
今回の新店では、昨今空前のブームとなっている「肉」、それも和牛をキーワードにしているというから期待が高まる。

前菜のオススメは、透けるほど極薄にスライスした「ローストビーフ」
それでは、『それがし』の肉料理の世界をご紹介していこう。メニューは「前菜」「肉」「酒菜」「ご飯」「甘味」の5つのカテゴリーで構成。
ローストビーフといえば、肉厚にスライスした1枚肉に、グレービーソースとホースラディッシュを添えて、メインディッシュとしていただくことが多いだろう。しかし『それがし』では、生ハム専用のスライサーを使って、ローストビーフを1.5mmほどの極薄にスライスしてしまう。

このローストビーフに使用するのはモモのなかでも最もやわらかく、味の濃いランプ肉。肉は産地やランクにこだわらず、当日最も状態の良いものを仕入れている。
特製のタレは醤油ベースの甘辛味で、卵黄とニンニクを使用することでコクを出しながら、全体としてはすっきりとした仕上がり。自家製ダレに絡まった極薄の肉はまるでシルクのように滑らかで、スルスルと身体に入っていく。1枚、また1枚と、後を引くおいしさだ。

巷のレモンサワーよりもオレンジ色が強いのは、甘みを加えるために和三盆糖を使用しているから。生のレモンを、和三盆糖などの砂糖数種類と日本酒で煮込んで、金宮焼酎とソーダ割りに。深いコクと爽やかなレモンの風味が調和して、洋酒のような香ばしささえ感じさせる。まさにリッチなレモンサワーで、ローストビーフとも相性抜群だ。
「牛肉」×「日本酒」。魅惑の世界を堪能しよう!


ここで1杯飲むなら、やはり日本酒。同店では、常時50種類以上の日本酒をオンリスト。「日本酒はよくわからない」という人は、ぜひお店のスタッフに「この料理に合う日本酒を」とオーダーしてみて。
ちなみに、この「しゃぶすき」には、長野『伴野酒造』の「澤の花 生酛 特別純米」を約40度のぬる燗に仕立ててペアリングするのがおすすめ。生酛造り特有の酸味、力強さに加え、水の良質さを感じさせるきれいな複雑味がお燗で一層膨らみ、コクのあるザブトンとの素晴らしいマリアージュが感じられる組み合わせだ。
温度帯で飲ませる!希少部位と日本酒の極上マリアージュ


口に含むと……、これはおいしい! 生醤油の香りがふわっと広がり、マスタードのつぶつぶ感とともに、カイノミの肉そのもののうまみ、脂の甘みと融合。すべてが混然一体となって、とろけるような夢見心地にさせてくれる。

豊かな米のうまみを活かした純米酒ならではの穏やかで優しい香りと、土地の水のおいしさを感じさせるサラッとした飲み口。和牛のうまみと生醤油のコクにも寄り添う「勝駒」のスマートかつ比類のない味わいを堪能してほしい。
実は『肉料理それがし』が大切にしているのが、肉との相性を考えた日本酒の「温度帯」。例えばカイノミのタタキに対してキリッと冷やした冷酒を合わせれば、せっかくの和牛特有の繊維感や脂が口の中で硬化してしまう。そのため、「勝駒」は同店の「冷酒」のカテゴリーのなかでも冷たさが若干緩んだ8度という温度で提供。互いの持ち味を最大限に引き出す銘柄、温度帯での提供こそが、「肉」×「日本酒」の最大の醍醐味だと考えているのだ。

アルコール分は11%と低く、肉料理との相性がよいマッコリに近い味わいだが、甘さは控えめで、より複雑な酸味やうまみを味わうことができる。日本酒があまり得意でない人にもきっと新しい視点をもたらしてくれるはず。

「日本酒って頭が痛くなるし、種類がいっぱいあってよくわからない」。とりわけ若い世代に多い、そんな”日本酒無党派層”に対して、豊かでおいしい日本酒の世界を再提案してきた『それがし』。ツボを押さえた間違いない肉料理と日本酒のマリアージュ、ぜひ堪能してみてほしい。
【メニュー】
ローストビーフ 卵黄ダレ 1,200円
和牛のなめろう 1,000円
黒毛和牛カイノミ 泡醤油と粒マスタード 3,400円
黒毛和牛のしゃぶすき 四枚 4,000円
ハラミ ブラックアンガス牛 バルサ味噌と塩ダレ 2,500円
リッチレモンサワー 800円
それがし純米 700円
※価格は税抜
肉料理それがし
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-4-8-20203-6420-3092
18:00~翌1:00
日・祝(2017年9月より無休)

この記事の筆者:中村結(ライター)
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