける意味で味覚を一旦リセットし、メイン料理を存分に味わってもらいたくて作りました」と話す。

削りたてのミモレットはふんわりと軽く口の中でしっとりと溶け香りとうまみを残し、「百花蜜」のしっかりした甘さとコク、フロマージュブランの爽やかでフレッシュな酸がそれぞれ際立ちながら融合し極上のひと皿へと昇華させるのだ。
再訪したくなるのには理由がある! 大切なのは「想い」



高木シェフと細野オーナーがタッグを組んだことで、フランス料理の可能性がどんどん広がっていくように感じた。ふたりの出逢いは必然だったに違いない。
『レヴォル』に就任する前、高木シェフは何の前触れもなく突然閉店という、もう二度と起こってほしくないと思う悲しい出来事を経験した。理由も告げられずに閉店の事実だけを一方的に突きつけられ、お客さまや仕入先にはひたすら謝ることしかできなかった。そんな日々が1カ月以上続き「もう料理人としては生きていけないかもしれない」と思っていたところに細野さんを紹介された。細野さんは自分の目で見て感じたものだけを信じ、高木シェフと手を取ることを決めた。
ふたりが大切にしていることのひとつに「想い」がある。店のスタッフはもちろんだが、生産者や食材、すべての「想い」が料理やワイン、空間という形でゲストに伝えられる。不思議なことにその熱量は如実にわかるもので、口にするごとにどんな人がどんな畑でどんな人が栽培したものなのかが見えるような気がするのである。この店には確かな技術に裏付けされたおいしさと、たくさんの良いエネルギーが満ちあふれているように感じた。
撮影:千々岩友美
【メニュー】
ランチコース 4,500円、7,500円
ディナーコース 10,000円
※価格はすべて税別・サービス料10%
ワインバーの週末ランチ(10名限定) 3,000円
※価格は税込(サービス料、チャージなし)
L´Evol(レヴォル)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-6-7 DEAR神宮前B103-6875-0357
火~日ランチ 11:30~15:00 (L.O.13:30)、 火~土ディナー 18:00~23:00 (L.O.21:00)、ワインバー(1F フロア)17:30~23:00
月曜 ※月曜が祝日の場合は日曜ディナー営業あり

https://r.gnavi.co.jp/n3mgt1ac0000/
この記事の筆者:高橋綾子(フードパブリシスト)
【Not Sponsored 記事】